お金を知らない子

マー坊

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二十五話

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健司はレストランのオーナーだが毎日立って仕事をするために腰や膝に支障が出ているようだった。
 
 
「稔君の世界ではテレビコマーシャルってあるの?」
「コマーシャルって何ですか?」
「生産者が消費者に買って欲しくてテレビで宣伝して商品の素晴らしいことを知らせるんだよ」
「へ~そうなんですか。僕たちの世界にもありますよ。買ってもらうためじゃないけど(笑)」
「だよね(笑)」
「こんなものを作りましたよって知らせるんです」
 
 
「なるほどね。売るためではなく知らせるためか」
「はい、それを見てアイデアを募集するんです」
「いろんな人の意見を取り入れて新しい物を作るんだね。消費者参加型の製品作りなんだね」
「そうなんです。だからいろいろあるんです」
「いろいろって?」
「車なんか色もデザインも好みが違うでしょ?」
「だね。でも資源を使い過ぎるんじゃないの?」
「でも、すべてリサイクルセンターで回収して資源を無駄なく使うんですよ」
「そう言えば大規模リサイクルセンターですべてを再利用するって言ってたね。納得(笑)」
 
 
会話が盛り上がっている時に優希が帰ってきた。
幼友達の心(こころ)という女の子と一緒だった。
 
 
「ただいま~」
「優希君おかえり~」
「稔君まだいてくれたんだね」
「うん」
「友だち連れて帰ったよ」
「こんにちは。僕は稔です」
「こんにちは。私は心。優希君の幼友達よ」
「稔君の話をしたら稔君に会いたいんだって」
「そうですか」
 
 
心は稔が自由に暮らせる世界の人だと優希から聞いて興味本位で稔に会って話をしたがっていた。
子どもたちは居間に行って温かいココアを飲みながら会話の花を咲かすことになった。
そして心が会話の口火を切った。
 
 
「ねえ、稔君本当にお金って無いの?」

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