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第一章 外れスキル
77.生活チート
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しばらく待っているとマルクスとラルフが大量に木材や葉を持って帰ってきた。
「今日の夜ご飯を作ることになったので、焚き火を先に準備してもらっていいですか?」
「ほんとか!」
俺に餌付けされているマルクスとラルフは素早く火を起こし焚き火を作った。食事になるとこの二人の速度は異常なぐらい速くなる。
「ケント準備出来たぞ!」
「ありがとうございます」
俺は鍋に入れたお湯の中に干し肉を入れ焚き火で温めた。
干し肉は保存するために塩が多く使われているため辛めに出来ている。
「はぁー、疲れたわ」
リモン達は血抜きをした兎と鳥数匹、あとは数種類の葉物と果実を持って帰ってきた。
「おっ、ケントが飯作ってるんか?」
「そうです」
「ケントくんって女性じゃないのに料理できるの?」
俺は頷くとリモンのパーティーの人達も驚いていた。それよりもなぜか胸を張っているマルクスとラルフが気になった。
「飯も作れるってすごいな。肉と葉物はどうする?」
「肉を捌けるのなら分けてもらってもいいですか? 解体はしたことないので……」
「おー、それは俺に任しておけ!」
リモンは兎と鳥を持って水が入った樽の方へ向かった。
葉物と果実を受け取った俺は一度そのまま一口食べた。
持ってくるということは食べれるものだが、見たことないものは味も全く想像できない。
いくつか葉物は入れてその中で唐辛子のような形の果実があった。
見た目通りピリッとした刺激があったため味付けとして小さく刻み、最後は調味料で味を整えた。
「ケント肉はどうすればいい?」
肉は軽く切れ込みを入れ、筋を切ってから棒に刺して焼いて食べることにした。
単純に調味料やハーブなどが足りないため何もすることができないのだ。
あとはスープの味を整えて完成したのが干し肉が入ったピリ辛スープと兎と鳥の塩焼きだった。
想像とは違ってキャンプ飯にも程遠いがサバイバル飯よりは食べやすいだろう。
さっそくみんなを呼び、食べることにしたが俺の食事を食べたことない御者とリモン達はなぜか驚いていた。
「いやー、まともな食事じゃなくてすみません」
事前に謝るがどこか反応は異なっていた。
「やっぱ俺のパーティーに入れ!」
「私にも料理教えてください。このままじゃ、マルクスさんの胃袋掴めないわ」
リモンはパーティーへの勧誘、カレンは料理を教えて貰えないかと頼み込んできた。
どうやら俺のサバイバル飯でも評価が高いようだ。異世界の胃袋掴むのは結構簡単なんだろうか。
「パーティーはそのうちですね。料理はマルクスさんの好みのやつでいいですか?」
「おい、ケント!」
「はい!」
カレンの即答にどこかマルクスは照れていた。いい加減早くくっついてしまえ。
今日のテントを二人同じ部屋にして、既成事実を作った方が早いだろう。
俺はそんなことを思っているといつのまにかみんな必死にスープと肉を食べていた。やっぱりそこは脳筋の冒険者と変わりなかった。
あれだけ料理を作ると言っていたカレンでさえもガツガツと食べていた。
その後は見張りをしながらも順番にお風呂に入ることにした。
お風呂の準備は一つしか出来なかったため、夜に見張りをするリモン達から先に入り、一度休んでもらった。
全員入り終わる頃には深夜になっていた。
「やっぱり容器もう一つ必要ですね」
「次の村に寄ったら数個用意して貰いましょうか。野営もあと一日ありますからね」
「お願いします。あとは僕も何か調味料準備しておきますね。やっぱりあれだけだと味も同じになってしまいますしね」
「おー、また作ってもらえるんですね」
御者も普段では味わえない地味なサバイバル料理でも生活チートに魅了されていた。
考えてみれば毎回移動している御者からしてみれば硬い干し肉を齧るよりはいいからな。
そして、一番生活チートに魅了されていたのはリチアだった。彼女はパーティーのもう一人の女性でおっとりした魔法使いだ。
よっぽどお風呂が気に入ったのかリモンを超える勢いでパーティーの勧誘がすごかった。
その晩も特に動物や魔物が出てくることもなく再び俺達は王都に向けて出発した。
「今日の夜ご飯を作ることになったので、焚き火を先に準備してもらっていいですか?」
「ほんとか!」
俺に餌付けされているマルクスとラルフは素早く火を起こし焚き火を作った。食事になるとこの二人の速度は異常なぐらい速くなる。
「ケント準備出来たぞ!」
「ありがとうございます」
俺は鍋に入れたお湯の中に干し肉を入れ焚き火で温めた。
干し肉は保存するために塩が多く使われているため辛めに出来ている。
「はぁー、疲れたわ」
リモン達は血抜きをした兎と鳥数匹、あとは数種類の葉物と果実を持って帰ってきた。
「おっ、ケントが飯作ってるんか?」
「そうです」
「ケントくんって女性じゃないのに料理できるの?」
俺は頷くとリモンのパーティーの人達も驚いていた。それよりもなぜか胸を張っているマルクスとラルフが気になった。
「飯も作れるってすごいな。肉と葉物はどうする?」
「肉を捌けるのなら分けてもらってもいいですか? 解体はしたことないので……」
「おー、それは俺に任しておけ!」
リモンは兎と鳥を持って水が入った樽の方へ向かった。
葉物と果実を受け取った俺は一度そのまま一口食べた。
持ってくるということは食べれるものだが、見たことないものは味も全く想像できない。
いくつか葉物は入れてその中で唐辛子のような形の果実があった。
見た目通りピリッとした刺激があったため味付けとして小さく刻み、最後は調味料で味を整えた。
「ケント肉はどうすればいい?」
肉は軽く切れ込みを入れ、筋を切ってから棒に刺して焼いて食べることにした。
単純に調味料やハーブなどが足りないため何もすることができないのだ。
あとはスープの味を整えて完成したのが干し肉が入ったピリ辛スープと兎と鳥の塩焼きだった。
想像とは違ってキャンプ飯にも程遠いがサバイバル飯よりは食べやすいだろう。
さっそくみんなを呼び、食べることにしたが俺の食事を食べたことない御者とリモン達はなぜか驚いていた。
「いやー、まともな食事じゃなくてすみません」
事前に謝るがどこか反応は異なっていた。
「やっぱ俺のパーティーに入れ!」
「私にも料理教えてください。このままじゃ、マルクスさんの胃袋掴めないわ」
リモンはパーティーへの勧誘、カレンは料理を教えて貰えないかと頼み込んできた。
どうやら俺のサバイバル飯でも評価が高いようだ。異世界の胃袋掴むのは結構簡単なんだろうか。
「パーティーはそのうちですね。料理はマルクスさんの好みのやつでいいですか?」
「おい、ケント!」
「はい!」
カレンの即答にどこかマルクスは照れていた。いい加減早くくっついてしまえ。
今日のテントを二人同じ部屋にして、既成事実を作った方が早いだろう。
俺はそんなことを思っているといつのまにかみんな必死にスープと肉を食べていた。やっぱりそこは脳筋の冒険者と変わりなかった。
あれだけ料理を作ると言っていたカレンでさえもガツガツと食べていた。
その後は見張りをしながらも順番にお風呂に入ることにした。
お風呂の準備は一つしか出来なかったため、夜に見張りをするリモン達から先に入り、一度休んでもらった。
全員入り終わる頃には深夜になっていた。
「やっぱり容器もう一つ必要ですね」
「次の村に寄ったら数個用意して貰いましょうか。野営もあと一日ありますからね」
「お願いします。あとは僕も何か調味料準備しておきますね。やっぱりあれだけだと味も同じになってしまいますしね」
「おー、また作ってもらえるんですね」
御者も普段では味わえない地味なサバイバル料理でも生活チートに魅了されていた。
考えてみれば毎回移動している御者からしてみれば硬い干し肉を齧るよりはいいからな。
そして、一番生活チートに魅了されていたのはリチアだった。彼女はパーティーのもう一人の女性でおっとりした魔法使いだ。
よっぽどお風呂が気に入ったのかリモンを超える勢いでパーティーの勧誘がすごかった。
その晩も特に動物や魔物が出てくることもなく再び俺達は王都に向けて出発した。
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