上 下
14 / 44

王宮

しおりを挟む
王宮に到着して、レッドと共に玉座に案内された。

「レッド殿下並びに婚約者様のおなりです」

「入れ」
ギイィィィと重たそうな扉が開く

レッドに手を繋がれ、陛下の前まで歩いて行く…。

うわぁ~真っ黒の髪の毛に、
黄色の瞳!!黒竜なのかしら…

「陛下、ただいま戻りました。こちらは私の婚約者のコットンキャンディー.ペガーノ姫でございます」

レッドの挨拶に続きコットンも挨拶をする。

「ご紹介を賜りました、コットンキャンディー.ペガーノと申します。竜王国の太陽であらせられる陛下にお会い出来て光栄ですわ」

優雅なカーテシーをする。

それを見てレッドがなぜかぽぅ~としてる…。
ちょっと…レッドしっかりしてよね!!!!

「おい、レッド…兄弟なのに、そんな…陛下だなんて!!寂しいじゃないか!!」グチグチ…

「…………兄上…先程までの威厳がゼロです」

「威厳なんていらないの!!兄弟なんだから!!そもそも僕は王とかやるタイプじゃないんだよね~!!部屋で刺繍とかしている方が好きだし、レッドがやればいいのに!!!」

なんと!?陛下は…まさかの…乙男……黒竜なのに…人は見かけによらないとはこういうことね。

「兄上………すぐに…本性がコットンにバレましたね…」


「!?」

「まさか…コットンの存在を忘れてたとか?挨拶したのに……」

「ぐぬぬぬぅ」

「クスクス ふふ、兄弟仲良くて良いことですわ」ニコッ

二人の竜人がピタッと動きが止まってこちらを見る…。な、なに?

「うわぁ~コットンちゃん……すっごく可愛い……」近寄ってくる…。

「な…なんでしょうか?…」

「ピンクの髪の毛……ピンクの翼
………」

「ちょっと…兄上、私の婚約者ですよ!!」

「僕も、婚約者に入れて!!!」

ドドン……

ん?今なんて言った……この王様

「は?何を言っているんです?兄上…本気ですか?」

「本気、めちゃくちゃ本気!!だってこんな可愛いくて美しく姫会ったことないもん」


「しかし……その…あと3年で婚姻のために天上へ行きそこで生活するのですが……」

「むむっ……通い婚にする…天上まで飛んでいけるし…王だから」

「は?そうなんですか?」

「ああ、王だけ許可されている」


通い婚…………この黒竜が私の夫に???ということは…王妃?


「コットンを王妃に据えるということですよね?」

「ん?そうなるね、竜王国側は一妻だし」

「しかし…コットンはその…まだ確定ではないですが…ペガーノの王になる可能性もあるんですよ…」


そうよね~レッド…良く覚えていたわね…さすがね…。


「陛下!!!わがままも大概にしてくださいね!!!!」

「……ラルフ…苦労かけるな…」


「レッド殿下……慣れておりますので…これにて…コレを回収して参りますね…」


「ああ……宜しく頼む」

宰相らしき人が陛下をひと睨みしたら陛下はカチンコチンと固まり…ズルズルと引きずられて行った………。

「あぁ……コットンちゃん……」


バタン……回収されて行った…。

なんだったのかしら…いったい。

「ごめんな…兄上は少々ポンコツで……」はぁぁとため息を吐く

「クスクス いえ、大丈夫よ」ニコッ


「母上と父上は今別の国に行っていていないんだ…すまん」

「あら、残念だけど…またお会いする機会はあるから大丈夫よ」ニコッ

「ん~俺の婚約者が可愛すぎる……」

ぎゅぅぅっ

「で、これからどうする?」

「ん~~、とりあえず街に戻るのか」

「はーい」

レッドと街に戻りカフェに入った。

「何がいい?」

「んーー、チョコレートケーキ!と紅茶で!」

「了解~」

レッドが頼みに行ってくれる


ん~陛下を見てさらに思ったけど、やっぱりレッドがカッコいい~!!!なんというか…すべてがスマートなのよね……。

大人っていう感じ……。

「お待たせ、ん?どうした?」


「ふふ、レッドがカッコいいなぁと思って」


「ぐっ……やめろよ…珈琲吐くだろ…」

「あはは、ごめんごめん」


「兄上は…俺が絡むと余計ポンコツになるんだよな……」

「あら…そうなの?」

「唯一の兄弟だから可愛いーと溺愛してくれるのは…いいのだが、度を越すと…ちょっとな」

ああ……うちと同じね…。

「うちと同じね……うちの兄達もそうよ……しかもかなりのね」

「どこも…同じだな…」

「ええ…」

二人共遠い眼差しをする……


「でもさ、コットンはこんなに愛らしくて可愛いから気持ちは分かるぞ…」

「えーーーそう?でも結構迷惑なんだけど……」


メソメソ メソメソ…

なにこの…泣き声…

メソメソ メソメソ

「迷惑だなんて……おにぃちゃん悲しいなぁ……」グスン

!?

レッドと二人でバッと振り向くと…三番目の兄がそこに…


「三兄様…地上で何をしているんですか?」ギロッ


ビクッ

「そ、その……コットンが足りなくなって…」ボソボソ


「意味分からないし、うざいです」キッパリ

「うわぁ……辛辣……」レッドが呟いた……。


「レッド!!こういううざいお兄様にはハッキリと言わないと通じないのですよ!!」ギロッ

「は、はい!!そうですね!」
シャキンとする…レッド


「ううっ……コットンのキツイ物言いが…久しぶりで最高!!」
 

「この……変態…」


「俺は別に変態じゃないし、コットン限定だし!!」

「別に私は求めていないのですが…」

「ううっ……冷たい……お兄様なのに…」グスン

「お兄様、さっさと妻の元にお戻り下さい」

「えー!!!別に妻といったって~契約妻だし~」頬を膨らます兄…

「はぁぁ??事実だとしてもそんな事がお父様の耳に入れば大変ですよ!!」

「いいんだよ、バレてるし」

「!?」

「俺達兄弟四人とも契約妻だよ~もちろん四人のそれぞれの妻とも利害関係だからそのうち円満離婚さ」


「そもそも結婚する必要があったのですか?」

「えーー、それはコットンの為に…」

「おっと~そこまでだ」


「1兄様!!!!」


「1兄じゃなくて、名前で呼んでくれよ~コットン」ニコッ


「ハッカ兄様…」


「ああ、俺はこの馬鹿なミントを回収に来たんだ」ニコッ


「兄上!!だって!!!!」

「ミント…お前なぁ…父上が気がつく前に帰るぞ…」ギロッ

「は、はい…」

ハッカ兄様がミント兄様を回収して戻っていった……。

「なんだったのかしら……」


「ほんとにな……何か理由がありそうだがな……」


「ええ……」



コットン兄達Side


「馬鹿だな、ミントは!!あの事実はまだ話せないんだぞ!!」

「でも……兄上」


「俺達がコットンの夫になるためには隠し通すしかないんだ!!!父上があかすまでは!」


「はい……それが条件ですものね…」


「そうだ…暴走するなよ、みんな同じ気持ちなんだからな」

「はい…すみません」


「ハッカ兄様!!!ミントは見付かりましたか!!」

バタバタ バタバタ

「ああ、ほらここに…」


「パセリ兄様…すみません…」


「ああ…無事で良かった…お前父上に見つかったら大変だったぞ!」


「はい……」

バタバタ バタバタ


「あ!!ミント兄様!!」


「パクチー……」


「いいか…俺達四人…心は1つだ…父上との約束を守って…コットンに選んで貰うんだ!!分かったな!!!」

三人はハッカの言葉に頷く。

「くそ…あの竜人め…」

「ミント、気持ちは分かるが……仲良くせねばならんぞ…」

「はい……」



地上Side

「陛下には番はいないの??」

「いないんだよなぁ~理想が高くてなぁ……元々黒竜とは…そういう存在らしいんだよ…」


「でも…陛下は乙男よね…」


「乙男とはなんだ??」

「可愛いものが大好きな…男の人よ」

「なるほど……ならめちゃくちゃ可愛い子を連れていけば……」

「そうね~」


「でも…コットン以上に可愛い子を見たことないぞ……」真顔


「………レッド。そういうの番馬鹿というのよ…」


「はぁ??客観的に見ても可愛いだろ?鏡で自分の顔みてみろよ」


「………それは…ありがとう」

かあぁぁと赤くなるコットンだった…。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

一年で死ぬなら

朝山みどり
恋愛
一族のお食事会の主な話題はクレアをばかにする事と同じ年のいとこを褒めることだった。 理不尽と思いながらもクレアはじっと下を向いていた。 そんなある日、体の不調が続いたクレアは医者に行った。 そこでクレアは心臓が弱っていて、余命一年とわかった。 一年、我慢しても一年。好きにしても一年。吹っ切れたクレアは・・・・・

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

王女殿下のモラトリアム

あとさん♪
恋愛
「君は彼の気持ちを弄んで、どういうつもりなんだ?!この悪女が!」 突然、怒鳴られたの。 見知らぬ男子生徒から。 それが余りにも突然で反応できなかったの。 この方、まさかと思うけど、わたくしに言ってるの? わたくし、アンネローゼ・フォン・ローリンゲン。花も恥じらう16歳。この国の王女よ。 先日、学園内で突然無礼者に絡まれたの。 お義姉様が仰るに、学園には色んな人が来るから、何が起こるか分からないんですって! 婚約者も居ない、この先どうなるのか未定の王女などつまらないと思っていたけれど、それ以来、俄然楽しみが増したわ♪ お義姉様が仰るにはピンクブロンドのライバルが現れるそうなのだけど。 え? 違うの? ライバルって縦ロールなの? 世間というものは、なかなか複雑で一筋縄ではいかない物なのですね。 わたくしの婚約者も学園で捕まえる事が出来るかしら? この話は、自分は平凡な人間だと思っている王女が、自分のしたい事や好きな人を見つける迄のお話。 ※設定はゆるんゆるん ※ざまぁは無いけど、水戸○門的なモノはある。 ※明るいラブコメが書きたくて。 ※シャティエル王国シリーズ3作目! ※過去拙作『相互理解は難しい(略)』の12年後、 『王宮勤めにも色々ありまして』の10年後の話になります。 上記未読でも話は分かるとは思いますが、お読みいただくともっと面白いかも。 ※ちょいちょい修正が入ると思います。誤字撲滅! ※小説家になろうにも投稿しました。

勘当されたい悪役は自由に生きる

雨野
恋愛
 難病に罹り、15歳で人生を終えた私。  だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?  でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!  ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?  1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。  ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!  主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!  愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。  予告なく痛々しい、残酷な描写あり。  サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。  小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。  こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。  本編完結。番外編を順次公開していきます。  最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!

私を侮辱する婚約者は早急に婚約破棄をしましょう。

しげむろ ゆうき
恋愛
私の婚約者は編入してきた男爵令嬢とあっという間に仲良くなり、私を侮辱しはじめたのだ。 だから、私は両親に相談して婚約を解消しようとしたのだが……。

王子殿下の慕う人

夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。 しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──? 「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」 好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。 ※小説家になろうでも投稿してます

私は逃げます

恵葉
恋愛
ブラック企業で社畜なんてやっていたら、23歳で血反吐を吐いて、死んじゃった…と思ったら、異世界へ転生してしまったOLです。 そしてこれまたありがちな、貴族令嬢として転生してしまったのですが、運命から…ではなく、文字通り物理的に逃げます。 貴族のあれやこれやなんて、構っていられません! 今度こそ好きなように生きます!

処理中です...