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空の上で

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ベビーピンク色の羽を背に出して、窓からパタパタと飛んでいくコットン。

ん~やっぱり空を飛ぶと気持ちいい~!

今日はとてもいいお天気だしね!!

空から王国を見ていると花や植物も多くとても美しい国だった。

ん~気持ちいい、どこかお散歩スポットないかしらね~。

キョロキョロと湖でもないものかと
見渡していると……。


「なぁ」

ん??聞き間違いかしら…ここは空の上よね…

おそるおそる振り向くと

「はい???」

そこには、端正な顔立ちの背に竜の羽が付いた男がいた。

「君は、天使なのか???」

え……天使???

「いえ、わたくしは、天上の天馬王国の者ですわ」ニコッ

「天馬ということはペガサスか」

「ええ、そうです」

「初めて会ったな……ペガーノ王国の者か……名は…その…なんという?」

「コットンキャンディー.ペガーノと申しますわ」

「コットンキャンディー……ペガーノ!?とは…姫君か…これは大変失礼した…」

「ふふ、大丈夫ですよ。空の上ですし」

「私は、竜王国の者でレッドチリ.リュウグと申す」

「リュウグとは…貴方も王族ではありませんか」クスクス

「ああ……まぁ…」

「ふふ、お互い王族ですし、敬語はやめませんか?」

「ああ…助かる」

「わたくしの事はコットンとお呼びください」ニコッ

「では、俺の事はレッドと」

「分かったわレッド、美しい赤いつばさなのね」

「君の愛らしいピンクの羽には敵わないさ」

「ふふ、ありがとう」

すると、おもむろにレッドが自分の赤い鱗をちぎった。

「コットン、これを持っていてくれないか?これを握って念じてくれたらいつでも会える」

「まぁ…いいのかしら…」

「ああ」

「なら、頂くわありがとう。お返しと言ってはなんだけど」

コットンはピンクの羽をひとつ抜き
レッドに差し出す

「もしよかったらどうぞ」ニコッ


「い、いいのか!?」

「?ええ」

「ありがとう!!!大切にする!!」


ぎゅぅぅっと抱きしめられて
額にチュっとキスをしてまた会いに来るから!!と飛んでいった……。

嵐のような……人ね………。


「なあ…」

ビクッ


「シナモン!!!びっくりするでしょ!!!背後に来ないでよ!」


「もちろん…今の意味分かってて渡したんだよな??」

シナモンの口調が……護衛バージョンじゃない……。

「え??意味???鱗を貰ったからお返しにと……なんか不味いことした?」

はあぁぁぁとシナモンは盛大なため息をついた。

「これで、一人婚約者はゲットだな」
苦笑

「ちょ!?なんで!?」

「あのな………羽のあるものがお互いの鱗や羽を交換するという事の意味は……求婚を受け入れますという事だ……お前何年天馬族しているんだ!!」


「えーーーーーーー知らない!!!」

「………お前の兄上達のせいだな……はぁ………何はともあれもう今更だあのレッドドラゴンは…お前の婚約者だ…」

「………分かったわ」

おもむろにシナモンが背中から一枚羽を抜きコットンに渡す。

「な、なによ……くれるの?」
美しいシナモンの羽を大事に受け取った。綺麗な羽

「ほら、寄こせ」

???何も考えずにコットンも一枚羽を抜きシナモンに渡す

受け取った瞬間……シナモンがニヤッと笑った。

「これで、俺もコットンの婚約者だな。宜しくな俺の愛らしい婚約者」

「なっ!!!!」

「今更無理だ、羽の交換は撤回出来ないからな」クスクス

「なにそれ!!!振ったくせに!!」

「……………それは…俺の本意じゃないんだ……」

「なっ…それどういう意味???」

「また…話すよ。ようやく…コットンを手に入れたられた……はぁ」

ぎゅぅぅっとシナモンに抱きしめられる

え……シナモンもずっと私をすきだったの??どういうことなの??

コットンの頭の中は今大変な事になっていた。

「さ、あと最低三人か。でも俺の予想だと五人じゃ収まらないなきっと」クスクス


「そ、そうなの?」

「ああ……多分な…」

「とりあえず、部屋に戻るか」

「うん……今度飛んで湖探しに行きたい」

「湖か、了解」

手を繋がられて二人で飛びながら
部屋に戻ってきた。

「姫様!!!!飛んでらしたのですか??」

「あ……心配かけてごめんなさい…」

「美しい羽ですね……」
ナツメグはコットンの羽を見てうっとりしていた。

「そ、そう??ありがとう」

「羨ましいです…自由に空を飛べて」

「あら!なら今度獣化するから背に乗せてあげるわよ」

「そ、そんな…恐れ多いです…」

「お前は…また…突拍子もない事を」

シナモンは額を抑えている。

「え!?駄目なの?」

あのバカ兄王子達め…………

あいつらのせいだろこれ……

「コットン……俺がゆっくり…天馬の恋愛のしきたりを教えてやるからな…常識的な範囲を」

「え、うん」

天馬にとって背に乗せるということは

伴侶を意味する。

伴侶しか乗れないものだと……。

それは例え子であっても乗せない。

そんな基本的な事をなぜ知らないんだ!!!!
頭もいいし、勉強なんて…天才的なのに……。
絶対あいつらだろ………。

これは…叔父上にクレームだな。
すぐさま魔法手紙を送らねば。

竜王国のあれは多分…王族だな。
と婚約したことも報告しないとな自分の事と一緒に。

「ねー、シナモンもうそろそろ…晩餐の用意で着替えたりするし一度部屋に戻ってくれない?」

「あ、ああ、そうだな。じゃまた後で」


パタン


「姫様、シナモン様との雰囲気が変わりましたね」クスクス

「空の上で…婚約したの…」

「!?左様ですか!おめでとうございます!!」


「ありがとう、ふふ。でもあと最低でも三人は探さないとだし…シナモンたら五人じゃ収まらないなんていうのよ?」

「上限はないのですね??」

「うん、そうなの」

「なら…あの武骨者でも……可能性あるのかしら……」

「ナツメグ????」

「いえ…こちらの話です……すみません」


「ふふ、たまにナツメグって物思いにふけってて面白いわよね」クスクス

「……お恥ずかしい」


「さ、ドレスはどれにしようかな~」

「姫様!!今日はお羽をお出しになるデザインは如何ですか!?」

「羽を??別にいいけど…どれがいいと思う?」

「それなら、こちらの赤いドレスでどうですか??姫様のピンクの美しい髪の毛と羽にとても映えます!!」

「ふふ、ナツメグおすすめならそれにするわ」

「靴はこちらの白い靴で、アクセサリーはこちらのパールに致しましょう」

「もう、お任せするわね」クスクス

ナツメグにお任せして支度を整えてもらうと、両サイドは下にすこしたらし、
あとは、アップにした髪型にパールの髪飾りとネックレス、ピアスをつけた。

お化粧もしてもらい、鏡で見ると
とてもドレスが映えて美しいさと
愛らしさが一際輝いてみえる、本人以外は……苦笑

「姫様、とても美しく愛らしいですわ……うっとりしてしまいます…」

「ナツメグは大袈裟ね、でもとても気に入ったわ、ありがとう」ニコッ

「その…微笑みだけで…悶えて倒れそうです」

「クスクスなにそれ……」

「コホン…では両陛下並びに殿下達もお待ちなので向かいましょう」

「はい!」

もちろんシナモンにも声をかけて
ナツメグと一緒に皆が揃っている晩餐に向かう。

少し緊張するけど、お祖父様とお祖母様にお会いするのもとても楽しみだわ!








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