転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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バケーションラスト

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今日は、夕方まで島で遊んでから帰ることとなった。
ひとしきり、海を満喫してから先にカリンを転移で学園に送り、その後一度アクアーリル様と共に屋敷に戻った。

「「「「「ティア!!!」」」」」

「「ティアナ!!!」」

うわ…お祖父様もいる…。

え?!あれって竜王様と……隣にいる方は王妃様…!?
なっ……なんでこんな大事に!?

え?!イオに似ているあの…イケオジぽい…耳がある方とお隣の美しい猫耳の方は…
イオのご両親!?ということは王様と王妃様…!!なにこの…王族達の集合。
やだ…逃げたい……。
と思っているとパッと手をイオに掴まれる。

「ティア今逃げようと思ったよね?」ニコッ

やば…瞳が笑ってない……。

「ハイ……すみません」

それぞれのご両親達と挨拶を終え…
お父様とお母様にこってりしぼられ…

婚約者達にも怒られ……。
ひたすら平謝りをしたティアナ。

最終的には、ティアナを大人しくさせておくことは難しいと判断したから、何処かに行くときは必ず行き先を話してからという…約束を交わした。

そして、最後にアクアーリル様を紹介し
王族大集合+精霊王と天使含めた婚約者達との晩餐会になったのだった。

ちっとも食べた気がしなかったわ…。

全て終わり、部屋で紅茶を飲んでいると
イオが訪ねてきた。

「ティア、お疲れ~」

「イオ!!」

パタパタとイオに寄り添う。

「本当に心配したんだぞ」

「ごめんなさい…あのね、五大精霊王様の加護を頂いたからわりの無敵なのよ私。災害系や事故は100%無敵なの…ただ、ナイフとか剣とか武器は無理だけど。魔法も五大要素が殆どだからきかないみたい」

「すげぇな…でもお前は規格外なんだかさ、攫われたりしたら洒落にならないだろ?」

「うん…」

「魔法封じされて、手足縛られたら逃げられないぞ」

「ゔ…こわい…」

「だろう?だからさっきの約束は守ってな。大事な番なんだから…」
頭を撫でられる。

「ねぇ…番を寿命じゃなく亡くすとどうなるの?」

「狂う事が多いかな…。廃人になるやつが多いと聞く」

「寿命だとならないの?」

「ならないな…天命だからな」

「そうなんだ…」

番がいる獣人さんや竜人さんて大変なのね…

ぎゅううっ…とイオに抱きつく。

「本当にごめんなさい」

「ああ…」
ぎゅっとイオにかえされる。

「そう言えばあまり匂いがしない」
クンクン クンクン

「お前は雰囲気もあったんもんじゃないな」
クスクス

「なんで匂いがないの??」

「ああ、成人したからコントロール出来るようになったんだよ、セドみたいにな」

「そうなんだ、あの匂い好きなのに」

「ぐっ…番契約が済んだら沢山嗅がせてやるよ」

「うん!!早く成人したいなぁ~」

「あと、4年だな」

「長いよね~」

「そうか?この一年もわりとあっという間に過ぎたぞ」

確かに…もうじき私の誕生日だし…。

一年早いな……。

「あと、4年でどんな婚約者達が現れるかだな」クスクス

「…………そうだね…」

「ま、多分優秀でいい人ばっかりだから安心しろよな」
ポンポンと頭を叩く。

「うん…」

まさか、アクアーリル様が婚約者になるとは思わなかったな~。。

「そう言えば、セザール先生に酔っ払って
チュウしてぇ~と上目遣いでねだったらしいな」

「!?なんでそれを…」

「レオルが見て固まって止められなかったと話してたぞ」

「くっ…レオル余計なことを…」

「なっ、俺にも上目遣いでチュウしてと
言ってみろよ」

「なっ、なっ、むっ、むり!!」

かあぁぁぁぁと顔が赤くなる。

「心配かけたんだからそのくらいいいだろ?ほらほら」

もぉ~なにこれ~。。

しょうがなく…赤くなりながらも、上目遣いでイオにチュウしてと言うと、イオは顔面を手で覆いながらも、ふっと手を離しティアナに口づけた。

チュッ

「もぉ~絶対しない…二度と…」

「え~かわいいのに、あ~あ早くここを噛みたいよ」

首筋をつんと指で弾く

「番契約って噛むんだっけ?」

「ああ」

「今噛んだら駄目なの?」

「噛むにはしなきゃならない儀式みたいな物があんだよ」クスクス

「へぇ~~」

前世も恋愛にうんと疎かったティアナは
さっぱり想像もつかなかった…。
まぁ…ずっと蓮に片思いだったものね…

「さて、ティアを補充したし戻るかな、セドも来ると思うし」

「そうなの?」

「番契約をする前は多少なら離れても大丈夫だけど、弱るだろ?」

「あ…そうだった…」

「じゃあな」チュッ
おでこにキスを落としてからイオは戻って行った。ティアナがあげた指輪をちゃんと薬指にはめていた事にティアナは嬉しくて顔がニヤけるのだった。

トントン

「はーい」

「ティア…心配かけてまったく…」

「セド…ごめんなさい…」

セドからティアナにぎゅううっ…と抱きつき
唇にキスをした。
最後に唇をペロッと舐められてびっくりしたけど…

「貴女は私の命なのですよ?先程の約束はきちんと守ってくださいね…」
セドの瞳が揺れている。

「うん…もう心配かけないようにする…」

「はい」
頭を撫でられる。

「セドのお母様ってとても綺麗な方ね」

「そうかな?ティアの方が美しいけどね」
そういうことをしれっと言うから困る…

「竜ってそれぞれ色が違うの?」

「ん?そうだよ、俺は緑竜だね、髪の毛の色で分かるよ」

「なるほど~」

「どうして?」

「精霊王様たちの加護で、水竜、火竜、土竜、風竜、緑竜との相性が良くなると書いてあったの」

「!?」

「だから、セドとも益々相性が良くなるということよね」ニコッ

「そうだね、ティアは竜王国はあまり行かなくていいかもね…」

「なんで??」

「いや…別に…」

婚約者が沢山出来るのはいいけれど…
同じ竜人は…ちょっと複雑な心境だ。

そもそも本来番とは一対一だし…
束縛したい種なんだ……。
お願いします創世神様…竜人は私一人でお願い致します…。

特に…兄とか…やめてください……。

セドには、一人まだ番が見つかっていない兄が一人いる。
その兄はとても立派で誰しもを魅力する
火竜だ。

でも…嫌な予感しかしない…。

セドはこの兄を心から尊敬して、大好きな兄だが、正直少し劣等感を持っていた。
どうせなら、私も火竜とか風竜のような
派手で力強い竜に生まれたかったとずっと
子供の頃は思っていた。

「ねぇ、セド?」

「はい…」

「たとえ、かりに他の竜人の人と婚約したとしても、セドは一人きりだし、私はセドの事大切で大好きだよ?」
たまに、ティアナは鋭い所をついてくる。

「ティア……」

「セドには、沢山良いところがあるんだからもっと自分に自信を持ってね。私の大好きな人だから」

「ティア…ありがとう」

セドは、ティアナのこの言葉でずっと大好きな兄と自分を比べていた自分から卒業出来そうな予感がした。

本当にありがとうティア……。

「あ!そうだ、セドこれあげるよ」

マジックバックからお煎餅大の瓶を取り出してセドに渡す。

「これ、お煎餅というんだけど、美味しいから食べてみて!なんとなくセドは好きな気がする」ニコッ

「ありがとう、部屋に戻ったらゆっくり頂くよ」

「うん!」


セドは、ティアナのおでこにちゅっとキスをすると自分の部屋に戻っていった。


セドは、部屋のソファーに座ると自分でお茶を入れてお煎餅を1つ食べてみた。
パリン

「美味しい……確かにこの味は私好みだな。さすがティア」

ティアは、まだ10歳なのに、たまに私より
洞察力があって、大人っぽいところがあるんですよね。

美味しいな……パリン パリン

バタバタ バタバタ

バン

「セドナ!!あ!?なんか一人だけ美味しそうなのたべているわ!」

「おや、本当だ」

…………この二人は……

「母様、父様…ノックはマナーですよ。まったく…」

「いいじゃない親子なんだから」

パリン

「あ!父様勝手に!!私がティアから貰ったんですよ!!」

「こんなに沢山あるんだからいいだろ、ってうまいなこれ」

「あら、私も」

続けて母様もお煎餅を手に取り食べる。

「あら、本当、とても美味しいわ!!竜人が好きな味ねこれ」

「ええ、ティアが私好みの味だと思うとくれたんですよ!!」

「あの子洞察力すごいわよね~可愛いし、
美しさと凛とする品もあって、行動力も
知識も魔力も天才並みで、そして、婚約者の中には天使と精霊王すごいわよね」

「ええ」

「そんな彼女の婚約者に選ばれた貴方も凄いのよ?神様の導きなら意味があるもの」

確かに……でも…

「長命になるから選ばれた可能性もあります」

「あら~おっかしい」クスクス

「なっ、何を笑っているんですか?」

「番がいない竜人族の男は沢山いるのよ?女性が少ないのだから。その中で貴方が選ばれた、この意味を理解しないと駄目よ。いつまでも兄の影に隠れるのはおやめなさい?貴方は本来とても優秀なのよ、貴方が自覚していないだけ。知識ならあの兄よりも遥かに貴方は上をいっているのよ」

「え……それは本当ですか?」

母様と父様は顔を見合わせ笑う。

「本当よ、嘘ついてなんの得があるのよ」

「本当だ」

その言葉を聞いた途端初めて両親の前で
ポロポロと涙をこぼした。

「うっ……」

「あらあら…まぁまぁ…もっと早く話してあげたら良かったわ…ごめんなさいね」

お母様がセドナを抱きしめる。

「私は…ずっと緑竜に劣等感を…」
ポロポロ

「ん?緑竜の何が嫌なんだ???」

「父様は、水で、兄様は火で、
母様は…風なのに…私は…地味な緑竜で…」


「そんな…誤解を……お前の専属教師は降格だな…何を教えて貰ったらそんな考えに…」

「あり得ないわね」
二人とも神妙な顔つきに…


「確かにロドリネスだよな…確かあれは…
第一王子派だったな」

「ああ…なるほどね…」

「いいか、よく聞けよ竜王初代国王はお前のような緑竜で、エメラルドグリーン種だ…。エメラルドグリーン種は…始祖と言われていて、歴代で一番の魔力、知能、聡明さを備えていて、昔はこのエメラルドグリーンを継承した者のみが国王を継ぐことを許された。次第にエメラルドグリーン種が生まれなくなり…それは廃止になったがな、そして…お前は…8000年ぶりに生まれた…エメラルドグリーン種だ…」


「!!!!!!!」


「ええ、だから貴方を国王に推す貴族や家臣が多いのよ」

「知らなかった………」

「まぁ、ティアナちゃんの第一夫にならないなら、ティアナちゃんの夫のまま国王も出来るんだし少し考えてみたら?」

母様…そんは…ちょっとやってみたら?みたいなのりで…

「良く考えてみろ、お前も第一夫になりたいんだろ?」

「ええ…なりたいです」

「ふふ、まっ、決まってからでも遅くないわよ!さっ貴方寝ましょ?」

「ああ、戻るか。じゃまたな」

「はい、ありがとうございました」

パタン


「………私が始祖のエメラルドグリーン種……」

1つ悩みが増えた…セドナだった。
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