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1.はじめに
半生の終わりに
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恥の多い生涯を送って来た、と言えればどれだけ幸せなことなのだろうか。
午前3時を過ぎた頃、タバコに火をつけながら、そう心の中で呟いた。電球色と燃える巻紙だけが照らす四畳半の世界で呟いていた。美味しいタバコではない。
翌日、私は死んだ、なんてドラマチックな事はない。今この時も、ヒトとしては生きているし、多分明日も生きているのだろう。
かといって『私は、人として死んでいる』と言うつもりは毛頭無い。己の自己愛性をトラジックに騙り語ってカタルシスへ誘うつもりなど無いのだ。
今という結果があり、そこに至る事実とその反省文を書く。ただ、それだけの事だ。
動物園の檻の中の生物に向く民衆の目に、悲哀の文字は無く、代わりに好奇が有る。恐らく、動物も自分が晒されている事に、疑う事はしないだろう。僕はドクター・ドリトルではないから、憶測でしかないのだが。
だから私も、ヒトとして生きている限り、文章という檻の中で、好奇の視線に晒されたいと思う。何故なら、それが人間社会における一般的な動物の役割なのだから。
そうして、私は反省文を書き続けるのだった。
午前3時を過ぎた頃、タバコに火をつけながら、そう心の中で呟いた。電球色と燃える巻紙だけが照らす四畳半の世界で呟いていた。美味しいタバコではない。
翌日、私は死んだ、なんてドラマチックな事はない。今この時も、ヒトとしては生きているし、多分明日も生きているのだろう。
かといって『私は、人として死んでいる』と言うつもりは毛頭無い。己の自己愛性をトラジックに騙り語ってカタルシスへ誘うつもりなど無いのだ。
今という結果があり、そこに至る事実とその反省文を書く。ただ、それだけの事だ。
動物園の檻の中の生物に向く民衆の目に、悲哀の文字は無く、代わりに好奇が有る。恐らく、動物も自分が晒されている事に、疑う事はしないだろう。僕はドクター・ドリトルではないから、憶測でしかないのだが。
だから私も、ヒトとして生きている限り、文章という檻の中で、好奇の視線に晒されたいと思う。何故なら、それが人間社会における一般的な動物の役割なのだから。
そうして、私は反省文を書き続けるのだった。
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