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第二章 精霊イベント
55.運営、これはバグなのか? ※運営視点
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「課長、また問題が発生しました!」
今日も俺が所属する部署は忙しい。
何やらまた問題が起きたようだ。
「次の問題は何だ!」
「レア職業が誕生しました!」
「レア職業だって? また勝手にプレイヤーがレア職業って言ってるやつじゃないか? この間の聖職者とか薬師はそんなに珍しくない設定だぞ」
「いや、これは本当にレアだと思います」
俺は部下に見せられた画面を覗き込む。
そこには見たこともない職業が表示されていた。
――社畜(OM職)
あれ……?
こんな職業設定していたのか?
そもそもこんな職業になりたいやつなんていないだろう。
楽しむためにゲームをやるのに、ゲームの中でも社畜だぞ?
俺らでも絶対そんな転職クエストは受けたくない。
社畜は現実世界だけで十分だ。
「これって誰かのイタズラか? それともバグか?」
俺達の会社はAIの実用性の実験も含めて、このゲームを制作した。だからこそ、資金もたくさんあったし、より良いゲームを作ることができた。
そんなゲームにバグが発見されたとわかったら、何を言われるか考えただけでも震えが止まらない。
「いや、どちらも可能性は低いと思います」
部下の一言にひとまず安心した。
俺の解雇は遠くなったからな。
「それなら勝手にゲームが成長したってことか?」
「その可能性が高いと思います」
「うっし! その調子だな!」
勝手にゲームが成長する。
それはこのゲームを作った意味にもなる。
NPCが勝手に学び成長していく。
そのおかげで、AIの成長速度や今後の実用性も変わってくる。
「それでそのレア職の師匠は誰だ?」
「えーっと……それが問題でして……」
「問題って誰のことだ?」
この間はヴァイトというNPCがレイドボスを倒して問題になったばかりだ。
人間達が住む世界は、プレイヤーの勝手な行動でNPC達が異様な成長を遂げているからな。
他の国はまだまだAIの実験になるほど、NPCが成長していない。
「その……またヴァイトという――」
「なんだってええええ!」
やはりやらかしたのはあのNPCだった。
いや、ヴァイトが決して悪いわけではない。
その後、問題にしたのはあいつだからな。
「はーせーがーわー!」
「はい! 私はまだ何もしてません!」
うちの社員が作った動画がある一定のファンに広まり、我が社のゲームはさらに注目されるようになった。
「まだってバレンタイン企画はやらないって言っただろう!」
「だから今度はホワイトデー企画を提案しているんじゃないですか! 別にホワイトデーに男が男にプレゼントしても普通じゃないですか!」
確かに男性がホワイトデーでプレゼントしてもおかしくはないだろう。
ただ、それは男性が女性に渡すもので、男性が男性に渡すイベントではなかったはず。
ヴァイトが問題NPCになったのは、女性ファンがとてつもなく多かったのが原因の一つだ。
女性でも一般女性から腐女子と呼ばれる人達まで虜にしている。
同じ男としても嫉妬でキャラ消去したいぐらいだ。
そんなことをしたらプレイヤー達に叩かれて炎上するだろう。
あまりにも女性プレイヤーがはじまりの町から移動しなかったから、強制的に第二の町から帰れなくなるイベントを発生させたからな。
あれも結構炎上したが仕方ない。
俺としてもヴァイトがモテるのは嫌だからな。
「ってかまた妹を使ってヴァイトの動画を集めてただろ!」
「だって妹がヴァイトと仲良いのを利用しないはずがないじゃないですか! それにそのおかげでゲームの製造が増えて、売り上げも急上昇ですよね?」
「うっ……」
それを言われたら何も言い返せない。
はじめは実験ということもあり、製造数がそこまで多くなかった。
それでダメなら製造中止の予定だった。
それがヴァイトのおかげで、製造再開されたのだ。
それにVRのヘッドギアを作っている会社からも、感謝されるぐらい影響されている。
今後、第二陣のプレイヤー達がヴァイトの元に訪れるだろう。
「ははは、せめて社畜らしく働いてくれ――」
「課長、そんなこと言ってないでペットの仕様は大丈夫ですか? 早くしないと第二の町にいる人達からまたクレーム祭りになりますよ」
第二の町のクエスト報酬としてペットがもらえる仕組みになっている。
まぁ、これだけヴァイトと女性達を離せたから良しとしよう。
次はペット達のイベント開始だ!
今日も俺が所属する部署は忙しい。
何やらまた問題が起きたようだ。
「次の問題は何だ!」
「レア職業が誕生しました!」
「レア職業だって? また勝手にプレイヤーがレア職業って言ってるやつじゃないか? この間の聖職者とか薬師はそんなに珍しくない設定だぞ」
「いや、これは本当にレアだと思います」
俺は部下に見せられた画面を覗き込む。
そこには見たこともない職業が表示されていた。
――社畜(OM職)
あれ……?
こんな職業設定していたのか?
そもそもこんな職業になりたいやつなんていないだろう。
楽しむためにゲームをやるのに、ゲームの中でも社畜だぞ?
俺らでも絶対そんな転職クエストは受けたくない。
社畜は現実世界だけで十分だ。
「これって誰かのイタズラか? それともバグか?」
俺達の会社はAIの実用性の実験も含めて、このゲームを制作した。だからこそ、資金もたくさんあったし、より良いゲームを作ることができた。
そんなゲームにバグが発見されたとわかったら、何を言われるか考えただけでも震えが止まらない。
「いや、どちらも可能性は低いと思います」
部下の一言にひとまず安心した。
俺の解雇は遠くなったからな。
「それなら勝手にゲームが成長したってことか?」
「その可能性が高いと思います」
「うっし! その調子だな!」
勝手にゲームが成長する。
それはこのゲームを作った意味にもなる。
NPCが勝手に学び成長していく。
そのおかげで、AIの成長速度や今後の実用性も変わってくる。
「それでそのレア職の師匠は誰だ?」
「えーっと……それが問題でして……」
「問題って誰のことだ?」
この間はヴァイトというNPCがレイドボスを倒して問題になったばかりだ。
人間達が住む世界は、プレイヤーの勝手な行動でNPC達が異様な成長を遂げているからな。
他の国はまだまだAIの実験になるほど、NPCが成長していない。
「その……またヴァイトという――」
「なんだってええええ!」
やはりやらかしたのはあのNPCだった。
いや、ヴァイトが決して悪いわけではない。
その後、問題にしたのはあいつだからな。
「はーせーがーわー!」
「はい! 私はまだ何もしてません!」
うちの社員が作った動画がある一定のファンに広まり、我が社のゲームはさらに注目されるようになった。
「まだってバレンタイン企画はやらないって言っただろう!」
「だから今度はホワイトデー企画を提案しているんじゃないですか! 別にホワイトデーに男が男にプレゼントしても普通じゃないですか!」
確かに男性がホワイトデーでプレゼントしてもおかしくはないだろう。
ただ、それは男性が女性に渡すもので、男性が男性に渡すイベントではなかったはず。
ヴァイトが問題NPCになったのは、女性ファンがとてつもなく多かったのが原因の一つだ。
女性でも一般女性から腐女子と呼ばれる人達まで虜にしている。
同じ男としても嫉妬でキャラ消去したいぐらいだ。
そんなことをしたらプレイヤー達に叩かれて炎上するだろう。
あまりにも女性プレイヤーがはじまりの町から移動しなかったから、強制的に第二の町から帰れなくなるイベントを発生させたからな。
あれも結構炎上したが仕方ない。
俺としてもヴァイトがモテるのは嫌だからな。
「ってかまた妹を使ってヴァイトの動画を集めてただろ!」
「だって妹がヴァイトと仲良いのを利用しないはずがないじゃないですか! それにそのおかげでゲームの製造が増えて、売り上げも急上昇ですよね?」
「うっ……」
それを言われたら何も言い返せない。
はじめは実験ということもあり、製造数がそこまで多くなかった。
それでダメなら製造中止の予定だった。
それがヴァイトのおかげで、製造再開されたのだ。
それにVRのヘッドギアを作っている会社からも、感謝されるぐらい影響されている。
今後、第二陣のプレイヤー達がヴァイトの元に訪れるだろう。
「ははは、せめて社畜らしく働いてくれ――」
「課長、そんなこと言ってないでペットの仕様は大丈夫ですか? 早くしないと第二の町にいる人達からまたクレーム祭りになりますよ」
第二の町のクエスト報酬としてペットがもらえる仕組みになっている。
まぁ、これだけヴァイトと女性達を離せたから良しとしよう。
次はペット達のイベント開始だ!
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