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マルディナ
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子爵家Side
「まさか……ウロコニア公爵家の小公爵様だったなんて…」
母
「ん~~このイカ焼きのタレ絶妙!!!めちゃくちゃ美味しい!」
マルディナ
「呑気というか……豪胆というか」
ノルディ
母と兄は馬車の中でご機嫌にイカ焼きを食べる娘を見ていた。
「お茶会……マルディナ行くのですよね?」
ノルディ
「そうねぇ……本当はマルディナが何かやらかしそうだから行かせたくないのだけど。断れないわね……」
母
子爵家が公爵家のお誘いを断れるはずがない。
「私も……付き添いでいきましょうか?」
ノルディ
ピクッと手を止めるマルディナ
「嫌よ、私一人で行くわ。お兄様がいたらまた遅刻するもの。女の支度じゃあるまいしどうしてこうお兄様は時間がかかるのかしらね~」
マルディナ
「……………」
ノルディ
「どうせ読み出した本に夢中になって、時間がギリギリになってから支度するのでしょうけど。私時間にルーズなのって嫌いなのよね」
マルディナ
「…………ぐっ」
ノルディ
図星すぎて言い返せない
「お兄様の本の知識とゆったりとした性格は長所でもあるのだけど、私は人を待たせたら申し訳ないという気持ちが微塵もない人って嫌いなのよね」
マルディナ
前世でも毎回、毎回遅刻してくる人がいたわね~。
待たせて申し訳ないって思わないのかしら?不思議よね。
しょぼんと肩を落とすノルディ
「貴女一人で行くなら行くまでの間に淑女として礼儀作法を習わせるわよ?」
母
「うげ……」
マルディナ
「うげ??」ギロッ
マリディナ
「はい………頑張ります」
マルディナ
「いい?相手は公爵家よ?失礼な事をすると不敬罪になる。不敬罪は最悪は死罪になるのよ?くれぐれも失礼がないように勉強をなさい」
母
「はい……」
マルディナ
こうして…お茶会までの間にみっちり家庭教師や母によって淑女たる礼儀作法を習い地獄のような日々を過ごしたのである。
そしてようやく今日がお茶会だ。
マルディナは公爵家の馬車に乗りこんだ。
「ようこそ公爵家へ。」ニコッ
カシウス
「お招き頂きありがとう存じます。スズメー丿子爵家が長女マルディナと申します」
マルディナ
美しいカーテシーを披露したマルディナ。
「ふふっ、宜しくね、じゃ向こうの中庭に行こう」
カシウス
この前も思ったけどカシウス様ってめちゃくちゃイケメン……。
天使みたい………
「座って、紅茶と果実水と珈琲どっちがいい?」
カシウス
「え!!!!なんで珈琲があるの!?」ガタッ
マルディナ
「クスクス……うん、じゃとりあえず珈琲飲む?」
カシウス
コクコク頷くマルディナ
今日は人払いもしてある。今ここにいるのはかぎられた護衛騎士のマルスだけだ。そのマルスにも離れた所に待機してもらっている。
カシウスは空間からホカホカの珈琲とミルク、砂糖とカシウスの手作りのマドレーヌとプリンを取り出した。
「!?」
マルディナ
「どうぞ、召し上がれ。あぁ、ここには僕達しかいないし、防音結界張ったから話したことも外には聞こえないよ」
カシウス
「チート………」
マルディナ
「そうなんだよ、僕チート持ちみたい」
カシウス
「うらやま………ちなみに前世は何歳だった?」
マルディナ
「それがあまり覚えてないんだけど、多分20代半ばかな?過労で死んだ感じ」
カシウス
「私もそんな感じ………いいなぁ~チート」
マルディナ
「マルディナと呼んでもいい?僕のこともカシーでいいよ」
カシウス
コクンと頷くマルディナ
「マルディナは転生特典ないの?」
カシウス
「言語理解と、光魔法だけかな」
マルディナ
「光魔法いいじゃん!!」
カシウス
「いいけど……どうせカシーは全属性でしょ?」
マルディナ
「まぁ、うんそうだね」苦笑
カシウス
「いいなぁ……多分加護もあるんだろうなぁ~うらやま」
マルディナ
もう苦笑するしかない…
「ちなみにマルディナは前世は何歳で?」
カシウス
「私は26だよーデザイン会社でデザイナーしてた。カシーは?」
マルディナ
「僕は商社の第一営業部だったんだけど、仲間に嵌められて左遷されて過労で」
カシウス
「うわぁ……どこの世界にもいるよね~クソなやつ…」
マルディナ
「だよね~……ここではいいけど、淑女が「クソ」って使うとお母様が倒れるかもしれないから…使わないようにね」
カシウス
「あーー。確かに」
マルディナ
すっかり意気投合したカシウスとマルディナ。
「でもさー、この世界さ、まさかのハーレム世界じゃん?しかも…嫡子が兄だから私は嫁ぐ者だからさーー憂鬱すぎる」
マルディナ
「確かにね……マルディナの性格だと辛いかもね…」
カシウス
ノルディ様は大人しそうな方だったけど…。
「あっ!!良いこと思いついた!!」
マルディナ
「良いこと??なになに?」
カシウス
「カシーのハーレムに入れてくれない???それなら転生者同士話も分かるし気心しれてるし気が楽かも!!それにカシー超イケメンだし!!」
マルディナ
ずずいっと身を乗り出して懇願するマルディナ……
「い、いいけど……。」
カシウス
マルディナのギラギラした目をみたらNOとは言えない……まるでライオンみたい。
「いいの!?やったぁぁぁ」
マルディナ
「でも……公爵家だからね?沢山のお勉強と……教養頑張ってね?」
カシウス
「ぐぬぬ…………頑張る」
マルディナ
「あと一人ハーレム入りが決まっている侯爵令嬢のエルフの子がいるから仲良くしてね…」
カシウス
「エルフ!?めちゃくちゃ可愛い???」
マルディナ
「………めちゃくちゃ可愛い」
カシウス
「うわーー、楽しみー!!」
マルディナ
実は自分は押しに弱いんだなと……
10歳にして痛感したカシウス。
まぁ……同じ転生者だし、あの竹を割ったような天真爛漫系のマルディナもなかなか可愛いし。
こうして……後日子爵家にマルディナのハーレム入りの知らせが届き
子爵家夫婦は顔を真っ青にさせて
失神したのだった。
倒れた両親を前にしてオロオロしたのはノルディだ。
呑気にただ一人だけ自室で次はカレーが食べたいなぁ~とカシウスの手料理レパートリーを心待ちにしてしているマルディナだった。
「まさか……ウロコニア公爵家の小公爵様だったなんて…」
母
「ん~~このイカ焼きのタレ絶妙!!!めちゃくちゃ美味しい!」
マルディナ
「呑気というか……豪胆というか」
ノルディ
母と兄は馬車の中でご機嫌にイカ焼きを食べる娘を見ていた。
「お茶会……マルディナ行くのですよね?」
ノルディ
「そうねぇ……本当はマルディナが何かやらかしそうだから行かせたくないのだけど。断れないわね……」
母
子爵家が公爵家のお誘いを断れるはずがない。
「私も……付き添いでいきましょうか?」
ノルディ
ピクッと手を止めるマルディナ
「嫌よ、私一人で行くわ。お兄様がいたらまた遅刻するもの。女の支度じゃあるまいしどうしてこうお兄様は時間がかかるのかしらね~」
マルディナ
「……………」
ノルディ
「どうせ読み出した本に夢中になって、時間がギリギリになってから支度するのでしょうけど。私時間にルーズなのって嫌いなのよね」
マルディナ
「…………ぐっ」
ノルディ
図星すぎて言い返せない
「お兄様の本の知識とゆったりとした性格は長所でもあるのだけど、私は人を待たせたら申し訳ないという気持ちが微塵もない人って嫌いなのよね」
マルディナ
前世でも毎回、毎回遅刻してくる人がいたわね~。
待たせて申し訳ないって思わないのかしら?不思議よね。
しょぼんと肩を落とすノルディ
「貴女一人で行くなら行くまでの間に淑女として礼儀作法を習わせるわよ?」
母
「うげ……」
マルディナ
「うげ??」ギロッ
マリディナ
「はい………頑張ります」
マルディナ
「いい?相手は公爵家よ?失礼な事をすると不敬罪になる。不敬罪は最悪は死罪になるのよ?くれぐれも失礼がないように勉強をなさい」
母
「はい……」
マルディナ
こうして…お茶会までの間にみっちり家庭教師や母によって淑女たる礼儀作法を習い地獄のような日々を過ごしたのである。
そしてようやく今日がお茶会だ。
マルディナは公爵家の馬車に乗りこんだ。
「ようこそ公爵家へ。」ニコッ
カシウス
「お招き頂きありがとう存じます。スズメー丿子爵家が長女マルディナと申します」
マルディナ
美しいカーテシーを披露したマルディナ。
「ふふっ、宜しくね、じゃ向こうの中庭に行こう」
カシウス
この前も思ったけどカシウス様ってめちゃくちゃイケメン……。
天使みたい………
「座って、紅茶と果実水と珈琲どっちがいい?」
カシウス
「え!!!!なんで珈琲があるの!?」ガタッ
マルディナ
「クスクス……うん、じゃとりあえず珈琲飲む?」
カシウス
コクコク頷くマルディナ
今日は人払いもしてある。今ここにいるのはかぎられた護衛騎士のマルスだけだ。そのマルスにも離れた所に待機してもらっている。
カシウスは空間からホカホカの珈琲とミルク、砂糖とカシウスの手作りのマドレーヌとプリンを取り出した。
「!?」
マルディナ
「どうぞ、召し上がれ。あぁ、ここには僕達しかいないし、防音結界張ったから話したことも外には聞こえないよ」
カシウス
「チート………」
マルディナ
「そうなんだよ、僕チート持ちみたい」
カシウス
「うらやま………ちなみに前世は何歳だった?」
マルディナ
「それがあまり覚えてないんだけど、多分20代半ばかな?過労で死んだ感じ」
カシウス
「私もそんな感じ………いいなぁ~チート」
マルディナ
「マルディナと呼んでもいい?僕のこともカシーでいいよ」
カシウス
コクンと頷くマルディナ
「マルディナは転生特典ないの?」
カシウス
「言語理解と、光魔法だけかな」
マルディナ
「光魔法いいじゃん!!」
カシウス
「いいけど……どうせカシーは全属性でしょ?」
マルディナ
「まぁ、うんそうだね」苦笑
カシウス
「いいなぁ……多分加護もあるんだろうなぁ~うらやま」
マルディナ
もう苦笑するしかない…
「ちなみにマルディナは前世は何歳で?」
カシウス
「私は26だよーデザイン会社でデザイナーしてた。カシーは?」
マルディナ
「僕は商社の第一営業部だったんだけど、仲間に嵌められて左遷されて過労で」
カシウス
「うわぁ……どこの世界にもいるよね~クソなやつ…」
マルディナ
「だよね~……ここではいいけど、淑女が「クソ」って使うとお母様が倒れるかもしれないから…使わないようにね」
カシウス
「あーー。確かに」
マルディナ
すっかり意気投合したカシウスとマルディナ。
「でもさー、この世界さ、まさかのハーレム世界じゃん?しかも…嫡子が兄だから私は嫁ぐ者だからさーー憂鬱すぎる」
マルディナ
「確かにね……マルディナの性格だと辛いかもね…」
カシウス
ノルディ様は大人しそうな方だったけど…。
「あっ!!良いこと思いついた!!」
マルディナ
「良いこと??なになに?」
カシウス
「カシーのハーレムに入れてくれない???それなら転生者同士話も分かるし気心しれてるし気が楽かも!!それにカシー超イケメンだし!!」
マルディナ
ずずいっと身を乗り出して懇願するマルディナ……
「い、いいけど……。」
カシウス
マルディナのギラギラした目をみたらNOとは言えない……まるでライオンみたい。
「いいの!?やったぁぁぁ」
マルディナ
「でも……公爵家だからね?沢山のお勉強と……教養頑張ってね?」
カシウス
「ぐぬぬ…………頑張る」
マルディナ
「あと一人ハーレム入りが決まっている侯爵令嬢のエルフの子がいるから仲良くしてね…」
カシウス
「エルフ!?めちゃくちゃ可愛い???」
マルディナ
「………めちゃくちゃ可愛い」
カシウス
「うわーー、楽しみー!!」
マルディナ
実は自分は押しに弱いんだなと……
10歳にして痛感したカシウス。
まぁ……同じ転生者だし、あの竹を割ったような天真爛漫系のマルディナもなかなか可愛いし。
こうして……後日子爵家にマルディナのハーレム入りの知らせが届き
子爵家夫婦は顔を真っ青にさせて
失神したのだった。
倒れた両親を前にしてオロオロしたのはノルディだ。
呑気にただ一人だけ自室で次はカレーが食べたいなぁ~とカシウスの手料理レパートリーを心待ちにしてしているマルディナだった。
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