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第三章 衣食住、たらふくご飯を食べます
22.王子、死ぬ気で逃げます
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僕は必死に家に向かって走っている。あいつらがいなくなってから、ぞろぞろと動物や魔物が飛び出してきた。
「ウィンドカッター!」
魔法で草を切り落として道を開けていく。少しでも足を引っ掛けたら死にそうになる。
「ヌォオオオオオー!」
後ろから追いかけてくるのは一際大きな牛だ。大きさ的にはコボスケ達よりも小さいが、普通の牛の2倍の大きさはあるだろう。
きっと牛の魔物とかだろうか。
「うぉ!?」
突然、目の前に舌をぺろぺろと出した蛇も現れる。体長10mはありそうな蛇は僕が来るのを待ち構えていた。
「ウォーターボール」
魔法で牽制して逃げているが、流石に魔力のコントロールもしにくい。動物が嫌う火属性魔法を使いたいが、火事になったら一気に燃え広がるだろう。
もう少し魔法の練習をしておけばよかったと後悔する。
そんな中、聞いたことのある鳴き声が聞こえた。
「ささみか!?」
ささみは特徴的な鳴き方をする。初めて聞いた時は少し笑ってしまった。
ただ、こんなところにきたら流石にフェニックスでも、雛鳥だから食べられてしまう。
『クケェクケェクケケケケ!』
相変わらず変わった声で鳴くささみ。次第に声は大きくなる。
「ささみ!」
森の中で僕達を探していたのか彷徨っていた。僕に気づいたのかささみはよちよちと歩み寄ってきた。
次の瞬間、ささみは大きく息を吸った。
「おいおい、流石にここでは!?」
『クケェー!』
ささみが吐いた火は後ろを追いかけていた牛を一瞬で燃やす。火をコントロールしているのか、木に燃え移るような様子もない。
僕はささみに抱きついてその場に座り込む。ずっと走っていて疲れている。
もう少し運動しておけばよかったな。才能がないと思い、走るのをサボった影響だろう。
「はぁー、助かったよ。探しに来てくれたのか?」
『クケェ!』
どうやらささみは僕を探しに森の中に入ってきたらしい。危ないと思っていたが僕よりも頼りになる。
僕に安心したのか羽を広げてスリスリしてくる。もふもふして温かい羽は僕を安心させてくれる。元気にさせてもらってるのはこっちだな。
「お前はあいつらと比べてすごいやつだな」
ささみをもふもふすると嬉しそうに笑っていた。相変わらず奇妙な笑い方をするが、これもささみの良いところなんだろう。
「じゃあ、帰るか」
ささみを連れて帰ろうとすると、何かが気になるのかチラチラと後ろの方を見ている。そこには良い感じに焼けた牛がいた。
「食べたいのか?」
『クケェ!』
やはりささみは食欲旺盛なんだろう。少し良い匂いもしているため、焼けていないところは食べないように伝えた。
モシャモシャと音を立てながら食べるささみ。僕の言ったことを理解して律儀に内臓も自分の火で炙って美味しそうに食べていた。
どこか僕のお腹も減ってきたが、流石に血抜きのしてない肉は食べる気にならない。
いつか牛を捕まえたら、血抜きをしてささみと一緒に肉を焼いて食べたいな。
その前にあいつらには躾をしないといけないだろう。
しばらくするとささみは牛の骨だけを残して食べ切ったようだ。
「よく食べたな!」
『クケェ!』
体が丸くなってきているが、やはり子どもが大きく育つのは嬉しいことだ。
僕達は手を繋いで家まで帰ることにした。
「ウィンドカッター!」
魔法で草を切り落として道を開けていく。少しでも足を引っ掛けたら死にそうになる。
「ヌォオオオオオー!」
後ろから追いかけてくるのは一際大きな牛だ。大きさ的にはコボスケ達よりも小さいが、普通の牛の2倍の大きさはあるだろう。
きっと牛の魔物とかだろうか。
「うぉ!?」
突然、目の前に舌をぺろぺろと出した蛇も現れる。体長10mはありそうな蛇は僕が来るのを待ち構えていた。
「ウォーターボール」
魔法で牽制して逃げているが、流石に魔力のコントロールもしにくい。動物が嫌う火属性魔法を使いたいが、火事になったら一気に燃え広がるだろう。
もう少し魔法の練習をしておけばよかったと後悔する。
そんな中、聞いたことのある鳴き声が聞こえた。
「ささみか!?」
ささみは特徴的な鳴き方をする。初めて聞いた時は少し笑ってしまった。
ただ、こんなところにきたら流石にフェニックスでも、雛鳥だから食べられてしまう。
『クケェクケェクケケケケ!』
相変わらず変わった声で鳴くささみ。次第に声は大きくなる。
「ささみ!」
森の中で僕達を探していたのか彷徨っていた。僕に気づいたのかささみはよちよちと歩み寄ってきた。
次の瞬間、ささみは大きく息を吸った。
「おいおい、流石にここでは!?」
『クケェー!』
ささみが吐いた火は後ろを追いかけていた牛を一瞬で燃やす。火をコントロールしているのか、木に燃え移るような様子もない。
僕はささみに抱きついてその場に座り込む。ずっと走っていて疲れている。
もう少し運動しておけばよかったな。才能がないと思い、走るのをサボった影響だろう。
「はぁー、助かったよ。探しに来てくれたのか?」
『クケェ!』
どうやらささみは僕を探しに森の中に入ってきたらしい。危ないと思っていたが僕よりも頼りになる。
僕に安心したのか羽を広げてスリスリしてくる。もふもふして温かい羽は僕を安心させてくれる。元気にさせてもらってるのはこっちだな。
「お前はあいつらと比べてすごいやつだな」
ささみをもふもふすると嬉しそうに笑っていた。相変わらず奇妙な笑い方をするが、これもささみの良いところなんだろう。
「じゃあ、帰るか」
ささみを連れて帰ろうとすると、何かが気になるのかチラチラと後ろの方を見ている。そこには良い感じに焼けた牛がいた。
「食べたいのか?」
『クケェ!』
やはりささみは食欲旺盛なんだろう。少し良い匂いもしているため、焼けていないところは食べないように伝えた。
モシャモシャと音を立てながら食べるささみ。僕の言ったことを理解して律儀に内臓も自分の火で炙って美味しそうに食べていた。
どこか僕のお腹も減ってきたが、流石に血抜きのしてない肉は食べる気にならない。
いつか牛を捕まえたら、血抜きをしてささみと一緒に肉を焼いて食べたいな。
その前にあいつらには躾をしないといけないだろう。
しばらくするとささみは牛の骨だけを残して食べ切ったようだ。
「よく食べたな!」
『クケェ!』
体が丸くなってきているが、やはり子どもが大きく育つのは嬉しいことだ。
僕達は手を繋いで家まで帰ることにした。
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