爺ちゃんとミノルの会話

マー坊

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「爺ちゃんとミノル」の会話(1)~7

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(31)
 
 
「あ~そういうこと。時々お風呂掃除とかしてお小遣いをもらうよ」
「それが働いたらお金をもらうシステムの練習なんじゃ」
「あ~なんとなくわかったよ、働いて給料をもらうということなんだね」
「それも交換システムなんじゃ」
「どうして?」
「働くことで自分の自由な時間とお金を交換しちょるんじゃ」
「お金がないと生活が出来ないから働いてお金を稼ぐってことなんだね」
「そういうこと。お金がないと健康が守れんということなんじゃ」
 
 
「さっき読んだ経済の中にお金を入れることが今の社会っていうこと?」
「そうなんじゃ。本当はお金を入れて欲しくはないんじゃがの~」
「それでお金を稼がなくてもいい社会が良いんだね?」
「そりゃあそうとミノルはよう食べるの~(笑)」
「僕は二杯目だけどお爺ちゃんは食べるのが遅いんだよ」
「よう噛まんにゃあ腹を壊すど」
「お爺ちゃんは噛む回数が多いよね」
「一口50回は噛むど」
 
 
 
(32)
 
 
「僕は10回も噛まないよ」
「一口100回噛んだことがあるんじゃ」
「そりゃあすごいね」
「肉を一口100回噛んでみ。すごいことになるど」
「どんなことになるの?」
「肉を飲み込むことが出来んのんじゃ」
「どうして?」
「これを体に入れて良いものか悩むんじゃ(笑)」
「どうして悩むの?」
 
 
「なんかの~体に良くない物じゃないかって(笑)」
「肉は体に必要な物だと思うよ」
「そうなんじゃがの~。頭じゃあわかっちょるんじゃがの(笑)」
「牛のような筋肉を作るためにも要るんじゃないの?」
「よう考えてみ。牛は草しか食べんでも大きいじゃろうが」
「そうだね(笑)」
「米や野菜しか食べんでも大きゅうになれるんじゃないか?」
「そうかもしれないね(笑)」
 
 
「最近ベジタリアンが増えたって聞いたことがあるけどの」
「肉を食べない人たちのことでしょ?」
「そうなんじゃ。牛を育てると温暖化が加速するって聞いたことがあるけどの」
「人間の食生活も変えなきゃいけなんだね」
「色々難しいの~。さて食べ終わったど。ご馳走様」
 
 
 
(33)
 
 
「お母さんには美味しかったと言うちょってくれ」
「うんわかった」
「そろそろ帰るからの。またゆっくり話そう」
「うん、お爺ちゃんと話すと楽しいからまた来てね」
「嬉しいの~♪今度来るまでいろいろ考えてみ」
「何を?」
「年寄りにしかわからんことはいっぱいあるからの」
「うん。お爺ちゃんも若い者しかわからないことは僕が教えてあげるね(笑)」
「こりゃあ一本やられたの~(笑)」
「パソコンがあればなんでも調べることが出来るからね」
「便利になったもんじゃの~(笑)」
 
 
「お爺ちゃんは帰ったら何をするの?」
「米は作らんかったけど草だけは伸びるからの~」
「あ~草刈りね」
「畑の草引きもあるけどの」
「僕は勉強を頑張るよ」
「時々でええからテレビのニュースやらインターネットでニュースを見ちょけよ」
「どうして?」
「身近なことだけでのうて日本のこととか世界のことを知っちょったほうがええけえの」
「僕はまだ小学生だよ(笑)」
 
 
 
(34)
 
 
「これからは18歳で選挙権があるんじゃ。あと6年じゃろうが、いろんなことを知っちょったほうが自分の意見がはっきり言えるんじゃ」
「わかった。わからないことがあったら会った時に聞くね」
「それがええの、メモにしちょくとええの」


「それから、お手伝いをやったらご褒美をもらう話をしたじゃろう?」
「働いて給料をもらう練習ね?」
「お願いがあるんじゃがの、褒美をもらわんでもお手伝いをして欲しいんじゃ」
「どうして?」
「ボランティア精神を身に付けて欲しんじゃ」
「どうして?」
「それが未来型の働き方じゃけ~の」
「わかった、お金を稼がない社会の練習だね」
「ようわかったの~(笑)今の社会はお金をもらわんと何もせん人が多いんじゃ」
「人や社会のために働くことが良いんだね」
「まずはお父さんやお母さんが喜んでくれることを身に付けておくことがお前のためなんじゃ」
「わかったよ」
「じゃあまた来るけ~の。元気での」
「うん。お爺ちゃんも元気でまた来てね」


 
「爺ちゃんとミノル」の会話(2)に続く


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