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「爺ちゃんとミノル」の会話(4)~1
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(101)
「♪♪♪♪♪」
「はい、もしもし。お~ミノルか」
「あ!お爺ちゃん?」
「そうじゃ。どうした?」
「きょうはお休みだから部屋からかけてるの」
「そっか~」
「このあいだの続きが気になってね(笑)」
「話してもええけど、手が疲れるど」
「今はスマホでしょ?」
「そうじゃけど」
「じゃあスピーカーで通話というのを指でタッチしてみて」
「わかった。お~聞こえるど」
「これならスマホを置いたままでお話できるよ」
「よしわかった。何から話そうかのう」
「木や草とお話ししたって言ってたでしょ?」
「そうじゃったのう。そこへたどり着くまでの話じゃが、ちょっと長いど(笑)」
「お爺ちゃんのお話は長いけど楽しいよ(笑)」
「そっか~(笑)じゃあ始めるど。それは年下の友だちとの会話からじゃが」
「年下の友だちってこのあいだ言ってた人のこと?」
「そうじゃ。その友だちがぬいぐるみとお話ししたって言うたんじゃ」
「ぬいぐるみとお話したの?そんなバカな(笑)」
(102)
「そうじゃろう?ぬいぐるみと話をするって幼児くらいのもんじゃろう(笑)」
「僕は子供だけどそんなこと信じられないよ(笑)」
「じゃがのう、その友だちは真剣なんじゃ」
「冗談じゃないってこと?」
「そうなんじゃ、なんでそんなことが出来たんか気になってのう。詳しゅう聞いてみたんじゃ」
「それで?」
「何やら自己啓発セミナーを受けたんじゃそうな」
「じこけいはつって?」
「自分の能力を上げるための研修みたいなもんかのう」
「へ~どんなことをするんだろう?」
「友だちが言うには自分の中の自分を見つめるって言うちょったのう」
「自分の中の自分って?自分の中には自分しか居ないでしょ?」
「そうじゃがのう。いろんな自分があるんじゃて」
「へ~。わかったようなわからないような・・・でもよくわらない(笑)」
「それでのう。興味があったから受けてみたんじゃ」
「そのなんちゃらセミナーっていうのを?」
「そうなんじゃ」
(103)
「なんだか怖いような楽しいような(笑)それでどんなことをしたの?」
「何度かわけてやったんじゃがの。最初は他人と向い合せで互いの自分を引き出すんじゃ」
「自己紹介みたいなもの?」
「それもあるけどの。自分が考えている思考という自分を出す努力をするんじゃ」
「どうしてそんなことをするの?」
「頭で考える思考というものを見つめてみるようなことじゃのう」
「自分で自分を確認するってことなの?」
「その表現も当たってるかも知れんのう」
「それでどんな自分があったの?」
「父親が嫌いとか母親が嫌いとか、兄貴が嫌いとか、良い人に見られたいとか、人に嫌われたくないとかのう」
「それって誰にでもあるんじゃないの?」
「そうなんじゃ。他にもいっぱいあるけどの。それを知ることとそれを誰にでも話せるようにするんじゃ」
「え~そんなこと誰にでも言えないよ」
「そこなんじゃ。自分の中の秘密にしたい自分をさらけ出すことが第一歩なんじゃ」
「なんだか辛そう」
(104)
「自分の中にはいろんな自分がおるじゃろう?」
「それを聞いたらなんとなくわかってきたよ」
「そのすべてが思考の自分なんじゃ。それを知ったら次にやることがあるんじゃ」
「まだ続きがあるの?」
「思考の自分と互いに影響を与えちょる感情の自分なんじゃ」
「感情の自分って?」
「例えばじゃのう。兄弟喧嘩で叩きあったとしよう。相手が3回叩いて自分が2回しか叩かんかったら1回分少ないじゃろう?」
「うん」
「その時お母さんからケンカはやめなさいと言われてやめたら1回分叩いてないから悔しい気分になるじゃろう?」
「うん。その気持わかる(笑)」
「人生の中にもそういう我慢してきた感情っちゅうもんが溜まっちょるんじゃ」
「何となくわかるよ。頭では納得してるけど悔しい感情が残ってるってことなんだね」
「そうなんじゃ。そういう感情をすべて吐き出すことで過去をきれいに掃除するんじゃ」
「なんとなくわかったような気がする」
(105)
「そういうのを鎮圧の開放って言うんじゃがの何度もわけてやったから一ヶ月以上かかったかのう」
「そんなにやったの?」
「そうなんじゃ。自分の中の自分を見つめることは簡単じゃがそれらを認めて吐き出すことは難しいのう」
「辛そう。それでどうなったの?」
「思考の自分も感情の自分も体の中から出てしまうとどうなるか?」
「そんなのわかんないよ(笑)・・・・あ!思い出したエヴァンゲリオンの話を」
「よう思い出したのう(笑)」
「人間の体の中に命が入ってくるって(笑)」
「そういう感じになるんじゃ」
「その命は誰?」
「その命が本当の自分なんじゃ」
「本当の自分が体の自分に入って生きているってことなの?」
「それを少しだけ経験したんじゃ」
「少しでもすごいことだよね?」
「それを経験して何か変化があったの?」
「前置きが長かったけどの。これからなんじゃ。例のぬいぐるみとお話したっちゅうのは(笑)」
「お爺ちゃんもぬいぐるみとお話したの?」
「♪♪♪♪♪」
「はい、もしもし。お~ミノルか」
「あ!お爺ちゃん?」
「そうじゃ。どうした?」
「きょうはお休みだから部屋からかけてるの」
「そっか~」
「このあいだの続きが気になってね(笑)」
「話してもええけど、手が疲れるど」
「今はスマホでしょ?」
「そうじゃけど」
「じゃあスピーカーで通話というのを指でタッチしてみて」
「わかった。お~聞こえるど」
「これならスマホを置いたままでお話できるよ」
「よしわかった。何から話そうかのう」
「木や草とお話ししたって言ってたでしょ?」
「そうじゃったのう。そこへたどり着くまでの話じゃが、ちょっと長いど(笑)」
「お爺ちゃんのお話は長いけど楽しいよ(笑)」
「そっか~(笑)じゃあ始めるど。それは年下の友だちとの会話からじゃが」
「年下の友だちってこのあいだ言ってた人のこと?」
「そうじゃ。その友だちがぬいぐるみとお話ししたって言うたんじゃ」
「ぬいぐるみとお話したの?そんなバカな(笑)」
(102)
「そうじゃろう?ぬいぐるみと話をするって幼児くらいのもんじゃろう(笑)」
「僕は子供だけどそんなこと信じられないよ(笑)」
「じゃがのう、その友だちは真剣なんじゃ」
「冗談じゃないってこと?」
「そうなんじゃ、なんでそんなことが出来たんか気になってのう。詳しゅう聞いてみたんじゃ」
「それで?」
「何やら自己啓発セミナーを受けたんじゃそうな」
「じこけいはつって?」
「自分の能力を上げるための研修みたいなもんかのう」
「へ~どんなことをするんだろう?」
「友だちが言うには自分の中の自分を見つめるって言うちょったのう」
「自分の中の自分って?自分の中には自分しか居ないでしょ?」
「そうじゃがのう。いろんな自分があるんじゃて」
「へ~。わかったようなわからないような・・・でもよくわらない(笑)」
「それでのう。興味があったから受けてみたんじゃ」
「そのなんちゃらセミナーっていうのを?」
「そうなんじゃ」
(103)
「なんだか怖いような楽しいような(笑)それでどんなことをしたの?」
「何度かわけてやったんじゃがの。最初は他人と向い合せで互いの自分を引き出すんじゃ」
「自己紹介みたいなもの?」
「それもあるけどの。自分が考えている思考という自分を出す努力をするんじゃ」
「どうしてそんなことをするの?」
「頭で考える思考というものを見つめてみるようなことじゃのう」
「自分で自分を確認するってことなの?」
「その表現も当たってるかも知れんのう」
「それでどんな自分があったの?」
「父親が嫌いとか母親が嫌いとか、兄貴が嫌いとか、良い人に見られたいとか、人に嫌われたくないとかのう」
「それって誰にでもあるんじゃないの?」
「そうなんじゃ。他にもいっぱいあるけどの。それを知ることとそれを誰にでも話せるようにするんじゃ」
「え~そんなこと誰にでも言えないよ」
「そこなんじゃ。自分の中の秘密にしたい自分をさらけ出すことが第一歩なんじゃ」
「なんだか辛そう」
(104)
「自分の中にはいろんな自分がおるじゃろう?」
「それを聞いたらなんとなくわかってきたよ」
「そのすべてが思考の自分なんじゃ。それを知ったら次にやることがあるんじゃ」
「まだ続きがあるの?」
「思考の自分と互いに影響を与えちょる感情の自分なんじゃ」
「感情の自分って?」
「例えばじゃのう。兄弟喧嘩で叩きあったとしよう。相手が3回叩いて自分が2回しか叩かんかったら1回分少ないじゃろう?」
「うん」
「その時お母さんからケンカはやめなさいと言われてやめたら1回分叩いてないから悔しい気分になるじゃろう?」
「うん。その気持わかる(笑)」
「人生の中にもそういう我慢してきた感情っちゅうもんが溜まっちょるんじゃ」
「何となくわかるよ。頭では納得してるけど悔しい感情が残ってるってことなんだね」
「そうなんじゃ。そういう感情をすべて吐き出すことで過去をきれいに掃除するんじゃ」
「なんとなくわかったような気がする」
(105)
「そういうのを鎮圧の開放って言うんじゃがの何度もわけてやったから一ヶ月以上かかったかのう」
「そんなにやったの?」
「そうなんじゃ。自分の中の自分を見つめることは簡単じゃがそれらを認めて吐き出すことは難しいのう」
「辛そう。それでどうなったの?」
「思考の自分も感情の自分も体の中から出てしまうとどうなるか?」
「そんなのわかんないよ(笑)・・・・あ!思い出したエヴァンゲリオンの話を」
「よう思い出したのう(笑)」
「人間の体の中に命が入ってくるって(笑)」
「そういう感じになるんじゃ」
「その命は誰?」
「その命が本当の自分なんじゃ」
「本当の自分が体の自分に入って生きているってことなの?」
「それを少しだけ経験したんじゃ」
「少しでもすごいことだよね?」
「それを経験して何か変化があったの?」
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