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聖なる日に…
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「お母様、今日の朝食は美味しい……」
ガシャン
さっきまでベットで目をあけていたお母様が……顔は横を向き目を瞑り、手はベットからだらんと落ちている。
バタバタ バタバタ
「お母様!!ってお母さん!!お母さん!!嘘でしょ!!起きてよ!!!前みたいにきちんとお母様と言いなさい!と小言を言ってよ!!」
どんなに大声をあげても…揺すっても…お母さんは目を覚まさない。前世の記憶で心臓の音や脈を見ても……もう。
ピュリニーネの大きなスミレの色のような青い瞳からポロポロと大粒の涙が溢れる。
「うわぁぁぁん、お母さん~!私を一人にしないでよぉ…」
部屋にはピュリニーネがクリスマスだから奮発して作った朝食のいい匂いだけがする。
トントン トントン
「ぐす……だれよ…こんな時に……」
涙を拭って扉を開けると………
目の前には大柄な騎士達………
「なっ!?なんですか!!こんな時に………私は何もしていません!!」
ピュリニーネ
ただでさえ唯一無二の家族の母親が亡くなったばかりなのに…
クリスマスの日に大柄な騎士達がぞろぞろと訪ねてくるなんて……ピュリニーネはもう我慢出来ず目からボロボロと涙をこぼす。
「!?ち、違います!!!少し話を聞いて頂きたく……」
騎士
「話??今……?」
ピュリニーネ
騎士達は青ざめてオロオロとしている。
「今だと……何か問題ありますでしょうか?あ、すみません…私は不審な騎士ではありません。ルミネール公爵家からの…使いでルミネール公爵家の騎士団長をしています、サンス.ロトーと言う者です。…もう15年もずっとお嬢様を探していたんです」
サンス
「お嬢様が…誰なのかしらないけど…15年もお疲れ様です。でも…ついさっきお母様が亡くなったばかりなんです……」グスン
ピュリニーネ
「お母様って!?まさか!!マリシア様!!ちょっと失礼致します」
サンス
バタバタ バタバタ
サンスが突然お母様の近くに…
そして…一粒涙をポロッと…
「マリシア様……お体が弱かったのに…どうして失踪なんてしたんですか…私は貴女の護衛騎士だったのに……。失踪なんてしなくてもピュリニーネ様を旦那様や奥様と共に……慈しんで生活出来たでしょうに」ポロポロ
サンス
え………お母様って貴族かな?って思ってはいたけど…まさか公爵家だったの???なのになんでこんなに極貧生活って…もしかして私を未婚で身ごもったから??
お母様は綺麗な金髪に私と同じスミレの色の瞳。ということは
私のお父様はプラチナシルバーよね……。
騎士団長さんは、涙をぬぐうと騎士達に色々指示をしてお母様を運んでいる。
「お嬢様お名前を伺っても?」
サンス
「ピュリニーネ……」
名前を言うと騎士団長は笑顔になり手を差し伸べる。つい…無意識に手を差し伸べてしまった……。
「さっ、貴女のお祖父様、お祖母様、叔父上達や従兄弟達がお待ちです」ニコッ
サンス
「………歓迎されるのかしら…」
ピュリニーネ
お母様が失踪をした原因の私……
孫とはいえ…大切な娘を不幸にさせた原因の孫を許せるだろうか。ピュリニーネは不安に苛まれる。
「何も心配いらないですよ、ピュリニーネ様はとても愛されておられます」ニコッ
そ……そうなのかな……
不安なまま亡くなったお母様の遺体を他の馬車の中に安置して公爵家に向かうのだった。
ガシャン
さっきまでベットで目をあけていたお母様が……顔は横を向き目を瞑り、手はベットからだらんと落ちている。
バタバタ バタバタ
「お母様!!ってお母さん!!お母さん!!嘘でしょ!!起きてよ!!!前みたいにきちんとお母様と言いなさい!と小言を言ってよ!!」
どんなに大声をあげても…揺すっても…お母さんは目を覚まさない。前世の記憶で心臓の音や脈を見ても……もう。
ピュリニーネの大きなスミレの色のような青い瞳からポロポロと大粒の涙が溢れる。
「うわぁぁぁん、お母さん~!私を一人にしないでよぉ…」
部屋にはピュリニーネがクリスマスだから奮発して作った朝食のいい匂いだけがする。
トントン トントン
「ぐす……だれよ…こんな時に……」
涙を拭って扉を開けると………
目の前には大柄な騎士達………
「なっ!?なんですか!!こんな時に………私は何もしていません!!」
ピュリニーネ
ただでさえ唯一無二の家族の母親が亡くなったばかりなのに…
クリスマスの日に大柄な騎士達がぞろぞろと訪ねてくるなんて……ピュリニーネはもう我慢出来ず目からボロボロと涙をこぼす。
「!?ち、違います!!!少し話を聞いて頂きたく……」
騎士
「話??今……?」
ピュリニーネ
騎士達は青ざめてオロオロとしている。
「今だと……何か問題ありますでしょうか?あ、すみません…私は不審な騎士ではありません。ルミネール公爵家からの…使いでルミネール公爵家の騎士団長をしています、サンス.ロトーと言う者です。…もう15年もずっとお嬢様を探していたんです」
サンス
「お嬢様が…誰なのかしらないけど…15年もお疲れ様です。でも…ついさっきお母様が亡くなったばかりなんです……」グスン
ピュリニーネ
「お母様って!?まさか!!マリシア様!!ちょっと失礼致します」
サンス
バタバタ バタバタ
サンスが突然お母様の近くに…
そして…一粒涙をポロッと…
「マリシア様……お体が弱かったのに…どうして失踪なんてしたんですか…私は貴女の護衛騎士だったのに……。失踪なんてしなくてもピュリニーネ様を旦那様や奥様と共に……慈しんで生活出来たでしょうに」ポロポロ
サンス
え………お母様って貴族かな?って思ってはいたけど…まさか公爵家だったの???なのになんでこんなに極貧生活って…もしかして私を未婚で身ごもったから??
お母様は綺麗な金髪に私と同じスミレの色の瞳。ということは
私のお父様はプラチナシルバーよね……。
騎士団長さんは、涙をぬぐうと騎士達に色々指示をしてお母様を運んでいる。
「お嬢様お名前を伺っても?」
サンス
「ピュリニーネ……」
名前を言うと騎士団長は笑顔になり手を差し伸べる。つい…無意識に手を差し伸べてしまった……。
「さっ、貴女のお祖父様、お祖母様、叔父上達や従兄弟達がお待ちです」ニコッ
サンス
「………歓迎されるのかしら…」
ピュリニーネ
お母様が失踪をした原因の私……
孫とはいえ…大切な娘を不幸にさせた原因の孫を許せるだろうか。ピュリニーネは不安に苛まれる。
「何も心配いらないですよ、ピュリニーネ様はとても愛されておられます」ニコッ
そ……そうなのかな……
不安なまま亡くなったお母様の遺体を他の馬車の中に安置して公爵家に向かうのだった。
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