え！？私が公爵令嬢なんですか！！（旧聖なる日のノック）

婚約？

「ピュリ」
ルナル


「はい？あっ！！お父様！！」
パタパタ　パタパタ

「ただいま、今日は何をしていたんだい？」
ルナル


「今日はサム兄様と王都に行ってきました！！」
ピュリ


「王都に？何をしてきたのか聞いても？」
ルナル



「えっと……その…あっ！！魔石をいただきました」
ピュリ


「そう…魔石を…。他には？」
ルナル

じぃぃぃっと見るルナルにたじろぐピュリ


「その……」



「父様にも言えないことなのかな？」
ルナル


「ぐっ……怒らない？」
ピュリ


「事と次第によるけど、多分怒らないかな」
ルナル


「事と次第………」
ピュリ


「で？何をしてきたのかな？」
ルナル


お父様……圧が！！！！！
目が笑ってないから！！！！


「串焼きのお店に…その美味しかったです」
ピュリ


「串焼き……あぁなるほど。だからあの家からの求婚状かぁ…で？ピュリはなんの魔法を使ったのかな？」
ルナル


！！！！！！！！！！！！！！
なんで？どうして？？？
目を見開くピュリニーネに苦笑するルナル。


「仮にも俺は魔法師団長だよ？魔法の痕跡くらいわかるよ」
ルナル


そうだった………がっくり肩を落とすピュリニーネ


「ガラム様の腕を治しました……その痛そうで」
ピュリ


「あ～なるほどね」
ルナル


「怒らない？」
ピュリ


「怒らないよ、サムエルが忘却しただろうし。でも」
ルナル



「でも？」


「ピュリの婚約者が増えたから宜しくね」
ルナル

こ、こ、こ、婚約者！？

なにそれ！！！！！！


「婚約者ってなんです！？」
ピュリ


驚くピュリニーネを見て笑うルナル。


「あのね、このご時世女の人が少ないでしょ？だから一妻多夫を義務付けられてるよね？」
ルナル


コクコク頷くピュリニーネ


「で、ピュリはすごく多彩な才能があるわけ、魔力も魔法も…知能指数もね」

ん？そうなの？首をコテンと横にするピュリニーネ


「うん、自覚ないのも知ってるけどそれはおいておくね。でね？王家にとりこまれないように守りを固めたいんだよ」

コクコク頷くピュリニーネ


「だからサムエルとエルニルとはもう婚約はしたんだよ、養子縁組と一緒にね」
ルナル


えーーーーー！！！！なにそれ！！聞いてない！！！！！


「あーー。説明していなかった事は謝る。でも時間がなかったんだ……」

ぷぅ～と頬を膨らませるピュリニーネに苦笑いするルナル。


「で、ガラムは侯爵家だしサムエルの部下だ…。腕を治したから復帰するし…守るちからにはなれるだろうと思う。それにあいつは誠実ないい男だ」
ルナル


「はぁ……」
ピュリニーネ



「まっ、変装をといたあいつに会えば分かるよ」
ルナル


変装………あのときのガラム様は
失礼ながらもおじさんに見えた。


「分かりました…」
ピュリ


肩に手を軽く置いてから部屋を出ようとしたルナル。


「あ、そうそう」
ルナル

ん？まだ何か？？



「串焼きは美味しいけど、公爵家のご令嬢なんだからほどほどにね！！もちろん変装してね」
ルナル


！？



「は、はい」
ピュリ


串焼きは変装すれば行っても良いってことだよね？？？

やったぁーまたあの美味しい串焼き食べられる！！！！

バンザイして喜んでいると…

ｺﾎﾝ


「お嬢様……ほどほどにお願い致します」
ポメリ


「あ、うん…」
ピュリ

ポメリにちょっと釘をさされたピュリニーネはそんな事よりも
いつ串焼き食べに行こうかな～と頭の中はそれでいっぱいだったのである。