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十三話
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「家も土地も自分以外の人に使ってはいけないの」
「あ~それなら使用権というのを習いました」
「使用権って?」
「自分が使っているものは守られるって」
「あ~なるほどね」
「だから誰も使っていない土地や建物は使いたい人がいたら自由に使って良いんです。でも管理義務はあるって言ってました」
所有権が無くても使用権はある。
たしかに使用権だけでも成り立つに違いない。
健司はなんとなく納得した。
「やっぱり考え方が一歩進んでいる気がするね」
「この世界では自由に移転が出来ないんですね」
「そうなんだよ。せめて公民館に避難するくらいだから長期間になれば不自由な生活だよ」
「それは一時的に避難する時ですか?」
「そうだよ」
「僕たちの世界では避難場所は多いですよ」
「どんな所が避難場所になってるの?」
「ホテルでしょ、旅館でしょ、映画館でしょ、ゲームセンターでしょ、演芸場でしょ・・・」
「チョット待ってよ。こんな場所が避難場所?」
健司は避難場所が娯楽設備であることにびっくりして思考が止まってしまった。
「なんでこんな所が避難場所になるの?」
「それはね、多くの人が不安にならないようにって言ってました。それに退屈しないでしょ?」
「そやあそうだけど。まいったな~(笑)」
健司が驚いたのも無理はなく、お金の要る世界ではありえないことであり、行政が率先してやっても「税金の無駄使い」だと非難されることは想像出来ることだった。
二人が話に夢中になっていると突然テレビの画面が真っ黒になって照明も消えた。
「あれ。停電になったんじゃないか?」
「そうね。近所のガソリンスタンドの照明も消えてるから停電みたいよ」
稔は夫婦で右往左往している状況を見て聞いた。
「あ~それなら使用権というのを習いました」
「使用権って?」
「自分が使っているものは守られるって」
「あ~なるほどね」
「だから誰も使っていない土地や建物は使いたい人がいたら自由に使って良いんです。でも管理義務はあるって言ってました」
所有権が無くても使用権はある。
たしかに使用権だけでも成り立つに違いない。
健司はなんとなく納得した。
「やっぱり考え方が一歩進んでいる気がするね」
「この世界では自由に移転が出来ないんですね」
「そうなんだよ。せめて公民館に避難するくらいだから長期間になれば不自由な生活だよ」
「それは一時的に避難する時ですか?」
「そうだよ」
「僕たちの世界では避難場所は多いですよ」
「どんな所が避難場所になってるの?」
「ホテルでしょ、旅館でしょ、映画館でしょ、ゲームセンターでしょ、演芸場でしょ・・・」
「チョット待ってよ。こんな場所が避難場所?」
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「なんでこんな所が避難場所になるの?」
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「あれ。停電になったんじゃないか?」
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