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第二章 精霊イベント
79.NPC、精霊に名前をつける
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「よし、朝活に行くぞ!」
「ワッシは今から寝るんだ!」
布団に包まっている精霊を無理やり剥がして、俺は一緒に連れて行こうとする。
水浴びをしてから一度仮眠することにした。
って言っても15分程度だ。
それだけ寝れば人は元気に動けるからな。
精霊にとって15分は短いのだろう。
爪を立てて家財に引っ掛ける為、中々思いっきり引っ張ることはできない。
「いきゅよ!」
ヴァイルも頑張って引っ張るが、力はまだまだ精霊の方が強いようだ。
「いやだああああ! ワッシもふかふかなお布団で寝るんだああああ!」
そもそも精霊は魔力で生きているため、寝なくても良い気がする。
「精霊は寝なくても大丈夫だろ?」
「ギクッ!?」
どうやらただのワガママだったらしい。
俺はそのまま爪を素早く動かして、紐を引っ張って行く。
「ヒャホォーイ!」
「いくじょー!」
ずっと付けている紐もこういう時には便利だ。
犬にリードを付けるのが当たり前だから、大マーモットを散歩するのも別におかしくないだろう。
まぁ、こいつの場合はそのまま引きづられているけどな。
いつもお尻……いや、背中が痒そうだからちょうど良いだろう。
「まじゅはどこにいきゅ?」
「あー、ギルドで体を動かした方が良いかな?」
「おにぃしゅき!」
今日はヴァイルも付いてくるため、久しぶりに一緒にやる職業体験だ。
ここは精霊にも良いところを見せないといけないからな。
ただ、鬼ごっこって職業体験にはならない。
「んー、遊ぶのはまた後でだよ?」
「いーやーや! おにおにしゅるもん!」
そこまで鬼ごっこがしたいなら付き合わないといけないだろう。
冒険者ギルドに入ると、早速職員からの視線が集まってくる。
しっかりと精霊の紹介をした方が良いだろう。
「じゃーん、俺の精霊……お前の名前なかったな?」
「今頃かああああ!」
短い足で俺を蹴ろうとしてくるが、どうやら届かないようだ。
あっ、ちょうど良い名前を思いたいぞ。
「んー、タンソクとかはどうだ?」
「キイー! 主人許さんぞ!」
どうやらタンソクはダメらしい。
見た目に似た呼び名って結構良いと思うけどな。
俺も公園に行った時に、子ども達からマシンって呼ばれていた。
いつも妹が怒って喧嘩になっていたけど、あの男の子は妹が好きだったんだろう。
好きな子に意地悪をするって言うからな。
あれ?
このままだと俺がユーマのこと……。
いや、あれは意地悪ではなく、ただの言い合いみたいなもんだからな。
結局、電動車椅子に乗っていたから、それで追いかけ回して遊んでいたのも良い思い出だ。
「おーい、あるじー!」
どうやら俺は過去に浸っていたようだ。
「この際、大マーモットのままで良いんじゃないか?」
前歯を見せつけて、今にも齧ってきそうな気がする。
精霊が嫌なら大マーモットでも良さそうだが、それも嫌なようだ。
「ちゃちく、おじしゃんは?」
「オジサン? あー、確かにオジサンぽいもんな」
背中をポリポリしながら、テレビを見ていたら完全におじさんに見えるだろう。
テレビが存在しないのが残念だ。
「ただ、バビットもおじさんだからな……」
「んーん、バビーはバビー!」
「それならオジサンでも大丈夫か」
ヴァイルが名前を呼べるなら、特に問題はない。
見た目と名前もあっているしな。
気づいた時には目の前にHUDシステムが表示されていた。
そこには大マーモットのイラストと大きく名前が書いてある。
――オジサン
どうやら大マーモットは正式名称〝オジサン〟になったようだ。
「オジサンよろしくね」
「おじしゃん!」
「ワッシをオジサンって呼ぶなんてええええええ!」
ヴァイルも言いやすくて、気に入っている。
「ワッシは大精霊のマーモットなのに……」
小さな声で呟いていたオジサンの声は俺には聞こえなかった。
「ワッシは今から寝るんだ!」
布団に包まっている精霊を無理やり剥がして、俺は一緒に連れて行こうとする。
水浴びをしてから一度仮眠することにした。
って言っても15分程度だ。
それだけ寝れば人は元気に動けるからな。
精霊にとって15分は短いのだろう。
爪を立てて家財に引っ掛ける為、中々思いっきり引っ張ることはできない。
「いきゅよ!」
ヴァイルも頑張って引っ張るが、力はまだまだ精霊の方が強いようだ。
「いやだああああ! ワッシもふかふかなお布団で寝るんだああああ!」
そもそも精霊は魔力で生きているため、寝なくても良い気がする。
「精霊は寝なくても大丈夫だろ?」
「ギクッ!?」
どうやらただのワガママだったらしい。
俺はそのまま爪を素早く動かして、紐を引っ張って行く。
「ヒャホォーイ!」
「いくじょー!」
ずっと付けている紐もこういう時には便利だ。
犬にリードを付けるのが当たり前だから、大マーモットを散歩するのも別におかしくないだろう。
まぁ、こいつの場合はそのまま引きづられているけどな。
いつもお尻……いや、背中が痒そうだからちょうど良いだろう。
「まじゅはどこにいきゅ?」
「あー、ギルドで体を動かした方が良いかな?」
「おにぃしゅき!」
今日はヴァイルも付いてくるため、久しぶりに一緒にやる職業体験だ。
ここは精霊にも良いところを見せないといけないからな。
ただ、鬼ごっこって職業体験にはならない。
「んー、遊ぶのはまた後でだよ?」
「いーやーや! おにおにしゅるもん!」
そこまで鬼ごっこがしたいなら付き合わないといけないだろう。
冒険者ギルドに入ると、早速職員からの視線が集まってくる。
しっかりと精霊の紹介をした方が良いだろう。
「じゃーん、俺の精霊……お前の名前なかったな?」
「今頃かああああ!」
短い足で俺を蹴ろうとしてくるが、どうやら届かないようだ。
あっ、ちょうど良い名前を思いたいぞ。
「んー、タンソクとかはどうだ?」
「キイー! 主人許さんぞ!」
どうやらタンソクはダメらしい。
見た目に似た呼び名って結構良いと思うけどな。
俺も公園に行った時に、子ども達からマシンって呼ばれていた。
いつも妹が怒って喧嘩になっていたけど、あの男の子は妹が好きだったんだろう。
好きな子に意地悪をするって言うからな。
あれ?
このままだと俺がユーマのこと……。
いや、あれは意地悪ではなく、ただの言い合いみたいなもんだからな。
結局、電動車椅子に乗っていたから、それで追いかけ回して遊んでいたのも良い思い出だ。
「おーい、あるじー!」
どうやら俺は過去に浸っていたようだ。
「この際、大マーモットのままで良いんじゃないか?」
前歯を見せつけて、今にも齧ってきそうな気がする。
精霊が嫌なら大マーモットでも良さそうだが、それも嫌なようだ。
「ちゃちく、おじしゃんは?」
「オジサン? あー、確かにオジサンぽいもんな」
背中をポリポリしながら、テレビを見ていたら完全におじさんに見えるだろう。
テレビが存在しないのが残念だ。
「ただ、バビットもおじさんだからな……」
「んーん、バビーはバビー!」
「それならオジサンでも大丈夫か」
ヴァイルが名前を呼べるなら、特に問題はない。
見た目と名前もあっているしな。
気づいた時には目の前にHUDシステムが表示されていた。
そこには大マーモットのイラストと大きく名前が書いてある。
――オジサン
どうやら大マーモットは正式名称〝オジサン〟になったようだ。
「オジサンよろしくね」
「おじしゃん!」
「ワッシをオジサンって呼ぶなんてええええええ!」
ヴァイルも言いやすくて、気に入っている。
「ワッシは大精霊のマーモットなのに……」
小さな声で呟いていたオジサンの声は俺には聞こえなかった。
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