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第二章 衣食住、住居を探します
13.王子、家の基盤を作る
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木で小屋を作るにはまず土台を安定させる必要がある。これも家庭教師に教わった。
初めはなぜこんなことばかり教えるのだろうと思っていたが、何かあった時のために教えていたのだろう。
わずかな記憶を頼りに生活できるように基盤を整えていく。
まずは土をしっかり固めることにした。
「コボスケは土属性魔法が使えるのか?」
『拙者、得意分野です!』
そう言ってコボスケは穴を掘り出す。
土属性魔法って体を動かす魔法だったのか?
僕の常識をまずは疑ってみる。
うん、きっとおかしいのは目の前にいるコボルトだと勘違いしているフェンリルだろう。
『アドル、見てくれ! 秘技土属性魔法のアースホールだ!』
コボスケは頭を突き出して、撫でてもらいたいのか待機している。
ただ、それは土属性魔法ではなくただの穴掘りだ。土属性魔法と同様の早さで穴を掘るため、色んな意味で魔法と言ってもいいだろう。
優しく撫でるとコボスケは喜んでいた。
「ただ、僕は地面を固めて欲しかったんだよな」
『拙者、役立たずだったか?』
さっきまでのコボスケはどこに行ったのだろう。尻尾が垂れ下がって、地面に転がる石を蹴っている。
その様子を見てつい笑ってしまう。本当に感情の起伏が激しいフェンリルだ。
僕はコボスケが掘った穴に目を向け、有効活用できる方法を探す。
「トイレとかにするなら……」
穴の中を覗き込むと活用方法をみつけた。むしろ、求めていたのはこの穴に存在するやつだ。
あとはあの石を持ってくるだけだな。
「アースクエイク!」
土を固めるように意識して魔法を唱える。それでも一般人程度の魔法使いでは、建物を建てる基板にはならない。だが、土を慣らして凹凸を無くすことはできる。
「コボスケ! そこの粘土を取ってくれないか?」
『はにゃ? 粘土?』
「お前が掘った穴に色が違う土があるだろう?」
穴を覗き込み必死に粘土を探している。いや、今目の前にあるのが粘土なんだけどな……。
さっき掘った穴を覗くと色が異なる土をみつけた。それが探していた粘土だ。
「それと海岸にある白と灰色ぽい石をたくさん取ってきて欲しいんだ」
あとは海岸側に石灰石があったのを覚えている。魚と戦っていたところに結構落ちていた。
その石灰石を砕いて、焼いてから粘土や水を混ぜ合わせることで家の基盤で使うセメントを作ることができる。
中々大変な作業だが、うちには火を吐くささみがいる。その火が石灰石をセメントに変える重要な工程だ。
あとは砂利や砂と混ぜ合わせて、伸ばせば強度硬い基盤の完成だ。
無駄に勉強した知識が役に立つとは思わなかった。
今頃だが、あの時の先生に感謝している。
『拙者、アドルの役に立つなら行ってくるぜ!』
コボスケは全速力で海に向かって走って行った。また、木を薙ぎ倒して森林破壊で怒られないだろうか。
僕はその間、木の棒で家の基盤をどこまでにするか線で書いていく。
せっかくなら大きな家でゆったりできる方がいいだろう。
コボスケとささみの部屋を考えると、大きくないと住めない。
一人だと思っていた島での生活もいつのまにか楽しくなってきた。
初めはなぜこんなことばかり教えるのだろうと思っていたが、何かあった時のために教えていたのだろう。
わずかな記憶を頼りに生活できるように基盤を整えていく。
まずは土をしっかり固めることにした。
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『拙者、得意分野です!』
そう言ってコボスケは穴を掘り出す。
土属性魔法って体を動かす魔法だったのか?
僕の常識をまずは疑ってみる。
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『アドル、見てくれ! 秘技土属性魔法のアースホールだ!』
コボスケは頭を突き出して、撫でてもらいたいのか待機している。
ただ、それは土属性魔法ではなくただの穴掘りだ。土属性魔法と同様の早さで穴を掘るため、色んな意味で魔法と言ってもいいだろう。
優しく撫でるとコボスケは喜んでいた。
「ただ、僕は地面を固めて欲しかったんだよな」
『拙者、役立たずだったか?』
さっきまでのコボスケはどこに行ったのだろう。尻尾が垂れ下がって、地面に転がる石を蹴っている。
その様子を見てつい笑ってしまう。本当に感情の起伏が激しいフェンリルだ。
僕はコボスケが掘った穴に目を向け、有効活用できる方法を探す。
「トイレとかにするなら……」
穴の中を覗き込むと活用方法をみつけた。むしろ、求めていたのはこの穴に存在するやつだ。
あとはあの石を持ってくるだけだな。
「アースクエイク!」
土を固めるように意識して魔法を唱える。それでも一般人程度の魔法使いでは、建物を建てる基板にはならない。だが、土を慣らして凹凸を無くすことはできる。
「コボスケ! そこの粘土を取ってくれないか?」
『はにゃ? 粘土?』
「お前が掘った穴に色が違う土があるだろう?」
穴を覗き込み必死に粘土を探している。いや、今目の前にあるのが粘土なんだけどな……。
さっき掘った穴を覗くと色が異なる土をみつけた。それが探していた粘土だ。
「それと海岸にある白と灰色ぽい石をたくさん取ってきて欲しいんだ」
あとは海岸側に石灰石があったのを覚えている。魚と戦っていたところに結構落ちていた。
その石灰石を砕いて、焼いてから粘土や水を混ぜ合わせることで家の基盤で使うセメントを作ることができる。
中々大変な作業だが、うちには火を吐くささみがいる。その火が石灰石をセメントに変える重要な工程だ。
あとは砂利や砂と混ぜ合わせて、伸ばせば強度硬い基盤の完成だ。
無駄に勉強した知識が役に立つとは思わなかった。
今頃だが、あの時の先生に感謝している。
『拙者、アドルの役に立つなら行ってくるぜ!』
コボスケは全速力で海に向かって走って行った。また、木を薙ぎ倒して森林破壊で怒られないだろうか。
僕はその間、木の棒で家の基盤をどこまでにするか線で書いていく。
せっかくなら大きな家でゆったりできる方がいいだろう。
コボスケとささみの部屋を考えると、大きくないと住めない。
一人だと思っていた島での生活もいつのまにか楽しくなってきた。
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