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第二章 精霊イベント
89.NPC、ラブの強い味方達を知る
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すぐに冒険者ギルドに戻ると、おじさん同士がげっそりとした顔をしていた。
どうやらまだ抜け出せないようだ。
「ジェイド、今すぐ戦う準備をしてくれ!」
「戦う? すでに俺はこいつと戦っていたんだけど」
「主人どうにかしてくれよ」
今も必死に紐も解こうしている。ただ、きつく結んだ紐が外せないのだろう。
俺の全力STRで結んでいるからな。
「それで戦う準備ってどういうことだ?」
「ユーマ達の話だと、虫系魔物の大群がこの町に向かっているらしい」
「何で虫系魔物ってわかるんだ?」
俺は魅惑の香水を取り出して、ジェイドに吹きかける。
「うわ、主人何をするんだ」
オジサンの顔面にかかり怒っている。
しばらくすると虫達が寄ってきた。その中の一匹を捕まえてジェイドに見せる。
足をウニョウニョと動かし逃げようとしている。
「あー、気持ち悪いな」
うん。
確かに気持ち悪いが、見てほしいところはそこではない。
虫系魔物は俺に掴まれていることに気づいて、足を俺に絡ませてきた。
一種で握り潰す。
ポタポタと体液が流れてきた。
「あー、やっぱりヴァイトは力が強いな」
うん。
やっぱりジェイドには伝わってないようだ。
解体師スキルを発動させて、手を綺麗にする。
「今この町で香水が流行っているだろ? 町全体でこのにおいを放っているんだ」
ジェイドはやっと理解したのだろう。
「今すぐに香水を集めろ!」
顔を引き締めて仲間達に指示を出していく。
「金をガッポリ稼ぐぞ!」
「うおおおおお!」
なんか予想とは違うような反応だ。
ひょっとして香水を使って魔物を誘き寄せて戦うつもりか?
それを邪魔するようにオジサンがジタバタしている。
必死に虫から逃げているようだ。
「おい、あんまり動くなよ。胸が痛くなるだろ!」
ん?
やっぱり胸が痛くなるのか?
人によって痛みは変わるのだろう。
また実験の結果として記録に残しておこう。
俺は解体師スキルを発動させて、魅惑の香水を無効化する。
ついでに虫が顔面に張り付いてるオジサンズも綺麗にしておいた。
「ふぅー、気持ち悪かったぞ……」
意外にもオジサンは虫が苦手のようだ。
「じゃあ、俺は偵察に行ってくる」
それだけ伝えて冒険者ギルドを後にした。
「主人、これを外してくれ!」
「お前が動くからさらに締め付けられて胸が痛いだろ!」
「なら早くこれを解いてくれ!」
それにしてもなぜ紐をずっと解こうとしているのだろうか。
刃物で簡単に切れるように縄は使っていないのにな……。
町の入り口に向かうとすでに勇者達が集まっていた。
その中には魅惑の香水を付けている人達もいる。
「だからそのにおいが問題なんだって!」
「ヴァイト様が来てくれたら、こんな香水落とすわよ!」
そんな奴らと何か言い合いをしているユーマに声をかけた。
「おい、ユーマこれじゃあ意味がないんじゃないか?」
周囲に香水のにおいが広がっている。
ここにいるだけで、体ににおいが染み付いてきそうだ。
「おお、やっと来たか」
ユーマは俺の肩を叩くと、そのまま引っ張り勇者達に差し出した。
「きゃあああああ!」
「ヴァイト様よー!」
なぜか様々な声が聞こえてくる。
その中には男性勇者もいるようだ。
「ヴァイトさんごめんなさい」
近くにいたラブが突然謝ってきた。
何か悪いことでもしたのだろうか。
「声をかけたら想像以上にみんなが集まってきたの」
「この人達は知り合いなの?」
「うん、全員ヴァイトファンクラブ会員の人達です」
また、俺にはわからない勇者語が出てきた。
ただ、ここにいる全員が何かの会員だってことだな。
きっとラブの強い仲間達なんだろう。
「俺は今から虫達の動きを見にいくから、町の人達の誘導を頼みます。それにその香水は絶対に使わないでくださいね」
「キュン!」
なぜか変わった返事をされた。
俺は全体に解体師スキルを発動させる。
「ほわあー、まるでヴァイト様に抱かれているみたいだわ」
意味のわからないことを言っているが、確かに解体師スキルで体を綺麗にするとポカポカする。
まるでお風呂に入った後のような感じだ。
それが抱かれているように感じたのだろう。
俺は特に気にせずに町の外に偵察に出た。
「ねぇ、これってわざわざ魔物を倒さなくても終わらない?」
「アル、どういうことだ?」
「だって魅惑の香水のにおい自体を消せば魔物は来ないよね?」
「あっ……ヴァイト……はもう行っちゃったよな」
ユーマ達一行は町の中で作戦会議をしていた。
どうやらまだ抜け出せないようだ。
「ジェイド、今すぐ戦う準備をしてくれ!」
「戦う? すでに俺はこいつと戦っていたんだけど」
「主人どうにかしてくれよ」
今も必死に紐も解こうしている。ただ、きつく結んだ紐が外せないのだろう。
俺の全力STRで結んでいるからな。
「それで戦う準備ってどういうことだ?」
「ユーマ達の話だと、虫系魔物の大群がこの町に向かっているらしい」
「何で虫系魔物ってわかるんだ?」
俺は魅惑の香水を取り出して、ジェイドに吹きかける。
「うわ、主人何をするんだ」
オジサンの顔面にかかり怒っている。
しばらくすると虫達が寄ってきた。その中の一匹を捕まえてジェイドに見せる。
足をウニョウニョと動かし逃げようとしている。
「あー、気持ち悪いな」
うん。
確かに気持ち悪いが、見てほしいところはそこではない。
虫系魔物は俺に掴まれていることに気づいて、足を俺に絡ませてきた。
一種で握り潰す。
ポタポタと体液が流れてきた。
「あー、やっぱりヴァイトは力が強いな」
うん。
やっぱりジェイドには伝わってないようだ。
解体師スキルを発動させて、手を綺麗にする。
「今この町で香水が流行っているだろ? 町全体でこのにおいを放っているんだ」
ジェイドはやっと理解したのだろう。
「今すぐに香水を集めろ!」
顔を引き締めて仲間達に指示を出していく。
「金をガッポリ稼ぐぞ!」
「うおおおおお!」
なんか予想とは違うような反応だ。
ひょっとして香水を使って魔物を誘き寄せて戦うつもりか?
それを邪魔するようにオジサンがジタバタしている。
必死に虫から逃げているようだ。
「おい、あんまり動くなよ。胸が痛くなるだろ!」
ん?
やっぱり胸が痛くなるのか?
人によって痛みは変わるのだろう。
また実験の結果として記録に残しておこう。
俺は解体師スキルを発動させて、魅惑の香水を無効化する。
ついでに虫が顔面に張り付いてるオジサンズも綺麗にしておいた。
「ふぅー、気持ち悪かったぞ……」
意外にもオジサンは虫が苦手のようだ。
「じゃあ、俺は偵察に行ってくる」
それだけ伝えて冒険者ギルドを後にした。
「主人、これを外してくれ!」
「お前が動くからさらに締め付けられて胸が痛いだろ!」
「なら早くこれを解いてくれ!」
それにしてもなぜ紐をずっと解こうとしているのだろうか。
刃物で簡単に切れるように縄は使っていないのにな……。
町の入り口に向かうとすでに勇者達が集まっていた。
その中には魅惑の香水を付けている人達もいる。
「だからそのにおいが問題なんだって!」
「ヴァイト様が来てくれたら、こんな香水落とすわよ!」
そんな奴らと何か言い合いをしているユーマに声をかけた。
「おい、ユーマこれじゃあ意味がないんじゃないか?」
周囲に香水のにおいが広がっている。
ここにいるだけで、体ににおいが染み付いてきそうだ。
「おお、やっと来たか」
ユーマは俺の肩を叩くと、そのまま引っ張り勇者達に差し出した。
「きゃあああああ!」
「ヴァイト様よー!」
なぜか様々な声が聞こえてくる。
その中には男性勇者もいるようだ。
「ヴァイトさんごめんなさい」
近くにいたラブが突然謝ってきた。
何か悪いことでもしたのだろうか。
「声をかけたら想像以上にみんなが集まってきたの」
「この人達は知り合いなの?」
「うん、全員ヴァイトファンクラブ会員の人達です」
また、俺にはわからない勇者語が出てきた。
ただ、ここにいる全員が何かの会員だってことだな。
きっとラブの強い仲間達なんだろう。
「俺は今から虫達の動きを見にいくから、町の人達の誘導を頼みます。それにその香水は絶対に使わないでくださいね」
「キュン!」
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意味のわからないことを言っているが、確かに解体師スキルで体を綺麗にするとポカポカする。
まるでお風呂に入った後のような感じだ。
それが抱かれているように感じたのだろう。
俺は特に気にせずに町の外に偵察に出た。
「ねぇ、これってわざわざ魔物を倒さなくても終わらない?」
「アル、どういうことだ?」
「だって魅惑の香水のにおい自体を消せば魔物は来ないよね?」
「あっ……ヴァイト……はもう行っちゃったよな」
ユーマ達一行は町の中で作戦会議をしていた。
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