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第四章
146.NPC、簡単リフォーム業者になる
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「てめぇらのせいでこちとら毎日働き過ぎて死にそうなんだよ!」
「オレ様なんて充血がなおらねえんだよ!」
謎の鬼と狼男が魔物達を次々と倒していく。
大きなスライムも魔物に覆い被さると、ジュワジュワと体を溶かしていた。
きっと俺の知っているあいつらではないのだろう。
「本当にマスターは鬼畜だよなああああ!」
「返事は〝はい〟しか許されないからな!」
魔物達を倒していく姿は鍛えられた戦士のようだ。
今まで強いやつらと戦う機会はあまりなかった。
自分がどこまでできるか腕試しをしてみるのも悪くなさそうだな。
「やっと終わったな」
「次から次へと……」
戦い終えた鬼と狼男に俺は一瞬で近づく。
「なっ!?」
「お前は!?」
両腕を前に突き出し、軽く指を曲げて額に向けて放つ。
「デコ、ピーン!」
俺は様子見としてやつらにデコピンを一撃だけ与えることにした。
これで大体の強さがわかるだろう。
避けられればそれだけ強者だってわかるし、当たってもデコピンだからそこまで痛くはないはず。
今まで剣や弓で威力を試していたが、自分の力がどれだけ強いかわからないからな。
「あっ……」
だが、俺の力は想像を超えるような強さだった。
――ドガーン!
鬼と狼男は勢いよく壁まで飛んでいく。
「「グハッ!?」」
体の中の空気が全て吐き出されている。
STRにポイントを振るのをやめようかと思うほどの威力が出てしまった。
ユーマにバカと言っているが、俺も大して変わらないようだ。
「ちゃちく、ちゅよいよ?」
呆れた顔をしたヴァイルが近づいてきた。
その手には王冠がついたスライムを抱きかかえていた。
さっきは大きかったが、いつのまにか小さくなっている。
「そのスライムって……」
「おちょもだち!」
どうやらこの洞窟で出会ったスライムらしい。
ってことは目の前で倒れている鬼と狼男って――。
すぐに駆け寄り聖職者スキルで回復される。
あれだけ強い力でデコピンをしたら、頭蓋骨が割れているかもしれない。
だが、勇者と違って傷の治るスピードが遅いようだ。
「いきなり攻撃してくるなんて酷いぞ!」
「眠気が一気に覚めたじゃないか! やっと今日寝れると思ったのに!」
それでもしばらく回復していると、話せるようにはなっていた。
額の部分がベコって凹んでいたから、心配していた。
無事に話せるようだし、特に体の問題はないのだろう。
「やっぱりお前らってあの時のゴブリンとコボルトか?」
俺の言葉に鬼と狼男は頷いていた。
あの時は子どもサイズで小さかったのに、今は俺よりも大きくなっている。
明らかに体のサイズからして別人だ。
いや、人じゃなくて別魔物だな。
この数日間で何があったのだろうか。
「ひょっとして進化したのか?」
「ああ、侵入する魔物が絶え間なく襲ってくるからな」
「倒していたら自然と姿形が変わっていた。目も良くなったしな!」
狼男は俺に対して目を大きく見開き見せてくれた。
「あー、充血しているな?」
「寝不足なんだよ!」
その場で足をジタバタとしている。
コボルトの時とはこの辺はあまり変わらないな。
詳しく話を聞くと、どうやら俺が洞窟から去ってからすぐに洞窟に変化があったらしい。
今まで魔物が洞窟に入ってくることはなかったのに、連日魔物が何かに呼ばれるように溢れかえっていた。
それを倒していたら、いつのまにか進化して強くなっていたようだ。
魔物は一定数の魔物を倒すと、見た目が変わり強くなるのを知らなかった。
ひょっとしたらキシャも進化したら、汽車から新幹線になるかもしれない。
ゲームとかでレベルが上がると進化とかしていたもんな。
それと似たような感じのことが起こっているのだろう。
――ピヨーン! ピヨピヨ!
話していると奥の方から何かの鳴き声が聞こえてくる。
「お前ら逃げる準備をしろ!」
「また魔物が攻めてくるぞ!」
鬼と狼男はすぐに構えて戦う準備をしていた。
洞窟の入り口から大きな足音が鳴り響く。
どうやら大量の魔物がまた洞窟の中に入ってきたようだ。
「マスターがマブタチの笛を使って、魔物が来ることを合図しているんだ」
「あの笛がずっと頭に鳴り響いて、オレ様は寝不足なんだよ!」
「マブタチの笛……変わった音色……」
俺はある笛を思い出した。
確か似たような音色の笛をセーラー服の少年に友達の証として取られたんだっけ。
「あっ、それ俺のせいかも」
「「はぁん!?」」
「いや、あいつに渡した笛を吹くと魔物が集まって来るんだよ。説明して……」
「「いねぇーよ!」」
鬼と狼男は俺の服を掴み、前後に揺さぶる。
ああ、これはこれで頭が揺れて良い訓練になりそうだな。
「まあまあ落ち着け」
「落ち着けるか!」
「お前のせいで死ぬ思いをしていたんだぞ!」
「ははは、人って聖職者スキルを使えば死なないからな。あっ、お前達魔物だったか」
「いやいや、人でも死んだら生き返らないからな」
「召喚されているからオレ様達はすぐに消えるからな」
正確に言えば回復速度は違うけど、魔物でも無事に生き返っているから問題はない。
「んー、いまいちわからないが魔物をすぐに倒すから、すぐに笛を返してもらおうか」
今の俺の頭はユーマ並みだ。
難しいことを言われても、整理できないからな。
俺は弓を構えると、久々に封印していたショートランス型の矢を放つ。
――ゴオオオオオオオン!
轟音を立てて、周囲を吹き飛ばすような勢いで魔物に向かって矢は飛んでいく。
「「「えっ……」」」
久しぶりに使ったから、力の調整を間違えたのか?
完全にユーマ以下の知能だな。
あまり頭を振られるのは良くないようだ。
訓練の時には気をつけよう。
「ちゃちく、ひろきゅなったね!」
洞窟に魔物が入ってきたのを一瞬にして忘れるほど、外の景色が見えていた。
どうやら洞窟を簡単リフォームする力を手に入れたようだ。
「オレ様なんて充血がなおらねえんだよ!」
謎の鬼と狼男が魔物達を次々と倒していく。
大きなスライムも魔物に覆い被さると、ジュワジュワと体を溶かしていた。
きっと俺の知っているあいつらではないのだろう。
「本当にマスターは鬼畜だよなああああ!」
「返事は〝はい〟しか許されないからな!」
魔物達を倒していく姿は鍛えられた戦士のようだ。
今まで強いやつらと戦う機会はあまりなかった。
自分がどこまでできるか腕試しをしてみるのも悪くなさそうだな。
「やっと終わったな」
「次から次へと……」
戦い終えた鬼と狼男に俺は一瞬で近づく。
「なっ!?」
「お前は!?」
両腕を前に突き出し、軽く指を曲げて額に向けて放つ。
「デコ、ピーン!」
俺は様子見としてやつらにデコピンを一撃だけ与えることにした。
これで大体の強さがわかるだろう。
避けられればそれだけ強者だってわかるし、当たってもデコピンだからそこまで痛くはないはず。
今まで剣や弓で威力を試していたが、自分の力がどれだけ強いかわからないからな。
「あっ……」
だが、俺の力は想像を超えるような強さだった。
――ドガーン!
鬼と狼男は勢いよく壁まで飛んでいく。
「「グハッ!?」」
体の中の空気が全て吐き出されている。
STRにポイントを振るのをやめようかと思うほどの威力が出てしまった。
ユーマにバカと言っているが、俺も大して変わらないようだ。
「ちゃちく、ちゅよいよ?」
呆れた顔をしたヴァイルが近づいてきた。
その手には王冠がついたスライムを抱きかかえていた。
さっきは大きかったが、いつのまにか小さくなっている。
「そのスライムって……」
「おちょもだち!」
どうやらこの洞窟で出会ったスライムらしい。
ってことは目の前で倒れている鬼と狼男って――。
すぐに駆け寄り聖職者スキルで回復される。
あれだけ強い力でデコピンをしたら、頭蓋骨が割れているかもしれない。
だが、勇者と違って傷の治るスピードが遅いようだ。
「いきなり攻撃してくるなんて酷いぞ!」
「眠気が一気に覚めたじゃないか! やっと今日寝れると思ったのに!」
それでもしばらく回復していると、話せるようにはなっていた。
額の部分がベコって凹んでいたから、心配していた。
無事に話せるようだし、特に体の問題はないのだろう。
「やっぱりお前らってあの時のゴブリンとコボルトか?」
俺の言葉に鬼と狼男は頷いていた。
あの時は子どもサイズで小さかったのに、今は俺よりも大きくなっている。
明らかに体のサイズからして別人だ。
いや、人じゃなくて別魔物だな。
この数日間で何があったのだろうか。
「ひょっとして進化したのか?」
「ああ、侵入する魔物が絶え間なく襲ってくるからな」
「倒していたら自然と姿形が変わっていた。目も良くなったしな!」
狼男は俺に対して目を大きく見開き見せてくれた。
「あー、充血しているな?」
「寝不足なんだよ!」
その場で足をジタバタとしている。
コボルトの時とはこの辺はあまり変わらないな。
詳しく話を聞くと、どうやら俺が洞窟から去ってからすぐに洞窟に変化があったらしい。
今まで魔物が洞窟に入ってくることはなかったのに、連日魔物が何かに呼ばれるように溢れかえっていた。
それを倒していたら、いつのまにか進化して強くなっていたようだ。
魔物は一定数の魔物を倒すと、見た目が変わり強くなるのを知らなかった。
ひょっとしたらキシャも進化したら、汽車から新幹線になるかもしれない。
ゲームとかでレベルが上がると進化とかしていたもんな。
それと似たような感じのことが起こっているのだろう。
――ピヨーン! ピヨピヨ!
話していると奥の方から何かの鳴き声が聞こえてくる。
「お前ら逃げる準備をしろ!」
「また魔物が攻めてくるぞ!」
鬼と狼男はすぐに構えて戦う準備をしていた。
洞窟の入り口から大きな足音が鳴り響く。
どうやら大量の魔物がまた洞窟の中に入ってきたようだ。
「マスターがマブタチの笛を使って、魔物が来ることを合図しているんだ」
「あの笛がずっと頭に鳴り響いて、オレ様は寝不足なんだよ!」
「マブタチの笛……変わった音色……」
俺はある笛を思い出した。
確か似たような音色の笛をセーラー服の少年に友達の証として取られたんだっけ。
「あっ、それ俺のせいかも」
「「はぁん!?」」
「いや、あいつに渡した笛を吹くと魔物が集まって来るんだよ。説明して……」
「「いねぇーよ!」」
鬼と狼男は俺の服を掴み、前後に揺さぶる。
ああ、これはこれで頭が揺れて良い訓練になりそうだな。
「まあまあ落ち着け」
「落ち着けるか!」
「お前のせいで死ぬ思いをしていたんだぞ!」
「ははは、人って聖職者スキルを使えば死なないからな。あっ、お前達魔物だったか」
「いやいや、人でも死んだら生き返らないからな」
「召喚されているからオレ様達はすぐに消えるからな」
正確に言えば回復速度は違うけど、魔物でも無事に生き返っているから問題はない。
「んー、いまいちわからないが魔物をすぐに倒すから、すぐに笛を返してもらおうか」
今の俺の頭はユーマ並みだ。
難しいことを言われても、整理できないからな。
俺は弓を構えると、久々に封印していたショートランス型の矢を放つ。
――ゴオオオオオオオン!
轟音を立てて、周囲を吹き飛ばすような勢いで魔物に向かって矢は飛んでいく。
「「「えっ……」」」
久しぶりに使ったから、力の調整を間違えたのか?
完全にユーマ以下の知能だな。
あまり頭を振られるのは良くないようだ。
訓練の時には気をつけよう。
「ちゃちく、ひろきゅなったね!」
洞窟に魔物が入ってきたのを一瞬にして忘れるほど、外の景色が見えていた。
どうやら洞窟を簡単リフォームする力を手に入れたようだ。
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