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串焼き

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「わぁ~美味しそう!!!」
ピュリ


「だろ?ここの串焼きは絶品なんだよ!!」
サムエル


「ガハハハ、団長褒めすぎじゃないか!!」
店主


あむっ……ムシャムシャ……


!?


「美味しい!!!!何これ!?噛むと肉汁がじゅわわぁで、柔らかくてめちゃめちゃ美味しい!!!」
ピュリ


「だろ?」
団長


「いや~こんな可愛いお嬢ちゃんに褒められるなんて生きてて良かったわ」

店主


「おい……ガラム。お前年幾つだよ!!俺より年下のくせに…」
サムエル


「え!?確かに若いような…」
ピュリ


「こやまいった……確かに団長より年下ですがね」
店主


「ガラムは元騎士団所属でさ、怪我で引退したんだ」
団長


「怪我のおかげで転職に出会えたんですよ」
ガラム


「ガラム……まっ!!串焼き絶品だしな!!」
団長


「うん!!串焼き美味しい~」
ピュリ


そう言えば魔法の授業少しかじったんだよね…ルナルお父様から。

ガラムをじぃぃぃっと観察しているとどうやら利き手の方を怪我したようだった。

さりげなく回復魔法をかけるつもりが……ぱあぁぁと光が出てしまった。


「なっ!?ピュリ何をしたんだ!?」
サムエル


「ん、この前ルナルお父様から教わった回復魔法をちょっと……ガラムさんに…」
ピュリ


「……ガラムちょっと利き手を動かしてみろ…」
サムエル


「は、はい」
ガラム

驚きでつい騎士団時代のように…敬語になるガラム。


「なっ!?動く!!!!治ってる!!!!」
ガラム


え!?動かないくらいの怪我だったの???


「はあぁぁ……ちょっと待て」
サムエル

サムエルは自分とガラム、ピュリ以外に忘却魔法をかけたのだった……。もちろん今の記憶だけ


「団長今のは忘却魔法ですね…私も他言しないようにします」
ガラム


「あぁ、そうしてくれ」
サムエル


「腕が治って良かったです」
ピュリ


「天使がいる………」
ガラム

ん?天使???どこに!?

キョロキョロあちらこちらを探すピュリ



「お前も…ピュリの被害者だな……婚約したいなら実家に戻れ…」
サムエル


「そうですね…腕も治った事ですし。ここは俺がオーナーになって今の副店長に任せます」
ガラム


「ガラムさんは騎士団に戻るの?」
ピュリ


「ええ、天使に求婚する為に戻ります」
ガラム


天使に求婚????


「なんか話し方も違う」
ピュリ

もぐもぐ もぐもぐ

うん、やっぱり串焼き美味しい


「本来はこの話し方なんですよ」ニコッ
ガラム


「まっ、身だしなみも元に戻すんだな」苦笑
サムエル


「はい……そうします」
ガラム


良く話が理解出来ないピュリニーネはとりあえず果実水と美味しい串焼きに集中することにした。

その姿を見て苦笑いする2名には気が付かない…。


後日……



「父上、失礼致します」
ガラム


「ん?ガラムかって!!お前その腕!?」
ガラム父、エンベル侯爵家当主
ダラム


「はい、天使が治してくれたのです……でその天使に求婚したく戻って参りました」
ガラム


「ほう……天使が治してくれたと……」
ダラム


「その天使の名を告げても、治して頂いた事は他言無用なのです…父上も魔法誓約書をお願い致します」
ガラム


目を見開くダラム


「そ、そこまでか……。分かった魔法誓約書を作ろう」

誓約書はぱあぁぁと光った。


「これで話せますね、この腕を治してくれた天使はマリシア様の娘のピュリニーネ公爵令嬢です」
ガラム


さらに目を見開くダラム



「マリシア様とは!?あのマリシア様か!?」
ダラム


「ええ、そのマリシア様で合っていると思います。ルミエール公爵家です。残念ながらマリシア様はお亡くなりになっておられますが…」
ガラム


「そ……そうなのか…あのマリシア様が」
ダラム

肩を落とすダラム


「で、そのピュリニーネ様と婚約したいのです。サムエル団長には一応…話済みです」
ガラム


「しかし、婚約出来るのか?」
ダラム


「王家に横槍を入れられる前に守りを固めたいそうなので出来ると思います。私もピュリニーネ様を守りたいのです」
ガラム


「分かった…申請をしておく」
ダラム


「ありがとうございます父上」
ガラム


「それだけの度量の令嬢だ…守りを固める為に何人も夫は必要だろうな」
ダラム


「はい、覚悟は出来ております」
ガラム


「そうか…お前が覚悟が出来ているなら応援しよう」
ダラム


「ありがとうございます」
ガラム


なんでもいい……あの天使の側にいて守りたい。
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