爺ちゃんとミノルの会話

マー坊

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「爺ちゃんとミノル」の会話(2)~2

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(40)
 
 
「わかっちょるど(笑)」
「じゃあ教えてよ」
「じゃあヒントだけ」
「え~答えじゃなくヒントなの?」
「言うど。自然界と人間社会の違いを考えてみ」
「自然界と人間社会の違いね~」
「自然界には人間がいない?」
「違う。人間も自然界の一部と言えるど」
「そっか~」
「人間社会には自然がない」
「人間社会の中にも自然公園はいっぱいあるど」
「そっか~」
「じゃあもう一つヒント。自然界は完全循環型になっちょるが人間社会は?」
「あ!わかった人間社会はゴミが多い。・・・でしょ?」
「それは答えの一部分じゃの~(笑)」
 
 
「一部分なの?・・・じゃあね~自然界は循環型って言ってたから・・・わかった!」
「わかったか?」
「うん。今度は間違いないよ。人間社会は循環型じゃないってことだよね」
「それじゃあ半分正解じゃの~」
「それで半分なの?」
「どうして循環型じゃないのか言うちょらんじゃないか」
「でも、ある程度は循環型なんでしょ?」
 
 
 
(41)
 
 
「自然界の循環型と人間社会の循環型は根本が違うんじゃ」
「根本ね~」
「そろそろわかりそうじゃの~(笑)」
「あ~!わかった。お金でしょ?」
「やっとたどり着いたの~(笑)」
「自然界はお金を使わない循環で人間社会はお金を使う循環だね」
「そうじゃ。その違いはわかるか?」
「これ以上の違いはわからないよ」
「そっか~?じゃあ言うど。自然界は誰も見返りを求めんが人間社会は見返りを求める」
「あ~そういうことか」
 
 
「自然界はすべてが無料奉仕なんじゃ。人間社会はお金がないと何も出来んじゃろうが」
「このあいだそういう話をしたよね」
「じゃからの。政治もお金がないと何も出来んし、国民もお金は必要じゃと思うちょるんじゃ」
「それが根本的な問題ってことなんだね」
「その根本的な問題が解決せん限り誰が政治家になっても世の中は良うならんのんじゃ」
「このあいだチョット思ったことなんだけどね」
「なんじゃ?」
 
 
 
(42)
 
 
「お金の使い方さえ国民のためになるんだったら良いんじゃないかな~って」
「お金の要る社会じゃからそういう発想がおきるんじゃの~」
「それでもだめなの?」
「ええか?例えばじゃの。お父さんの給料より家族の生活費が多かったらどうする?」
「借金しないといけないよね」
「できるだけ借金を少のうしようと思うたら生活費を少のうせんにゃあならんじゃろう?」
「うん」
「その中でミノルの小遣いを減らされたらどうする?」
「それは嫌だよ」
「電気代もガス代も節約するとなるとお風呂も二日に一回とか(笑)」
「あ!お爺ちゃんが言いたいことがなんとなくわかったよ」
 
 
「言うてみ」
「政治の世界もお金の使い方で与党と野党で違うんだね」
「政治はお金を使った経済活動で成り立っちょるからの~」
「だから、お金の使い方が変わるだけでお金で困る人はなくならないんだね?」
「借金せんにゃあ成り立たん政治はどう考えてもおかしいんじゃ」
 
 
 
(43)
 
 
「そっか~。どう考えてもお金の要る社会って良くないんだね」
「じゃからお金に頼らんでもえ~社会を作らんにゃあいけんのんじゃ」
「それからもう一つ気になっていたことがあるんだけどね」
「なんじゃ?」
 
 
「このあいだお爺ちゃんが言っていたリサイクルセンターの話なんだけどね」
「それがどうした?」
「あれを世界中に作ったら良いのにって♪」
「ええこと言うの~(笑)」
「作られたものはみんな再利用したり無害にして処分するって言ってたよね」
「そうじゃの~。それが自然の仕組みと同じじゃけどもう一つ大事なことは」
「その先はわかるよ。お金でしょ?」
「そうなんじゃ。お金が人間の行動をさまたげちょるけ~の~」
 
 
「結局このあいだお爺ちゃんが言っていた世界が一つの家族にならなければってことだよね」
「そうなんじゃ。よう覚えちょるの~♪」
「それで政治家になっても世の中が良くならないんだね」
「政治家のせいじゃないんじゃがの。国民が世界平和の実現を真剣に考えんにゃあいけんのんよ」
 
 
 
(44)
 
 
「国民が世界平和の実現を政治家に求めれば良いんだよね」
「そういうことじゃの~」
「でも、世界平和が大切だってみんな知ってるよ?」
「知っちょるだけで世界平和が実現できるか?」
「そりゃあそうだね(笑)」
「核をなくそうとか基地をなくそうとか戦争反対とかいっぱい聞くけどの」
「どうして世界平和が実現しないの?」
「それを考えてみ」
 
 
「僕ならやっぱり無理だと思う」
「なんでじゃ?」
「いままで実現できなかったじゃないの」
「あのな~、無理だと思うちょるから実現できんのんじゃ」
「どうして?」
「無理だと思うと実現する方法なんて考えんじゃろうが」
「そりゃあそうだ(笑)」
「実現すると思うたら実現する方法をみんなで考えるじゃろうが」
「そうだよね。学校でもそんな話をしたことがあるよ(笑)」
「それで、お前なりに考えてみって言うんじゃ」
 
 
「世界中の子どもたちが仲良くなったら大人たちは戦争をしないと思う」
「そりゃあ大切な方法じゃの~。もっとほかに方法はないか?」


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