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第二章 精霊イベント
59.NPC、アジトに侵入する
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「もう無理だああああ! このままじゃ死んじまう……」
「まだ生きてますよ?」
「殺してくれえええええ!」
さっきから死にたいのか生きたいのか全くわからない。
ちゃんと男を脅しながら鬼ごっこをしていたら、無事にアジトまで場所を教えてくれた。
別に回復魔法をかけながら、死ぬギリギリで走らせているのに、そこまで気にする問題なんだろうか。
それにしてもまたここに来るのかと思ってしまうほど、俺はこの場所に縁があるようだ。
「また森の中か……」
アジトがあると言われたのは、大蛇を討伐した森の中だった。
結局町の半分まで戻ってきてしまった。
場所としては師匠達が勇者達を指導すると、奥に連れていったところに洞窟の入り口のようなものを見つけた。
その先に隠れているようだ。
「じゃあ、お前はここで待ってろよ」
「えっ……」
さすがにそのまま放置するわけにもいかないため、男を木に結びつけてぶら下げておく。
「ここにはゴブリンかホーンラビットしかいないから大丈夫だ」
大蛇のような強い魔物がいないため、きっと問題はないだろう。
アジトもすぐに制圧できそうだしな。
「おーい! 下ろしてくれよおー! 鬼畜ー!」
何か叫んでいたが、俺は無視することにした。
俺は斥候スキルを使ってアジトに近づく。
「最近勇者ってやつが町にいたが、あいつらいまだに俺達の存在に気づいてないぞ?」
「ハッヤイーナの情報がバレたが、あいつは切り捨てればいいからな」
「ははは、それが確実だな。ボスもそろそろ次の町に行くって言っていたからな」
どうやらハッヤイーナは、この組織の中でいらないと判断されたらしい。
それはそれであいつに同情してしまう。
それにしても次の町って、ひょっとしたら俺らの町のことを言っているのだろうか。
こいつらよりも、確実に今のジェイドやエリックの方が強いから問題ない。
ジェイド達を特訓しておいて良かったと思うほどだ。
初めてあった時よりも強くなったからな。
ただ、問題は早期解決しておいて損はない。
「とりあえず、どこの町を襲うつもりですか?」
「そりゃー、ここからすぐの――」
「はい、アウトー!」
答えを聞く前に俺は二人の意識を刈り取る。
ここからすぐだと、確実に俺らの町しかない。
俺はその後縄で縛りつけて、入り口付近の木にぶら下げておいた。
しっかりと魔物に襲われないように対策は忘れていないからな。
中に入っていくと、洞窟の中は何かで掘ったような形跡があった。
ひょっとしたら炭鉱とかに使われていたのだろうか。
まぁ、実際に炭鉱がどういうのか、見たことがないからわからない。
そのまま奥の方へ歩いていく。
「場所によって部屋が分かれているのか?」
一番奥の部屋と途中にある部屋に人の気配を感じる。
他は特に人がいないようだ。
俺はひとまず途中にある部屋に向かった。
「なあ、こいつらって奴隷として売ったらいくらになるんだ?」
「子どもは結構価値が高いからなー」
「まさか奴隷として売るのか?」
「ああ、こいつらはそのために……お前は誰だ!?」
やはり隠れていても、声をかけたら俺の存在はバレてしまうようだ。
さすがに聞いたことがない声が聞こえたら警戒するよな。
俺はその場ですぐに意識を刈り取って気絶させる。
本当にこいつらは悪党なのかと思うほど弱い。
俺がバシッと手で叩くだけで、体がグニャと曲がってしまう。
たまに可哀想だと思い、回復魔法で治療はしてあげるが、そんなに俺のステータスは高いのだろうか。
逃げないように縄で縛ると部屋の中に入る。
そこには数人の子ども達が固まって座っていた。
扉が開いたことで警戒を強めた。
「お兄さんは怪しいものじゃないよ?」
優しく声をかける。
子どもを怯えさせてはいけないからな。
「ヒイイィィィ!?」
あれ?
こういう時って怪しい人じゃないと、伝えれば良かったんじゃなかったのか?
なぜか子ども達が怯えている。
「ああ、手に縄をもっていたからか」
ひょっとしたら捕まって、何かされると思ったのだろう。
俺の後ろには縄で縛られている男達がいるからな。
少し体がグニャってなっているが、治療はしてあるから問題はないはずだ。
「どうして君たちはここにいるんだ?」
子ども達はお互いに顔を見合わせて口を開いた。
「私たち誘拐されたの……」
どうやらこの組織はものを盗むだけではなく、子ども達も誘拐していたようだ。
「まだ生きてますよ?」
「殺してくれえええええ!」
さっきから死にたいのか生きたいのか全くわからない。
ちゃんと男を脅しながら鬼ごっこをしていたら、無事にアジトまで場所を教えてくれた。
別に回復魔法をかけながら、死ぬギリギリで走らせているのに、そこまで気にする問題なんだろうか。
それにしてもまたここに来るのかと思ってしまうほど、俺はこの場所に縁があるようだ。
「また森の中か……」
アジトがあると言われたのは、大蛇を討伐した森の中だった。
結局町の半分まで戻ってきてしまった。
場所としては師匠達が勇者達を指導すると、奥に連れていったところに洞窟の入り口のようなものを見つけた。
その先に隠れているようだ。
「じゃあ、お前はここで待ってろよ」
「えっ……」
さすがにそのまま放置するわけにもいかないため、男を木に結びつけてぶら下げておく。
「ここにはゴブリンかホーンラビットしかいないから大丈夫だ」
大蛇のような強い魔物がいないため、きっと問題はないだろう。
アジトもすぐに制圧できそうだしな。
「おーい! 下ろしてくれよおー! 鬼畜ー!」
何か叫んでいたが、俺は無視することにした。
俺は斥候スキルを使ってアジトに近づく。
「最近勇者ってやつが町にいたが、あいつらいまだに俺達の存在に気づいてないぞ?」
「ハッヤイーナの情報がバレたが、あいつは切り捨てればいいからな」
「ははは、それが確実だな。ボスもそろそろ次の町に行くって言っていたからな」
どうやらハッヤイーナは、この組織の中でいらないと判断されたらしい。
それはそれであいつに同情してしまう。
それにしても次の町って、ひょっとしたら俺らの町のことを言っているのだろうか。
こいつらよりも、確実に今のジェイドやエリックの方が強いから問題ない。
ジェイド達を特訓しておいて良かったと思うほどだ。
初めてあった時よりも強くなったからな。
ただ、問題は早期解決しておいて損はない。
「とりあえず、どこの町を襲うつもりですか?」
「そりゃー、ここからすぐの――」
「はい、アウトー!」
答えを聞く前に俺は二人の意識を刈り取る。
ここからすぐだと、確実に俺らの町しかない。
俺はその後縄で縛りつけて、入り口付近の木にぶら下げておいた。
しっかりと魔物に襲われないように対策は忘れていないからな。
中に入っていくと、洞窟の中は何かで掘ったような形跡があった。
ひょっとしたら炭鉱とかに使われていたのだろうか。
まぁ、実際に炭鉱がどういうのか、見たことがないからわからない。
そのまま奥の方へ歩いていく。
「場所によって部屋が分かれているのか?」
一番奥の部屋と途中にある部屋に人の気配を感じる。
他は特に人がいないようだ。
俺はひとまず途中にある部屋に向かった。
「なあ、こいつらって奴隷として売ったらいくらになるんだ?」
「子どもは結構価値が高いからなー」
「まさか奴隷として売るのか?」
「ああ、こいつらはそのために……お前は誰だ!?」
やはり隠れていても、声をかけたら俺の存在はバレてしまうようだ。
さすがに聞いたことがない声が聞こえたら警戒するよな。
俺はその場ですぐに意識を刈り取って気絶させる。
本当にこいつらは悪党なのかと思うほど弱い。
俺がバシッと手で叩くだけで、体がグニャと曲がってしまう。
たまに可哀想だと思い、回復魔法で治療はしてあげるが、そんなに俺のステータスは高いのだろうか。
逃げないように縄で縛ると部屋の中に入る。
そこには数人の子ども達が固まって座っていた。
扉が開いたことで警戒を強めた。
「お兄さんは怪しいものじゃないよ?」
優しく声をかける。
子どもを怯えさせてはいけないからな。
「ヒイイィィィ!?」
あれ?
こういう時って怪しい人じゃないと、伝えれば良かったんじゃなかったのか?
なぜか子ども達が怯えている。
「ああ、手に縄をもっていたからか」
ひょっとしたら捕まって、何かされると思ったのだろう。
俺の後ろには縄で縛られている男達がいるからな。
少し体がグニャってなっているが、治療はしてあるから問題はないはずだ。
「どうして君たちはここにいるんだ?」
子ども達はお互いに顔を見合わせて口を開いた。
「私たち誘拐されたの……」
どうやらこの組織はものを盗むだけではなく、子ども達も誘拐していたようだ。
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