141 / 697
パーティNO,2
しおりを挟む
ミオルSide
「殿下!!もうパーティーは始まっておられるのですよ!!いいのですか??」
ミオルの専属侍従が先程から心配で何度も話しかける。
「いいんだ……どうせ…嫌われているし…」
「はあ??どうしてそう思うのです?」
「上からな感じが嫌だと…言われているんだ…婚約申請も断られた…」
「はぁ~殿下は本当に不器用ですよね…まるで…小さな子が好きな子を構う延長のようです」
「だ、だって!!!緊張するとつい…心にもない事を言ってしまうんだ…」
「なんとまぁ………」
「もういいんだ!!無理なんだよ!!!」
ミオルは頭まで掛け布団をかけてもぐってしまった…。
もぐら状態である。
こうなるとどうにもならない…。
小さな頃からそうである。
普段は賢いし、優秀でレオルと引けを取らないのに……。どうしてこう…
不器用なのか……心根はお優しいのに
「ううっ……ティアナ……」
布団の中で泣いている………
「殿下、泣いても何も始まりません。大体…婚約の申請とは、その前にプロポーズなりしたのですか?」
「プロポーズ???」
「まさか……何もせずに…一方的に紙だけ送り付けたのですか?」
「そうだけど……なんか駄目だったのか?」
「………………ダメダメですよ…」
「なっ!?」
「そや、断られますって…ましてや、あの姫君ですから…他国の王家にとっても今や高嶺の花なのですよ……あの容姿、天才的頭脳、商才……性格の良さ………。なのに…紙だけ申請って…」
「なっ………俺は………」
「プロポーズから…やり直しですよ殿下…」
ミオルは顔が真っ青になった。
「それに、部屋でグズグズしているなら少しでも姫様に…お話など…したほうが良いかと……」
侍従の言うことは最もだった…。
「分かった………少しだけでも行く…」
ぱあぁぁと侍従の顔が笑顔になる。
「はい!!ではお支度を致しましょうね!」
テキパキとミオルの支度をしていく。
その頃ティアナside
「ティア…その…」
「なに?レオル」
「あの…」
「なに??」
「もし、ミオルが来てダンスを、頼んだら…一曲だけでも相手をしてあげて貰えないかな…と」
「………………」
明らかに嫌な顔をするティアナ…
「なぁ、ティアナ」
「ん?何シュウ」
「あいつは、口下手で緊張するとさ思っていない事をいうやつなんだよ」
「そのようね」
「でもさ、いいやつなんだ…あいつ。賢いし、優秀でさ…」
「だから??」
「嫌いなのは分かるけど、人間良いところもある筈だろ?そや悪いやつとか人を貶めるような最低なやつは関わらない方がいいが」
「そうね」
「ミオルは、本当はいいやつなんだよ…だから生徒会長におしたんだ…」
「ふ~ん」
「少しだけでもいいから…その…あいつの挽回するチャンスを与えてあげられないか?」
なんなの…レオルもシュウも……
イライラする……。
「だから、なんでそれを外野が言うのよ?おかしいでしょ??挽回のチャンスも何も本人が動くべきでしょう!!!なんでなんでもかんでも周りがお膳立てするのよ!ミオル殿下自身が!!私の所へ来て挽回のチャンスを願うべきでしょ!!」
「………それが出来ないやつもいるんだよ…ティアナ…」
「ええ…」
「なら、そこまでという事でしょ?」
「厳しいな……ほんと」
「ティアナは自分にも厳しいからね…」
「大体……私は苦手なのよ……挽回のチャンスも何も……関わりたくないの」
「だよな……うん」
「そうだよな……」
あーーー!イライラする。
なんでせっかくのパーティなのに!!
むむぅ!!
「もう!誰かと踊ってくる!付いてこないでよね!」
なんなのシュウもレオルも!!
ティアナはプンスカ怒りながらホールに戻った。
「ティア、踊って頂けますか?」
「ええ、シオン踊りましょ」ニコッ
ティアナとシオン二人の華麗な美しいダンスを見ながら……あぁ…ティアナは今日はもう自分たちの方には来ないだろうなと…シュウとレオルは
深いため息をついた。
ティアナにとってミオルはある意味地雷なような物だとは分かっている…
が……。なんとかしてあげたくなる…
あの不器用な弟の為に。
もう少しでシオンとのダンスが終わりになるところで……
「ティアナ姫、姫と踊る栄誉を私に与えてはくれませんか?」
手を差し出したのは、まさかの…
「……………ええ、喜んで」
ミオルだった。ティアナはミオルの手を取り音楽に合わせて踊りだした。
「踊りながら…聞いてください…その…返事はいらないので…」
「ええ…」
「学園での失礼な数々…本当にすみませんでした。私は緊張すると…心にもない事を言ってしまう癖が…幼少期からぬけず…」
「…………………」
「父上達にも直すようにと言われてはいるのですが…なかなか…その…直らず…すみません…本当に」
「………………」
「私は…その…ティアナ姫のことが…ずっと前からお慕いしていました。学園で一緒に過ごせるのを楽しみにしていたんです…なのに…その…兄上に…だしぬかれて……その…面白くなく…子供じみた事を致してしまいました」
「ずっと前から??」
「はい、幼少期に…一度お茶会でお会いしたことがありまして…その頃からです」
「まあ……」
ティアナもびっくりである。
そんな一途な人だったなんて…
一度や二度の印象で嫌いになり、
避けていた自分が幼稚で恥ずかしくなった……。
「あの……努力致しますので…挽回のチャンスを頂けないでしょうか…」
「……………ええ、分かりました」ニコッ
私も……本当は謝らないとだけど…。
「ありがとうございます!!」
ぱあぁぁと笑顔になる。
「私の方こそ…その…色々…ごめんなさい…」
「いえ、姫君が謝る必要は…」
「ふふ、王位継承はあるけれど、
ティアナかティアでお願いできますか?ミオル殿下の方が王太子様なので」クスクス
「あっ、はい!!」
一言一言で笑顔になる……この人…
本来はこういう人だったのね。
私も頑なになりすぎたわ…反省しないと……。
それを見ていた、シュウとレオルは
ミオルの頑張りに、少し涙目になっていた……。
「殿下!!もうパーティーは始まっておられるのですよ!!いいのですか??」
ミオルの専属侍従が先程から心配で何度も話しかける。
「いいんだ……どうせ…嫌われているし…」
「はあ??どうしてそう思うのです?」
「上からな感じが嫌だと…言われているんだ…婚約申請も断られた…」
「はぁ~殿下は本当に不器用ですよね…まるで…小さな子が好きな子を構う延長のようです」
「だ、だって!!!緊張するとつい…心にもない事を言ってしまうんだ…」
「なんとまぁ………」
「もういいんだ!!無理なんだよ!!!」
ミオルは頭まで掛け布団をかけてもぐってしまった…。
もぐら状態である。
こうなるとどうにもならない…。
小さな頃からそうである。
普段は賢いし、優秀でレオルと引けを取らないのに……。どうしてこう…
不器用なのか……心根はお優しいのに
「ううっ……ティアナ……」
布団の中で泣いている………
「殿下、泣いても何も始まりません。大体…婚約の申請とは、その前にプロポーズなりしたのですか?」
「プロポーズ???」
「まさか……何もせずに…一方的に紙だけ送り付けたのですか?」
「そうだけど……なんか駄目だったのか?」
「………………ダメダメですよ…」
「なっ!?」
「そや、断られますって…ましてや、あの姫君ですから…他国の王家にとっても今や高嶺の花なのですよ……あの容姿、天才的頭脳、商才……性格の良さ………。なのに…紙だけ申請って…」
「なっ………俺は………」
「プロポーズから…やり直しですよ殿下…」
ミオルは顔が真っ青になった。
「それに、部屋でグズグズしているなら少しでも姫様に…お話など…したほうが良いかと……」
侍従の言うことは最もだった…。
「分かった………少しだけでも行く…」
ぱあぁぁと侍従の顔が笑顔になる。
「はい!!ではお支度を致しましょうね!」
テキパキとミオルの支度をしていく。
その頃ティアナside
「ティア…その…」
「なに?レオル」
「あの…」
「なに??」
「もし、ミオルが来てダンスを、頼んだら…一曲だけでも相手をしてあげて貰えないかな…と」
「………………」
明らかに嫌な顔をするティアナ…
「なぁ、ティアナ」
「ん?何シュウ」
「あいつは、口下手で緊張するとさ思っていない事をいうやつなんだよ」
「そのようね」
「でもさ、いいやつなんだ…あいつ。賢いし、優秀でさ…」
「だから??」
「嫌いなのは分かるけど、人間良いところもある筈だろ?そや悪いやつとか人を貶めるような最低なやつは関わらない方がいいが」
「そうね」
「ミオルは、本当はいいやつなんだよ…だから生徒会長におしたんだ…」
「ふ~ん」
「少しだけでもいいから…その…あいつの挽回するチャンスを与えてあげられないか?」
なんなの…レオルもシュウも……
イライラする……。
「だから、なんでそれを外野が言うのよ?おかしいでしょ??挽回のチャンスも何も本人が動くべきでしょう!!!なんでなんでもかんでも周りがお膳立てするのよ!ミオル殿下自身が!!私の所へ来て挽回のチャンスを願うべきでしょ!!」
「………それが出来ないやつもいるんだよ…ティアナ…」
「ええ…」
「なら、そこまでという事でしょ?」
「厳しいな……ほんと」
「ティアナは自分にも厳しいからね…」
「大体……私は苦手なのよ……挽回のチャンスも何も……関わりたくないの」
「だよな……うん」
「そうだよな……」
あーーー!イライラする。
なんでせっかくのパーティなのに!!
むむぅ!!
「もう!誰かと踊ってくる!付いてこないでよね!」
なんなのシュウもレオルも!!
ティアナはプンスカ怒りながらホールに戻った。
「ティア、踊って頂けますか?」
「ええ、シオン踊りましょ」ニコッ
ティアナとシオン二人の華麗な美しいダンスを見ながら……あぁ…ティアナは今日はもう自分たちの方には来ないだろうなと…シュウとレオルは
深いため息をついた。
ティアナにとってミオルはある意味地雷なような物だとは分かっている…
が……。なんとかしてあげたくなる…
あの不器用な弟の為に。
もう少しでシオンとのダンスが終わりになるところで……
「ティアナ姫、姫と踊る栄誉を私に与えてはくれませんか?」
手を差し出したのは、まさかの…
「……………ええ、喜んで」
ミオルだった。ティアナはミオルの手を取り音楽に合わせて踊りだした。
「踊りながら…聞いてください…その…返事はいらないので…」
「ええ…」
「学園での失礼な数々…本当にすみませんでした。私は緊張すると…心にもない事を言ってしまう癖が…幼少期からぬけず…」
「…………………」
「父上達にも直すようにと言われてはいるのですが…なかなか…その…直らず…すみません…本当に」
「………………」
「私は…その…ティアナ姫のことが…ずっと前からお慕いしていました。学園で一緒に過ごせるのを楽しみにしていたんです…なのに…その…兄上に…だしぬかれて……その…面白くなく…子供じみた事を致してしまいました」
「ずっと前から??」
「はい、幼少期に…一度お茶会でお会いしたことがありまして…その頃からです」
「まあ……」
ティアナもびっくりである。
そんな一途な人だったなんて…
一度や二度の印象で嫌いになり、
避けていた自分が幼稚で恥ずかしくなった……。
「あの……努力致しますので…挽回のチャンスを頂けないでしょうか…」
「……………ええ、分かりました」ニコッ
私も……本当は謝らないとだけど…。
「ありがとうございます!!」
ぱあぁぁと笑顔になる。
「私の方こそ…その…色々…ごめんなさい…」
「いえ、姫君が謝る必要は…」
「ふふ、王位継承はあるけれど、
ティアナかティアでお願いできますか?ミオル殿下の方が王太子様なので」クスクス
「あっ、はい!!」
一言一言で笑顔になる……この人…
本来はこういう人だったのね。
私も頑なになりすぎたわ…反省しないと……。
それを見ていた、シュウとレオルは
ミオルの頑張りに、少し涙目になっていた……。
63
お気に入りに追加
2,618
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
異世界は『一妻多夫制』!?溺愛にすら免疫がない私にたくさんの夫は無理です!?
すずなり。
恋愛
ひょんなことから異世界で赤ちゃんに生まれ変わった私。
一人の男の人に拾われて育ててもらうけど・・・成人するくらいから回りがなんだかおかしなことに・・・。
「俺とデートしない?」
「僕と一緒にいようよ。」
「俺だけがお前を守れる。」
(なんでそんなことを私にばっかり言うの!?)
そんなことを思ってる時、父親である『シャガ』が口を開いた。
「何言ってんだ?この世界は男が多くて女が少ない。たくさん子供を産んでもらうために、何人とでも結婚していいんだぞ?」
「・・・・へ!?」
『一妻多夫制』の世界で私はどうなるの!?
※お話は全て想像の世界になります。現実世界とはなんの関係もありません。
※誤字脱字・表現不足は重々承知しております。日々精進いたしますのでご容赦ください。
ただただ暇つぶしに楽しんでいただけると幸いです。すずなり。

妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
皇帝の番~2度目の人生謳歌します!~
saku
恋愛
竜人族が治める国で、生まれたルミエールは前世の記憶を持っていた。
前世では、一国の姫として生まれた。両親に愛されずに育った。
国が戦で負けた後、敵だった竜人に自分の番だと言われ。遠く離れたこの国へと連れてこられ、婚約したのだ……。
自分に優しく接してくれる婚約者を、直ぐに大好きになった。その婚約者は、竜人族が治めている帝国の皇帝だった。
幸せな日々が続くと思っていたある日、婚約者である皇帝と一人の令嬢との密会を噂で知ってしまい、裏切られた悲しさでどんどんと痩せ細り死んでしまった……。
自分が死んでしまった後、婚約者である皇帝は何十年もの間深い眠りについていると知った。
前世の記憶を持っているルミエールが、皇帝が眠っている王都に足を踏み入れた時、止まっていた歯車が動き出す……。
※小説家になろう様でも公開しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる