転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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こっ、こっこれは…

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翌朝、シュウースとイオが学園に戻るためにティアナを待っていた。
そして、それを見送るべく婚約者達とその父母達が待ち構えていた。

ティアナは、ビアンカに支度をして貰いたい
ロビーに行くと…沢山の人だかりについ…
一本下がりたくなってしまう…。

なんとか…皆様に挨拶をかわして、馬車に3人で乗り込むと、イオに紙袋を手渡された。

「イオなにこれ?」

「これさ、今国で流行りらしいんだよ、一口食べてみて」

ん?これ…見覚えが……

ポリ……

ティアナは目を見開く…
それは盛大に…

「ちょっとまだ、出発しないで!!!」
馬車の扉を乱雑に開けラサムを呼ぶ、何事かとラサムがティアナの方にいくと、思いっきり何かを口に放り込まれた。

ん?モグモグ モグモグ

え……これって………


「「ゴボウのかりん糖!!ゴマ付きの響介印!!!!」」

まわりは…何を言ってるのか理解できず…
呆然としている。

「やっぱりそうよね、これ」


「ああ、あいつのかりん糖だな…」


「ねぇ…イオこれ売ってる人って見たことある?」

「あるぜ、フクロウの獣人だ」

フクロウと聞くなり、ティアナとラサムは
お腹を抱えて笑い出す……。
周りは益々混乱していった…

「あいつ…どんだけフクロウ好きなんだよ」

「ついに…自身がフクロウになったのね執念ってすごいわね…」

そう…響介は、大のフクロウマニアだった…。本物のフクロウもそうだし、フクロウの小物、フクロウのぬいぐるみ、本…
ありとあらゆるフクロウを集めていた。

そして、かりん糖はあいつの趣味…
色んな野菜をかりん糖にしていた。

そんな会話を聞いていてシオンが気が付いたようだ。

「また転生者か?」

「「そうみたい、しかも私達の幼なじみなの」」

「すごいな…それは」

「次はフクロウの婚約者か?」

「「それは100%ない!!」」

「なんでそう言い切れるんだ??」
イオが不思議そうに聞く。

「それは、響介は同性が好きなのよ」

「ああ、かわいい系の男が好きだと断言してたよな」

「可愛系の獣人の男を恋人にしてるんじゃないかしら?」

「小動物系だろうな」

ラサムとティアナはうんうんと納得しながら
話す。

「ということで、これからイオとラサムと
アニーマル王国のかりん糖屋さんに行ってきます!!なので、学校は休みで!!」

約束通り行き先を伝えた…

「どうせ止めても行くんだろうな、分かったよお前ら二人欠席にしておく」

「ありがとう!!シュウース!」

「ありがとうございます先生」

「どなたか…父に伝言をお願いします」


「ああ、ラサム伝えておくよ」
ルイが答えてくれた。

「じゃ、3人で手を繋いで!」

「おう」

「はいよ」

「フルール」

パッ


「すげー、一瞬だった…」

「さすがだな…」

街に飛んだみたい。
見渡す限り獣人がいっぱい!!

「もふもふパラダイス!!!!」

ティアナは目がらんらんである。

そこにイオが頭にチョップをした

「いた…なにするのよ!」

 「当所の目的をわすれるなよ、目が獲物を狙う目になってたぞ…」クスクス


「えーだってモフりたい……」

「後で獣化してやるから…落ち着け…」

ティアナの目がキランと光る

「え!!!約束ね!!約束!!!わぁ嬉しい」

「イオ、ファイト…」

「ラサム…がんばるよ…耐える」

ぞろぞろとフクロウのかりん糖屋さんに行く

すると、可愛いフクロウの看板が立っていた

店内に入ると、沢山のフクロウの置物と
色々な種類のかりん糖が売っていた。

「響介くーーーーん、あーそーびーまーしょー!!!!!」

突然馬鹿でかい声でティアナが話しだした…。

イオはぎょっとするが…ラサムは普段通りだ…。

「うるせーな!!咲良!!!いつもいつも声がでかいんだよ!!!!って……え!?」

白いフクロウの獣人が目を白黒させてる。

「みーつけた!」ティアナが叫んだフクロウの方を指さした。

「ああ、あいつだな。あいつが一番好きだった白フクロウだ」クスクス


「なっ…お前…咲良なのか?」

「そうよ?はいこれあげる!私のヒット商品よ。うちの商店で独占販売だからご贔屓に」

響介にお煎餅の瓶とチョコレート、飴を渡した。

「うおおおおおお、煎餅!!!飴!!チョコレート!?」

「そうよ?錬金で作ったの」

「その、煎餅お前が一番すきだったやつだな」

「さっきから…きになってたんだが…お前はもしかして…蓮なのか?」


「ん?そうだけど」

響介の大きな瞳から涙がポロポロと溢れる


「咲良~蓮~あいだがっだぁ…」


「相変わらずすぐ泣くのね」

「泣き虫健在」

「その返しもなつかじぃ…」

「はいはい、ほら顔を拭きなさいよ…しょうがないわね」

「ありがどぉ」

「で?可愛い同性の恋人はどこにいるのよ」
キョロキョロ

「うさぎとかりすか?」

キョロキョロ

「今の俺は異性愛者だ!!」

「ほう~」

「へぇ~」

「番できたの??」

「いや…それは…まだ…」

「私なんてどう?」

「ないな…違う…匂いがしない」

「あーーー!!!良かったぁ!!!響介が
相手とかほんとに無理!!!」

「ちょ…お前…失礼じゃねー!!」

「響介どんまい」ポンと肩を叩くラサム

実は響介ずっと咲良すきだったのにね~。

前世も現世も鈍いのは健在なんだよ…

すると…響介がスタスタとティアナに近づき…ちゅっとキスをしてから、首筋を舐めて
匂いを…嗅ぐ。

「なっ、なっ、なっ、何してるのよ!!変態!!」

「あ、匂いするわ…甘い花の匂い」

「「「え!!!!」」」

「フクロウ種はさ、少し匂いに鈍くてね、自分の体液を相手につけると匂いを感じ取れるんだ、お前番だわ」クスクス

「えーーーーーー!!!!響介が!!!」

「良かったな響介…長い片思いが報われたな…」

その一言を聞くとみるみるうちに首まで
赤くなる響介…


「え、うっそ…だって…同性って…」

「実はうそなんだよね、こいつ咲良好きなのに素直になれなくてさ」クスクス

「それは…」イオが残念な人を見る目で響介を見る…。

「王子殿下…そんな残念な物を見るような目で見ないでください…」

「す、すまんつい…」

「本当に番なの??」

「ああ、番だな」

「……………分かった…認める。きっと…神様がまた3人で過ごせるようにしてくれたのね…」

「咲良…ありがとう」

「しっかし…益々サイフォンどうするんだよこれ…」

「ん?イオ、サイフォンが何?どうしたの??」

あーー…これもうどうすっかなー

「帰ったら…サイフォンを連れて話そうか…」

「分かったわ」

「なぁ、フクロウ。番認識したなら離れて暮らせないだろ?どうする?」

「実は…俺は転移魔法が使えるので…仕事だけ転移して出勤します」

「あら!私と同じね」

「転生者規格外すぎねぇ?」

「いや…俺は至って普通だ…」

ラサムが肩を落とす……。

「ラサム…ドンマイ?」

「響介…」

「さ、じゃぁ戻ろうか、とりあえず響介くん?抜けて屋敷にこれる?」

「はい、副店長に頼んできます。というか屋敷???」

「ああ、この姫様は、ストーン国の王位継承もちで、王弟が父親、筆頭公爵家の嫡子だ。まだまだ驚くことはあるが…とりあえずこれだけ話す」

「なっなっ………めちゃくちゃ高位貴族というか…王族!?」

「一応な…公爵家だが…姫様だな…。ラサムは父親違いの兄だぞ。」


「兄妹!!?婚約者なのか?」

「「そう」」

「すげーーー異世界満喫してるなお前ら」

「なぜに…他人事…」

「お前も婚約者になったろ?…」

「ハッ!!そうだった…」

イオはお腹を抱えて笑う

「おもしれー響介」クスクス

「あ、響介何歳?」

「ん?17」

「うわーずるっ成人してるよ」

「ラサムは?」

「16になったこの前」

「!!!?聞いてない!!!」

「言ってないというか、島にいていなかったろ?」

「………ごめん」


「咲良は?」

「聞いて驚けぴちぴちの10歳!あと数日で11歳!」

「………先がながっ…」

「わかる…」

「ああ…」

男3名遠い眼差しである。

「さ、帰りましょ?響介かりん糖欲しい、
普通のやつね!はいお金」
ポンと銀貨一枚出す。

「おい…銀貨って買い占める気か?」

「今お客様いないし、買い占めてお店を閉めたらうちに来やすいでしょ?」

「ああ…分かった…」

響介は全てをそれぞれ袋に詰めてティアナに渡すとそれをみるみるうちにマジックバックに入れた。

「響介、こいつは規格外だから…気にしていたらきりが無いぞ」
イオが響介にアドバイス?をする。

「ああ…分かった…」

「響介にも後でマジックバックあげるからね」

「…ありがとう」

今度は4人で手を繋ぎ転移をして、また
屋敷の皆を驚かせるのであった。



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