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第六章 辺境の島に国を作る
53.王子、友達とナンパする
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ルールと建物ができれば、あと必要になるのはそこに住む住人と他国との交流、経済基盤の作成になるだろう。
他国との交流や経済に関しては、今どうにかできる問題ではない。そのため、まずは新たな住人を探すことにした。
「誰かこの村に住んでくれそう奴を知っているか?」
『拙者、友達いないので誰も知らないぞ』
『ワシも同じだ』
別に期待はしていなかったが、そこまではっきり言われるとこっちが悲しくなってしまう。
コボスケとヒツジの背中を優しく撫でると、嬉しそうにしていたため、本人達は気にしていないのだろう。
『私は魚しか知りませんね』
魚といえばあの足が生えたやつだろうか。少しめんどくさい性格をしているため、この村には住んで欲しくないな。隣人の知り合いぐらいがちょうど良い。
『オイラの親戚が遠いところに住んでいるけど呼ぼ――』
「別に呼ばなくていいぞ!」
アースドラゴンが言う親戚とは絶対にドラゴン関係で間違いないはずだ。流石にドラゴンが来ても危ない奴ばかり増えて困る。
ここを最強種の村にする気だろうか。
コカスケや焼き鳥達にも聞いてみるが、特に知り合いはいないらしい。
「お兄様、私が人間を捕獲してきましょうか?」
うん、妹よ。それは誘拐という行為のことを言っているのだろうか。流石にそれは兄でも責任は取れない。
しかも、王族が誘拐となれば色々と迷惑がかかるだろう。特に現王である父は大変な思いをするだろう。
「とりあえず森の中で声をかけてみるしかないってことか」
『それはナンパってやつですね! 拙者、ナンパするの初めてなんです』
コボスケはどこでそんな言葉を覚えてきているのだろうか。そもそも僕もナンパをしたことがないため、コボスケとヒツジ頼りだ。
森の中の移動を考えて、二手に分かれることにした。コボスケ、ヒツジとの三人で村人募集と森の探索。
一方、メアリー達に畑の世話と衣服作りをしてもらうことにした。
カマバックとメアリーは最近よく二人でいることが多い。恋バナで盛り上がっていたら、共通点が多くお互い気が合うことに気づいたらしい。
「じゃあ、行ってくる!」
「変な女に引っかからないでね」
『そうよ! アドルきゅんは私達のなんだからね!』
別に僕は誰のものでもないはずだ。
みんなに挨拶をすると、すぐに森の中で住居希望者を探す。
「村に引っ越したい方はいませんかー?」
『いませんかー?』
「美味しい野菜がありますよー!」
『ありますよー!』
「ふかふかした布団もありますよー!」
『ありますよー!』
村の良いところを簡潔に伝えながら、森の中を歩いていく。チラチラと声を聞いて顔を出すやつもいるが、コボスケやヒツジを見てすぐに逃げていく。
『中々集まってこないぞ?』
「少しは集まってくると思ったが、魅力が少ないのか?」
『拙者、ナンパ師にはなれなかったのか』
コボスケ達は落ち込んでいるが、条件としてコボスケ達を怖がらないのが第一優先となる。
そのために一人で探さずに連れてきているのだ。
「ナンパ師になって何するつもりだったんだ?」
『んー、アドルにあげる?』
犬や猫が何かを捕まえて飼い主に渡しにいく姿を想像してしまう。まるでペットのようだな。
「いや、まためんどくさい爺さんを捕まえて来られても困るからいらないぞ?」
ナンパしたのは良いが、エルダートレントのように手に負えないやつを連れて来られても困るからな。
その後も森の中を探索しながら声かけしても、誰も寄ってこないため、近くにある山の麓に向かうことにした。
そこで焼き鳥達に出会ったから、姿を隠して生活しているやつもいるだろう。
僕達は山に着くととりあえず手前にあった穴に入っていく。まだ見ぬ新しい友達がここにいるのだろう。
『タッタラー♪ ダダダ……ダンジョンにようこそ!』
突然聞こえた声はどこか裏返っていた。どうやら僕達はダンジョンの中に入ったようだ。
他国との交流や経済に関しては、今どうにかできる問題ではない。そのため、まずは新たな住人を探すことにした。
「誰かこの村に住んでくれそう奴を知っているか?」
『拙者、友達いないので誰も知らないぞ』
『ワシも同じだ』
別に期待はしていなかったが、そこまではっきり言われるとこっちが悲しくなってしまう。
コボスケとヒツジの背中を優しく撫でると、嬉しそうにしていたため、本人達は気にしていないのだろう。
『私は魚しか知りませんね』
魚といえばあの足が生えたやつだろうか。少しめんどくさい性格をしているため、この村には住んで欲しくないな。隣人の知り合いぐらいがちょうど良い。
『オイラの親戚が遠いところに住んでいるけど呼ぼ――』
「別に呼ばなくていいぞ!」
アースドラゴンが言う親戚とは絶対にドラゴン関係で間違いないはずだ。流石にドラゴンが来ても危ない奴ばかり増えて困る。
ここを最強種の村にする気だろうか。
コカスケや焼き鳥達にも聞いてみるが、特に知り合いはいないらしい。
「お兄様、私が人間を捕獲してきましょうか?」
うん、妹よ。それは誘拐という行為のことを言っているのだろうか。流石にそれは兄でも責任は取れない。
しかも、王族が誘拐となれば色々と迷惑がかかるだろう。特に現王である父は大変な思いをするだろう。
「とりあえず森の中で声をかけてみるしかないってことか」
『それはナンパってやつですね! 拙者、ナンパするの初めてなんです』
コボスケはどこでそんな言葉を覚えてきているのだろうか。そもそも僕もナンパをしたことがないため、コボスケとヒツジ頼りだ。
森の中の移動を考えて、二手に分かれることにした。コボスケ、ヒツジとの三人で村人募集と森の探索。
一方、メアリー達に畑の世話と衣服作りをしてもらうことにした。
カマバックとメアリーは最近よく二人でいることが多い。恋バナで盛り上がっていたら、共通点が多くお互い気が合うことに気づいたらしい。
「じゃあ、行ってくる!」
「変な女に引っかからないでね」
『そうよ! アドルきゅんは私達のなんだからね!』
別に僕は誰のものでもないはずだ。
みんなに挨拶をすると、すぐに森の中で住居希望者を探す。
「村に引っ越したい方はいませんかー?」
『いませんかー?』
「美味しい野菜がありますよー!」
『ありますよー!』
「ふかふかした布団もありますよー!」
『ありますよー!』
村の良いところを簡潔に伝えながら、森の中を歩いていく。チラチラと声を聞いて顔を出すやつもいるが、コボスケやヒツジを見てすぐに逃げていく。
『中々集まってこないぞ?』
「少しは集まってくると思ったが、魅力が少ないのか?」
『拙者、ナンパ師にはなれなかったのか』
コボスケ達は落ち込んでいるが、条件としてコボスケ達を怖がらないのが第一優先となる。
そのために一人で探さずに連れてきているのだ。
「ナンパ師になって何するつもりだったんだ?」
『んー、アドルにあげる?』
犬や猫が何かを捕まえて飼い主に渡しにいく姿を想像してしまう。まるでペットのようだな。
「いや、まためんどくさい爺さんを捕まえて来られても困るからいらないぞ?」
ナンパしたのは良いが、エルダートレントのように手に負えないやつを連れて来られても困るからな。
その後も森の中を探索しながら声かけしても、誰も寄ってこないため、近くにある山の麓に向かうことにした。
そこで焼き鳥達に出会ったから、姿を隠して生活しているやつもいるだろう。
僕達は山に着くととりあえず手前にあった穴に入っていく。まだ見ぬ新しい友達がここにいるのだろう。
『タッタラー♪ ダダダ……ダンジョンにようこそ!』
突然聞こえた声はどこか裏返っていた。どうやら僕達はダンジョンの中に入ったようだ。
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