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第六章 辺境の島に国を作る
50.王子、作る早さに驚く
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自己紹介を終えた僕達は再び村づくりを開始した。コカスケの石化能力も含めて、今度は強固な家を作ろうという話になった。
その基盤となる資材は手作りセメントとエルダートレントだ。
メアリーは本当にエルダートレントを使うのかとチラチラと見ていたが、僕達は容赦なく使う。
せっかく良い木を手に入れたなら、使わないともったいない。
『コカスケここに石化を頼む!』
『はい、師匠!』
木で同じ大きさの型を作り、そこにセメントを流す。その後コカスケの石化能力を使ってできるのは、同じ大きさのレンガだ。
そのレンガを何個も作っていく。
「メアリーはレンガの中央に穴を開けてもらってもいい?」
「闇属性魔法で良いんだよね」
魔法のコントロールの練習というヒツジの提案で、闇属性魔法をレンガの中央に落としていく。
そのまま魔法でレンガの真ん中のみ消滅すると、空洞ができるのだ。
それを家の枠組みとして、一定の距離で並べてあるエルダートレントの木に合わせて、レンガを置いていく。
レンガの中央の穴とエルダートレントの木で固定されるという仕組みだ。
ただ、レンガとレンガの間に隙間ができてしまう。
『そこは私が塗っていくわ!』
器用なカマバックが糸を使って、隙間を埋めるようにセメントを乗せていく。すると、壁のようなレンガの塊ができる。
『よし、コカスケ頼む!』
『はい、師匠!』
再びコカスケが石化能力を使うと、レンガが完璧に固定されて大きな壁が出来上がる。
あとはこれを何個もくっ付ければ城のような家が完成するはずだ。
♢
「お兄様? これって本当に城ですか?」
「ははは、僕もそれは思ったよ」
僕達が知っている城とは明らかに違う。目の前に建つのは城というよりは要塞に近い気がする。
まさか1日もかからずに要塞ができるなんて、誰も想像していないだろう。
あとは内装を作ったら完璧だ。
念の為にメアリーに魔法を放ってもらうが、傷一つ付かなかった。少しメアリーは落ち込んでいたが、世の中強いやつはたくさんいるから早く知っておいて損はない。
一番弱いと思っていたコカスケでも、石化能力だけみたら最強種レベルだ。
体も小さいし、見た目も可愛いからって油断したら即死だろう。
コカスケより強いコボスケ達が本気の力を出したら本当にどうなるのだろうか。
『拙者、木を揃えてくるぞ!』
そんなことを思われていると知らないコボスケは楽しそうに木を切っていた。
爪でスルスルと木を切り分ける力にメアリーも驚いていた。よくよく考えてみたら、爪で引っ掻いただけで、木が柔らかく切れるっておかしい。
次第にこの島で生活すると何が普通で、どこがおかしいのかわからなくなるからな。
コボスケが持ってきた木を床に並べると、ヒツジはすぐに固定していく。途中からはどっちが早いのか勝負し始めていた。
あっという間に床はできて、基本的な内装はすぐに完成した。
「やっぱり私って状態異常の魔法にかかっているのかな?」
「んー、これは幻覚でも夢でもないかな」
ヒツジも二度目の家づくりになると要領を得ているため早い。
資材の確保から始めて、家を組み立てた。内装まで整えても合計で二時間はかかっていないようだ。
むしろ資材を集めてセメントを作る時が一番時間がかかった気がする。
こいつらがいたら王都に帰っても、家を作る大工を仕事にしても良さそうだ。
いや、さすがに王都へ連れて行ったら、地図から王都が消えて無くなりそうだな。
絶対に恐怖の対象として人間と戦うことになるだろう。
僕はこのまま島に残って優雅な生活を続けることにした。
その基盤となる資材は手作りセメントとエルダートレントだ。
メアリーは本当にエルダートレントを使うのかとチラチラと見ていたが、僕達は容赦なく使う。
せっかく良い木を手に入れたなら、使わないともったいない。
『コカスケここに石化を頼む!』
『はい、師匠!』
木で同じ大きさの型を作り、そこにセメントを流す。その後コカスケの石化能力を使ってできるのは、同じ大きさのレンガだ。
そのレンガを何個も作っていく。
「メアリーはレンガの中央に穴を開けてもらってもいい?」
「闇属性魔法で良いんだよね」
魔法のコントロールの練習というヒツジの提案で、闇属性魔法をレンガの中央に落としていく。
そのまま魔法でレンガの真ん中のみ消滅すると、空洞ができるのだ。
それを家の枠組みとして、一定の距離で並べてあるエルダートレントの木に合わせて、レンガを置いていく。
レンガの中央の穴とエルダートレントの木で固定されるという仕組みだ。
ただ、レンガとレンガの間に隙間ができてしまう。
『そこは私が塗っていくわ!』
器用なカマバックが糸を使って、隙間を埋めるようにセメントを乗せていく。すると、壁のようなレンガの塊ができる。
『よし、コカスケ頼む!』
『はい、師匠!』
再びコカスケが石化能力を使うと、レンガが完璧に固定されて大きな壁が出来上がる。
あとはこれを何個もくっ付ければ城のような家が完成するはずだ。
♢
「お兄様? これって本当に城ですか?」
「ははは、僕もそれは思ったよ」
僕達が知っている城とは明らかに違う。目の前に建つのは城というよりは要塞に近い気がする。
まさか1日もかからずに要塞ができるなんて、誰も想像していないだろう。
あとは内装を作ったら完璧だ。
念の為にメアリーに魔法を放ってもらうが、傷一つ付かなかった。少しメアリーは落ち込んでいたが、世の中強いやつはたくさんいるから早く知っておいて損はない。
一番弱いと思っていたコカスケでも、石化能力だけみたら最強種レベルだ。
体も小さいし、見た目も可愛いからって油断したら即死だろう。
コカスケより強いコボスケ達が本気の力を出したら本当にどうなるのだろうか。
『拙者、木を揃えてくるぞ!』
そんなことを思われていると知らないコボスケは楽しそうに木を切っていた。
爪でスルスルと木を切り分ける力にメアリーも驚いていた。よくよく考えてみたら、爪で引っ掻いただけで、木が柔らかく切れるっておかしい。
次第にこの島で生活すると何が普通で、どこがおかしいのかわからなくなるからな。
コボスケが持ってきた木を床に並べると、ヒツジはすぐに固定していく。途中からはどっちが早いのか勝負し始めていた。
あっという間に床はできて、基本的な内装はすぐに完成した。
「やっぱり私って状態異常の魔法にかかっているのかな?」
「んー、これは幻覚でも夢でもないかな」
ヒツジも二度目の家づくりになると要領を得ているため早い。
資材の確保から始めて、家を組み立てた。内装まで整えても合計で二時間はかかっていないようだ。
むしろ資材を集めてセメントを作る時が一番時間がかかった気がする。
こいつらがいたら王都に帰っても、家を作る大工を仕事にしても良さそうだ。
いや、さすがに王都へ連れて行ったら、地図から王都が消えて無くなりそうだな。
絶対に恐怖の対象として人間と戦うことになるだろう。
僕はこのまま島に残って優雅な生活を続けることにした。
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