25 / 281
第一章 外れスキル
25.採取依頼
しおりを挟む
あれからマルクスのリハビリは続いている。そのおかげか俺に対してやっかみの目をを向ける冒険者は少なくなってきていた。
「おはようございます」
「ケントくんおはよう! 今日は依頼休みじゃなかったかな?」
依頼が休みの日も普段と変わりなく冒険者ギルドに来ていた。マッサージの依頼は週五日で行いその他は休みにしていた。
「今日はEランクになったので採取に行こうと思いまして」
以前俺が住んでいた森での採取がEランクの依頼になっていた。薬草が分からなくても俺にはコロポ大先生がついている。
「私達がずっとFランクの依頼しか受けさせてなかったもんね。でもEランクからの依頼は魔物が出るから気をつけてね」
スターチスは遠くにいるマルクスを見ていた。
「今ケントくんに何かあるとマルクスさんがまた昔に戻っちゃうからね」
マルクスの腰痛も軽減し普段通りの生活は送れるようになってきていた。
しかし、現役の時のようにハンマーを振る力も弱く遠出をする体力もないらしい。それでも毎日冒険者ギルドに通うのもリハビリになっているのだろう。
「川より奥に行くと魔物が出てくるから絶対に奥まで行かないようにね。念のために魔物避けのお香を渡しておくわ」
俺はスターチスに魔物避けのお香を渡された。
基本的に採取依頼を受ける低ランク冒険者は、ギルドから一律に魔物避けのお香を渡すようになっている。
それでも動物による怪我や採取を欲張った子どもが帰ってこないなど被害は稀にあった。
それはエッセン町や他の街に住んでいる人達に知られている常識だった。だからこそ証拠隠滅のためにケトがそこの森に捨てられていたのだ。
「そういえば何か武器は持ったのかしら?」
「一応短剣は持ちました」
俺は鍛冶屋の店主から依頼のお礼として以前短剣を貰った。
エッセン町に住んで色々な人に触れるたびに俺は町の住民達からは温かく見守られていた。
「では行ってきます!」
俺は採取の依頼を受けて森へ出発した。
――――――――――――――――――――
【E.リーフ草の採取依頼】
募集人数:常時募集
報酬:10枚1束で銀貨2枚
内容:清爽の森で回復ポーション作成のために必要なリーフ草を1束採取。
時間:依頼承認後3日以内
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
【E.マナ草の採取依頼】
募集人数:常時募集
報酬:10枚1束で銀貨2枚
内容:清爽の森で魔力ポーション作成のために必要なマナ草を1束採取。
時間:依頼承認後3日以内
――――――――――――――――――――
ちなみに清爽の森ってところが俺とコロポが出会った森だ。名前はめちゃくちゃ爽やかな感じがするが、実際は奥に行けば行くほど魔物が出てくるから注意が必要だ。
「森に戻ってくるのって久々だね」
「そうじゃな! わしにとってはずっとここにおったから町の方が楽しいがな」
普段からコロポは姿を隠して俺が町の中を移動する時は俺のポケットか服の中に隠れていた。
口ではそう言っているが久々に自分で移動できるため、やはり森の方が生活しやすいんだろう。
「さあ、採取始め……うぉ!?」
俺は採取をしようとしゃがみ込み草の茂みを見ていると何かが突然俺の上に乗っかっていた。
「ガゥ!」
「おお、お前か! 久しぶりだな」
俺の上に乗って来ていたのは狼のボスだった。
「もふもふだー!」
俺は久しぶりにあった狼をスキルを使いながらもふもふした。久しぶりの感触な俺もメロメロになっていた。
すると何かに反応したのかどこからか次第に狼が集まってきていた。
「うわー、これじゃあ今日は採取できない……」
気づいたらいつものように狼達が一列に並んでいたのだ。
「ガゥ?」
そんな俺の様子を狼のボスは感じ取ったのか頭を捻っていた。
「お主、リーフ草とマナ草を知らんか?」
それを見ていたコロポは狼に話しかけると狼のボスは茂みに戻っていった。
俺はその間も狼達をマッサージしながらもふもふしていると、狼のボス何か咥えて帰ってきた。
「ん? これってリーフ草じゃないか」
狼が咥えていたのはまさかのリーフ草だった。なんとコロポの言葉が狼に伝わっていた。
「ガゥ! ガゥ!」
狼のボスは伏せをした状態で尻尾をバタバタと左右に振っていた。
その姿は狼というよりはただの大型犬だった。
「森の奥じゃなくて近場にリーフ草とマナ草があるところを知ってる?」
俺の言葉にまたコロポが狼に伝えると俺の服を噛み引っ張り出した。
「今からついて行くから待ってね」
狼のボスは我に付いて来いと言わんばかりに歩きながら、俺が付いてきているのかキョロキョロ振り返りながら確認していた。
その可愛さに俺は採取どころではなかった。
「おはようございます」
「ケントくんおはよう! 今日は依頼休みじゃなかったかな?」
依頼が休みの日も普段と変わりなく冒険者ギルドに来ていた。マッサージの依頼は週五日で行いその他は休みにしていた。
「今日はEランクになったので採取に行こうと思いまして」
以前俺が住んでいた森での採取がEランクの依頼になっていた。薬草が分からなくても俺にはコロポ大先生がついている。
「私達がずっとFランクの依頼しか受けさせてなかったもんね。でもEランクからの依頼は魔物が出るから気をつけてね」
スターチスは遠くにいるマルクスを見ていた。
「今ケントくんに何かあるとマルクスさんがまた昔に戻っちゃうからね」
マルクスの腰痛も軽減し普段通りの生活は送れるようになってきていた。
しかし、現役の時のようにハンマーを振る力も弱く遠出をする体力もないらしい。それでも毎日冒険者ギルドに通うのもリハビリになっているのだろう。
「川より奥に行くと魔物が出てくるから絶対に奥まで行かないようにね。念のために魔物避けのお香を渡しておくわ」
俺はスターチスに魔物避けのお香を渡された。
基本的に採取依頼を受ける低ランク冒険者は、ギルドから一律に魔物避けのお香を渡すようになっている。
それでも動物による怪我や採取を欲張った子どもが帰ってこないなど被害は稀にあった。
それはエッセン町や他の街に住んでいる人達に知られている常識だった。だからこそ証拠隠滅のためにケトがそこの森に捨てられていたのだ。
「そういえば何か武器は持ったのかしら?」
「一応短剣は持ちました」
俺は鍛冶屋の店主から依頼のお礼として以前短剣を貰った。
エッセン町に住んで色々な人に触れるたびに俺は町の住民達からは温かく見守られていた。
「では行ってきます!」
俺は採取の依頼を受けて森へ出発した。
――――――――――――――――――――
【E.リーフ草の採取依頼】
募集人数:常時募集
報酬:10枚1束で銀貨2枚
内容:清爽の森で回復ポーション作成のために必要なリーフ草を1束採取。
時間:依頼承認後3日以内
――――――――――――――――――――
――――――――――――――――――――
【E.マナ草の採取依頼】
募集人数:常時募集
報酬:10枚1束で銀貨2枚
内容:清爽の森で魔力ポーション作成のために必要なマナ草を1束採取。
時間:依頼承認後3日以内
――――――――――――――――――――
ちなみに清爽の森ってところが俺とコロポが出会った森だ。名前はめちゃくちゃ爽やかな感じがするが、実際は奥に行けば行くほど魔物が出てくるから注意が必要だ。
「森に戻ってくるのって久々だね」
「そうじゃな! わしにとってはずっとここにおったから町の方が楽しいがな」
普段からコロポは姿を隠して俺が町の中を移動する時は俺のポケットか服の中に隠れていた。
口ではそう言っているが久々に自分で移動できるため、やはり森の方が生活しやすいんだろう。
「さあ、採取始め……うぉ!?」
俺は採取をしようとしゃがみ込み草の茂みを見ていると何かが突然俺の上に乗っかっていた。
「ガゥ!」
「おお、お前か! 久しぶりだな」
俺の上に乗って来ていたのは狼のボスだった。
「もふもふだー!」
俺は久しぶりにあった狼をスキルを使いながらもふもふした。久しぶりの感触な俺もメロメロになっていた。
すると何かに反応したのかどこからか次第に狼が集まってきていた。
「うわー、これじゃあ今日は採取できない……」
気づいたらいつものように狼達が一列に並んでいたのだ。
「ガゥ?」
そんな俺の様子を狼のボスは感じ取ったのか頭を捻っていた。
「お主、リーフ草とマナ草を知らんか?」
それを見ていたコロポは狼に話しかけると狼のボスは茂みに戻っていった。
俺はその間も狼達をマッサージしながらもふもふしていると、狼のボス何か咥えて帰ってきた。
「ん? これってリーフ草じゃないか」
狼が咥えていたのはまさかのリーフ草だった。なんとコロポの言葉が狼に伝わっていた。
「ガゥ! ガゥ!」
狼のボスは伏せをした状態で尻尾をバタバタと左右に振っていた。
その姿は狼というよりはただの大型犬だった。
「森の奥じゃなくて近場にリーフ草とマナ草があるところを知ってる?」
俺の言葉にまたコロポが狼に伝えると俺の服を噛み引っ張り出した。
「今からついて行くから待ってね」
狼のボスは我に付いて来いと言わんばかりに歩きながら、俺が付いてきているのかキョロキョロ振り返りながら確認していた。
その可愛さに俺は採取どころではなかった。
18
お気に入りに追加
1,374
あなたにおすすめの小説
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

実家から追放されたが、狐耳の嫁がいるのでどうでも良い
竹桜
ファンタジー
主人公は職業料理人が原因でアナリア侯爵家を追い出されてしまった。
追い出された後、3番目に大きい都市で働いていると主人公のことを番だという銀狐族の少女に出会った。
その少女と同棲した主人公はある日、頭を強く打ち、自身の前世を思い出した。
料理人の職を失い、軍隊に入ったら、軍団長まで登り詰めた記憶を。
それから主人公は軍団長という職業を得て、緑色の霧で体が構成された兵士達を呼び出すことが出来るようになった。
これは銀狐族の少女を守るために戦う男の物語だ。
偏屈な辺境伯爵のメイドに転生しましたが、前世が秋葉原ナンバーワンメイドなので問題ありません
八星 こはく
恋愛
【愛されスキルで溺愛されてみせる!伯爵×ぽんこつメイドの身分差ラブ!】
「私の可愛さで、絶対ご主人様に溺愛させてみせるんだから!」
メイドカフェ激戦区・秋葉原で人気ナンバー1を誇っていた天才メイド・長谷川 咲
しかし、ある日目が覚めると、異世界で別人になっていた!
しかも、貧乏な平民の少女・アリスに生まれ変わった咲は、『使用人も怯えて逃げ出す』と噂の伯爵・ランスロットへの奉公が決まっていたのだ。
使用人としてのスキルなんて咲にはない。
でも、メイドカフェで鍛え上げた『愛され力』ならある。
そう決意し、ランスロットへ仕え始めるのだった。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います
とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。
食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。
もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。
ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。
ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

はずれスキル『本日一粒万倍日』で金も魔法も作物もなんでも一万倍 ~はぐれサラリーマンのスキル頼みな異世界満喫日記~
緋色優希
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて異世界へやってきたサラリーマン麦野一穂(むぎのかずほ)。得たスキルは屑(ランクレス)スキルの『本日一粒万倍日』。あまりの内容に爆笑され、同じように召喚に巻き込まれてきた連中にも馬鹿にされ、一人だけ何一つ持たされず荒城にそのまま置き去りにされた。ある物と言えば、水の樽といくらかの焼き締めパン。どうする事もできずに途方に暮れたが、スキルを唱えたら水樽が一万個に増えてしまった。また城で見つけた、たった一枚の銀貨も、なんと銀貨一万枚になった。どうやら、あれこれと一万倍にしてくれる不思議なスキルらしい。こんな世界で王様の助けもなく、たった一人どうやって生きたらいいのか。だが開き直った彼は『住めば都』とばかりに、スキル頼みでこの異世界での生活を思いっきり楽しむ事に決めたのだった。

魔法召いのリキ・ユナテッド
リオ
ファンタジー
魔法学園に入ることになったリキ・ユナテッド。魔法など使えないと思っていたが実は使え、適当に召喚魔法を口にすると小さな兎が現れた。知能があり、よく喋るその兎は炎属性。
どうやらリキが喚び出す召喚獣は誰かに反応して生まれてくるようで、他に水属性,風属性などの召喚獣ーー全てで四体の召喚獣が召喚可能となる。
『誰かにつくことで属性を付加させる能力を発揮する召喚獣』は、決まった者にしかつかない。その決まった者、召喚獣に選ばれた者とリキと召喚獣その他の物語。学園で出会い、その後どうするのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる