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第二章 衣食住、住居を探します
19.王子、ツンデレをなづける
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僕はささみと共に家の中に入っていく。城とは異なり一階建てだが、とにかく広くなっている。
中には家具など何一つ置いていないため、ただの広い空間だ。
ささみも部屋の中を駆け走ることもできる。
まずは雨風を凌げるのであれば特に問題はないだろう。
「それでお前はいつまでいるんだ?」
『付いていくのはワシの勝手だろ!』
僕達の後ろをこっそりと白虎は付いてきている。その後ろはまるで盗みに入る泥棒のようだ。
ただ、尻尾はまっすぐ伸びてどこにいるかわかりやすい。
そういえば、コボスケに慣れていたけど、白虎も二足歩行で歩いていたな。
魚やフェニックスも二足歩行なのは、何か理由があるのだろうか。
「コボスケを待ってるんか?」
『そそそ、そうだ!』
コボスケを待っているのなら仕方ない。あいつは今何をしに行ってるのだろうか。
気にしないように家の中の扉を開けていく。部屋は五部屋あり、食堂・風呂場、あとは僕達の各々の部屋が用意してあった。
『ここでワシは生活するのか』
僕の聞き間違いだろうか。白虎は目を輝かせて部屋の中を見ている。
「ここにキッチンを置いたら料理もできるね! あとはお風呂とベッドが欲しいね」
『ここでワシがご飯を作るのか』
やはり聞き間違いか?
さっきから後ろにいる白虎が一緒に住むようなことを言っているぞ。
「ここが玄関なら靴置き場が必要だな」
『それはワシが作って――』
「おいおい、お前も一緒に住むつもりか?」
白虎の顔を見るとどこか遠くを見ている。ただ、尻尾をピーンと伸ばしているのは何か理由があるのだろうか。
それにさっきより尻尾の先が揺れている気がする。
――ガチャ!
『アドル帰ってきたぞ!』
ちょうど玄関の扉が開くとコボスケが立っていた。いや、こいつはコボスケで本当に合っているのだろうか。
『どうだ! この毛並み! アドルはもふもふして仕方ないだろう!』
毛並みがサラサラ過ぎて、風になびいている。姉のマリアよりもサラサラしているだろう。
さすがにそこまでサラサラだと気になってしまう。
実際に触れてみると、途中で引っかかることもなく最後まで指が通る。
「どうやったらこうなるんだ?」
『まずは魚が住む泥で泥パックをして、泥を落としたら葉で毛を包みこんで――』
リザードマンがいる沼の泥のことを言っているのだろう。
一息で捲し立てるように話すコボスケは貴族のお茶会で話す令嬢のようだ。
『それよりもなぜバカネコがいるんだ?』
『ワシはバカネコではない! ケットシーだ!』
いやいや、ケットシーなら長靴と帽子がセットのはずだ。
明らかに聖獣の白虎にしか見えないぞ!
そもそもケットシーも珍しいが、白虎の方が伝説の生き物だ。
「それでケットシーはなぜここいるんだ?」
『ワシが作ったならここに住んでも良いではないか!』
どうやら白虎は自分が作った家を気に入っているらしい。確かに僕よりも手先が器用で、途中からはほぼケットシーのみで作っていた。
『ワシがいたらキッチンを作るぞ?』
おお、それは良い提案だ。ただ水と火はどうするつもりなんだろう。
『ワシがいたら風呂を作るぞ?』
風呂があっても、僕の魔法では水を出すのが限界だ。あとはささみが火を吐かない限りお湯にはならない。
『ワシがいたらベッドを作ってあげるぞ?』
おお、それは良い提案だ。あとはささみの羽が抜け変われば、寝具もどうにかなるはずだ。
『アドルそんなやつの――』
『ワシがいたら魔法で――』
「よし、採用だ! 君は今日から執事だ!」
きっと白虎に家事を教えるとできそうな気がする。しかも、執事と伝えたら本人は嬉しそうだ。
『そうか。ワシの名前はヒツジか!』
どこか名前を間違えている気もするが、本人が喜んでいるのなら良いだろう。きっと尻尾を立てて、少し振っているのは喜んでいる証拠だ。
「あっ、汚いやつは家には入れないぞ?」
自分の体を見て汚れていることに気づく。さっきまで客人だったから何も言わなかったが、汚いやつを家に入れるつもりもない。
『ウッ……バカイヌ行くぞ!』
『拙者はアドルとおおおお!』
白虎はコボスケを連れてどこかへ走っていく。きっと毛並みを整えに行ったのだろう。
新しく白虎のヒツジが仲間になった。
───────────────────
【あとがき】
やっと家が建ちましたー!
ほとんど白虎のヒツジのおかげです!
そろそろ気づいたと思いますが、今回は主人公以外が頭が逝っている無自覚系です笑
一番逝ってるのって手足が生えた魚のような気もしますが……。
初のスローライフばかりの作品で何を書けばいいのか分からず、多少強引になっている部分は許してください(T ^ T)
ぜひぜひ応援コメント、お気に入り登録お待ちしています(*´꒳`*)
次は衣食住の食に着目していきます!
中には家具など何一つ置いていないため、ただの広い空間だ。
ささみも部屋の中を駆け走ることもできる。
まずは雨風を凌げるのであれば特に問題はないだろう。
「それでお前はいつまでいるんだ?」
『付いていくのはワシの勝手だろ!』
僕達の後ろをこっそりと白虎は付いてきている。その後ろはまるで盗みに入る泥棒のようだ。
ただ、尻尾はまっすぐ伸びてどこにいるかわかりやすい。
そういえば、コボスケに慣れていたけど、白虎も二足歩行で歩いていたな。
魚やフェニックスも二足歩行なのは、何か理由があるのだろうか。
「コボスケを待ってるんか?」
『そそそ、そうだ!』
コボスケを待っているのなら仕方ない。あいつは今何をしに行ってるのだろうか。
気にしないように家の中の扉を開けていく。部屋は五部屋あり、食堂・風呂場、あとは僕達の各々の部屋が用意してあった。
『ここでワシは生活するのか』
僕の聞き間違いだろうか。白虎は目を輝かせて部屋の中を見ている。
「ここにキッチンを置いたら料理もできるね! あとはお風呂とベッドが欲しいね」
『ここでワシがご飯を作るのか』
やはり聞き間違いか?
さっきから後ろにいる白虎が一緒に住むようなことを言っているぞ。
「ここが玄関なら靴置き場が必要だな」
『それはワシが作って――』
「おいおい、お前も一緒に住むつもりか?」
白虎の顔を見るとどこか遠くを見ている。ただ、尻尾をピーンと伸ばしているのは何か理由があるのだろうか。
それにさっきより尻尾の先が揺れている気がする。
――ガチャ!
『アドル帰ってきたぞ!』
ちょうど玄関の扉が開くとコボスケが立っていた。いや、こいつはコボスケで本当に合っているのだろうか。
『どうだ! この毛並み! アドルはもふもふして仕方ないだろう!』
毛並みがサラサラ過ぎて、風になびいている。姉のマリアよりもサラサラしているだろう。
さすがにそこまでサラサラだと気になってしまう。
実際に触れてみると、途中で引っかかることもなく最後まで指が通る。
「どうやったらこうなるんだ?」
『まずは魚が住む泥で泥パックをして、泥を落としたら葉で毛を包みこんで――』
リザードマンがいる沼の泥のことを言っているのだろう。
一息で捲し立てるように話すコボスケは貴族のお茶会で話す令嬢のようだ。
『それよりもなぜバカネコがいるんだ?』
『ワシはバカネコではない! ケットシーだ!』
いやいや、ケットシーなら長靴と帽子がセットのはずだ。
明らかに聖獣の白虎にしか見えないぞ!
そもそもケットシーも珍しいが、白虎の方が伝説の生き物だ。
「それでケットシーはなぜここいるんだ?」
『ワシが作ったならここに住んでも良いではないか!』
どうやら白虎は自分が作った家を気に入っているらしい。確かに僕よりも手先が器用で、途中からはほぼケットシーのみで作っていた。
『ワシがいたらキッチンを作るぞ?』
おお、それは良い提案だ。ただ水と火はどうするつもりなんだろう。
『ワシがいたら風呂を作るぞ?』
風呂があっても、僕の魔法では水を出すのが限界だ。あとはささみが火を吐かない限りお湯にはならない。
『ワシがいたらベッドを作ってあげるぞ?』
おお、それは良い提案だ。あとはささみの羽が抜け変われば、寝具もどうにかなるはずだ。
『アドルそんなやつの――』
『ワシがいたら魔法で――』
「よし、採用だ! 君は今日から執事だ!」
きっと白虎に家事を教えるとできそうな気がする。しかも、執事と伝えたら本人は嬉しそうだ。
『そうか。ワシの名前はヒツジか!』
どこか名前を間違えている気もするが、本人が喜んでいるのなら良いだろう。きっと尻尾を立てて、少し振っているのは喜んでいる証拠だ。
「あっ、汚いやつは家には入れないぞ?」
自分の体を見て汚れていることに気づく。さっきまで客人だったから何も言わなかったが、汚いやつを家に入れるつもりもない。
『ウッ……バカイヌ行くぞ!』
『拙者はアドルとおおおお!』
白虎はコボスケを連れてどこかへ走っていく。きっと毛並みを整えに行ったのだろう。
新しく白虎のヒツジが仲間になった。
───────────────────
【あとがき】
やっと家が建ちましたー!
ほとんど白虎のヒツジのおかげです!
そろそろ気づいたと思いますが、今回は主人公以外が頭が逝っている無自覚系です笑
一番逝ってるのって手足が生えた魚のような気もしますが……。
初のスローライフばかりの作品で何を書けばいいのか分からず、多少強引になっている部分は許してください(T ^ T)
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