転生幼児は夢いっぱい

meimei

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イカ焼き

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ようやく最後の客に手渡して本日終了だ……。

カシウスは疲れすぎてぐったりである。


「えーーー!!!!もうないの~食べたかったのに!!」
女の子


「マルディナ、残念だけれどわがままを言ってはなりませんよ」



女の子は屋台の前で地団駄をふんでいる。


「だって!!!早く行かないとなくなるってあれだけ言ったのにお兄様がちんたらしているせいで!!!!」
マルディナ



「…………マルディナごめん」



兄と言われている男の子はしょぼんと落ち込んでいる。


「マルディナ!!!いい加減にしなさい。確かにノルディの支度の遅さも認めるけれど……でもわざとではないし謝っているでしょう?」




「だって!!!!!イカ焼きなのよ!!!!うっうっ………うわーーーん」
マルディナ


!?

カシウス含め護衛騎士メンバーは
唖然である。

それにどうみても貴族だ……。

それにしたって「イカ焼き」って
もしかして同郷なのかな…


「あの……」
カシウス


「あら……ごめんなさいね。お店の前で……」




「その………3人前で宜しいのでしたら作り置きがあるのでそちらで宜しいのでしたら」
カシウス


「!?」
フルール


「カシウス様……でもそれは陛下達のでは……?」ボソッ
マルス


「いいの、父2名とかぁ様のは帰宅後作るよ。どうします?」
カシウス



「え!!!!イカ焼き食べれるの!?」
マルディナ

パッと顔をあげて笑顔になる

泣いたカラスがとはこの事である


「泣いたカラス……」
カシウス


「がもう笑った……ってなにそれ!私のこと!?ってえ!!!!」
マルディナ

マルディナはついツッコミをいれたけど、いれてから目を見開いた

やっぱり………転生者かぁ。


「はい、これが3人前です。タレがたれやすいのでお気をつけて。あと後日……宜しければお嬢さんとお話が出来たら嬉しいのですが。」
カシウス


「えっ…?」



「あぁ……失礼致しました。僕はカシウス.ウロコニアと申します」
カシウス


ウロコニア公爵家………

母は一瞬フリーズする


「ちょっと!!お母様!!何固まってるの!?」
マルディナ


「ハッ!これは失礼致しました…小公爵様。私はマリディナ.スズメー丿と申します」



マルディナはカーテシーをその場でする。


「スズメー丿家は子爵家です」 
マルス

コソッとマルスが耳打ちする

兄のノルディも礼をとっている。



「挨拶ありがとう。後日うちでマルディナ嬢とお茶会をしたいと思っています。招待状を送るので宜しければいらしてください」
カシウス



「お茶会!!!絶対行きたい!!」
マルディナ


「マルディナなんです!!その口の聞き方は……。」ギロッ



母であるマリディナがマルディナを睨むと口を尖らせて頬を膨らませた。


「すみません……主人が甘やかしてしまい…。お恥ずかしい」
マリディナ



「すみません…小公爵様」
兄ノルディ



「ふふっ、大丈夫ですよ」ニコッ
カシウス



さすが……筆頭公爵家…。10歳なのにこの聡明な雰囲気と佇まい。
どんな教育をされていたらこうなるのだろうか。

と母と兄は頭の中で同じ事を思う。


「では、店じまいしますので、また後日。失礼しますね」
カシウス



「「「はい」」」
マリディナ、ノルディ、マルディナ


話している間に護衛騎士達が片付けを終わらせてくれてそのまま転移した。


もちろん帰宅後またイカ焼きとガニガラー焼きを作り、お父様、
父上、お母様にそれぞれ渡した。


もう……クタクタ。明日の仕込みも昨日やっておいて本当良かった。



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