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パーティー
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今日は、長いプラチナシルバーの美しい髪を
横一つに長く編み込み、所々にダイヤのヘアーピンの様な飾りを散りばめられた。
「お嬢様完成でございます!」
「わぁ~すごいわね」
「ええ、お嬢様の美しさが更に輝いてみえますね」
「ありがとう、ビアンカ。行ってくるわ」
「行ってらっしゃいませ」
ビアンカはお辞儀をする。
「レオル準備が終わったわ」
ティアナを見るとレオルは赤面で一瞬固まっていた。
「ティア…すごい破壊力…いや美しいね」
「ふふっ、ありがとう」
レオルの腕に手を添えて馬車の方に向うと、
その間にセドやシオンがいた。
「おおお、ティア綺麗だな」
「ティアとても美しいですよ、楽しんできて下さいね」
「ありがとう、あらエヴァンジェルは?」
キョロキョロ見てもエヴァンジェルはいない
「エヴァンジェルは、今天界に里帰り中です」
「なんか届け物がどうとかいってたぞ」
ああ…この前渡したアレね!
「分かったわ!多分この前渡したヘアクリームとかね」
「あー、ティアから貰った美容用品はかなり喜ばれるな」
「ああ…うちの母上も…すごい飛び付きだった…」
男性3名なぜか苦笑している。
「さ、行こうか」
「ええ」
二人は見送られ馬車で王宮に向かった。
「何事もないといいですがね」
「ああ…ティアがいる場所に何事もないなんてことはないと思うけどな」苦笑
見送りながらも婚約者2名は次は何がおこるのか…と思案していた。
イオは王宮パーティーの事は頭から抜け
もはやカリンとティアナのキャンプの事で頭がいっぱいになっていた……。
平和なのは本人だけである。
その頃馬車の中では……
「いいかい、ティア変な人にはついて行ってはいけないよ」
「ええ」
「これあげるとか言われてもだよ」
「ええ」
「何か探しているけど一緒に探してくれないかと言われても探しては駄目だよ」
「なぜ?」
「狙いはティアだからだよ。部屋に連れ込まれるかつれさられるおそれがある」
「分かったわ…」
「そういう時は使用人や周りの見知っている大人に頼むんだよ」
「うん」
「俺も挨拶とか…時たま離れる時があるかもしれないからね」
「うん」
「まぁ、父上や叔父上もいるからあと叔母上もいるだろうし」
「お母様もお父様も宰相と王宮魔術師顧問のお仕事としてだものね」
「そうだね。んー心配だなぁ」
「とりあえず美味しいもの食べているわ」
「なるべく人が沢山いるところにいて」
「レオルは心配性ね」クスクス
レオルは深いため息をついた…。
まぁ…なんとかなるか……。
影もいるだろうし公爵家の…。
「着きましたよお姫様お手をどうぞ」ニコッ
「ありがとう」
レオルの手に添えて馬車を下り、城内のパーティー会場に入る。
誰か会場内に入るときにアナウンスが入る
「レオル.ストーン第一王子殿下並びにティアナ.ロゼ.ローゼリア様ご入場です」
アナウンスと同時に扉が開けられる。
もう会場内には沢山のきらびやかなドレスやタキシード、騎士服様々な方達が来ていた。
「兄上!!」
パタパタと近づいてくる。この声……
ゲッ!!!!ミオル!!!
「ミオル、エスコート相手を置いてきては駄目だろ…」
「大丈夫ですよ、一言行ってきましたから」
ふとティアナの顔をレオルが見るとその表情にぎょっとする。
「ティア…よっぽどミオルが嫌いなんだな」クスクス
「なっ…兄上……」
「だって見てよこの顔、ティアがこんな表情するのなかなかないよ」クスクス
「まぁ、ごめんなさい。つい気持ちが顔に出てしまったようですわ」ニコッ
「ぶーーーっあははは、ミオルお前何したらこんなにティアに嫌われるんだ、ある意味すごいぞ!!」
「ううっ……」ミオルはガックリ肩を落としている。
「レオル殿下わたくしこの方がとても苦手なので、先にいっておりますわ」ニコッ
レオルに一言告げるとレオルの有無も聞かずに腕から手をするりと外し、スタスタと
行ったしまった…。
それを呆然と見る二人……。
「お前本当に何をしたんだ?」
「あ…あのその…」
なんとかおこしてしてしまった出来事をレオルに話すと…レオルは盛大なため息をついた。
「あー…お前は何をしているんだよ。不器用すぎるだろ。だいたいティアに惚れてどうするんだ、王太子を承諾したんだろ?」
「ええ……」
「まぁ…辞退した俺が強く言えた義理ではないが…本気なら父上に相談するなり、お祖父様に話すなり…なにより学園に通っているのだからなんとかティアに普通程度に話して貰えるように努力しろよ…」
「兄上~」ミオルは瞳をウルウルさせた。
「しょうがないやつだな…お前は。あのティアに嫌われるなんてよっぽどだぞ」
「面目ない……」
「まぁ…ティアが認めるならお前が婚約者になるのは認めるが……かなり難しいから努力しろよ…。じゃあな」
レオルはミオルの頭をポンポンとしてから
ティアを探しに行った。
まったく不器用な弟だな……。
「あれ?レオル」
声がする方に振り向くとマサーロとラサムがいた。
もちろん二人の婚約者もティアナだから二人はエスコートなしで来ている。
今日は第一王子であるレオルにエスコート役を譲ってくれたのだった。
「ティアはどうしたんだ?」
「ミオルが嫌で先に行ってしまったんだ」
「そんなに嫌われるなんてよっぽどだな」
マサーロの一言に頷きながらも
「ふむ、ティアならきっと美味しい料理の側だとおもうけど」
ラサムのこの一言でハッしたレオルは再び料理の方に向かった。
いた!!!
「ティア」
「ん?レオル、ちゃんとミオルを置いてきた?」
「ああ、置いてきたよ」クスクス
「なら良かったわ」
「ティア、そんなにミオルが嫌いなのか?」
「ええ、上から目線の勘違いヤローが嫌いなのですわ。もちろん両陛下にも話しましたわ
」
「ああ…なるほどな。あいつは素直になれない難儀な性格でな…あいつの言葉は全て逆さ言葉だと受け取ってもらえると嬉しい」
「なるほど…なるべく関わりたくないけれど、関わることがあったらそうさせてもらうわ」
ああ…ミオル…お前これは無理だぞ多分…
兄としてこれ以上ティアに何かフォローしたら俺まで嫌われそうだ…すまんミオル。
両陛下の挨拶も終わり、音楽が流れる。
第一ダンスは王太子とエスコートされている女性だ。
あの人…女性なのかしら??骨格が男性に見えるわ。
顔も見覚えが……。
「ティア不思議な顔をしているね」クスクス
「ええ」
「エスコートしているのは生徒会のメンバーで男性だろうな。」
「な、なるほど」
ミオルは…そっち方面なのか……
「一応兄として言っておくが、ミオルは異性恋愛者だぞ、同性には興味はない」クスクス
「あ、そう」
「さ、終わった次は俺達だ行こうか」
差し出された手に手を添えて、第2ダンスを
レオルと踊る。
王宮パーティーのダンスはまずは王太子、
その次から生まれた順に王子たちのダンスがスタートし、終わってから来客のダンスになる。
ホールの真ん中で二人で踊り、周囲から歓声があがる。
「ティアが美しいから歓声がすごいね」
「レオルのダンスが凄いからよ」クスクス
「やっぱり無自覚か」クスクス
ダンスが終わると二人で挨拶をしてから
ホールから抜ける。
「ふう~喉が乾いたわ」
「はいこれ、葡萄ジュース」
レオルがジュースをティアに渡し、
少し挨拶してくるからここから動かないようにね!と釘をさして去っていった。
ん、美味しい~!でも足りないわ…
どうしてこういうパーティーとかって注ぐ量が少ないのかしら…
キョロキョロと同じ葡萄ジュースを探していると同じ色の飲み物を見付けた。
あったわ!!
ティアナはジュースを手に取りグビグビと
飲んだ……が時すでに遅し。
あれ?顔が熱いわ…
「おい、ローゼリアお前それ…果実酒だぞ!?」
「ふえ?」目がとろんとしている。
「飲んだんだな…しかも全部…。」
「うわぁ、シュウースだぁ~」
「おまっ…下の名を…覚えてたのか…」
セザールは、名前を覚えて貰っていた事で
顔が赤面になってくる。
「あれぇ~シュウース顔があかぁい」クスクス
「この…酔っ払い…」
ひょいっとセザールがティアナを横に抱きかかえ少し休ませると使用人に言付けを頼み
貴族用の休憩室に向かう。
「シュウースぅ」
「ん?」
呼ばれたから顔を下げるとティアナに口づけをされた。
チュウ
「キス気持ちいいねぇ」
「つっ…この小悪魔…」
「もう一度ぉ~ねぇシュウースぅ」
「お前…俺の事好きなのか?」
「好きらよ?しらにゃいの?」首をコテンとする。
なんだ…この可愛さ…やばいな。
「早くぅチュウ~」ティアナは我慢できないとセザールの首元の服を引っ張り
キスをする。
どのくらいしていただろうか…一瞬だったのか…長かったのか…あまりの事でセザールは
頭が真っ白になっていた…。
ただ、ティアナからされた口づけが…
唇がとても柔らかくふにゃふにゃしていて…
理性が揺らぎそうな衝動にかられながらも
耐えた。
「なにしてるんだ!ティア!!!」
「ティアナ…お前…」
その場にレオルとローゼリア公爵が来てその
雰囲気は一変したからだ…。
「私、シュウースすきらの。だからシュウース私のなの!」
ぎゅゅゅっとセザールの首に抱きつく…
それを嬉しいと思っているセザールとああ…やっぱり…と思う2名の男達…。
ティアナ現る所に婚約者増える定義は確かなようだ…。
「すみません…公爵。その…」
「いい…皆まで言うな。分かっている。君もティアナと同じ気持ちでいいのかな?」
「ええ…教師でありながら…すみません」
「いい、慣れている」クスクス
「次はシュウースか~なるほどね」
何故か二人は冷静で納得している様子に
セザールは困惑していた。
「それにしても、もしかしてお酒を間違えてのんだのかな?」
「ああ…葡萄ジュースだと勘違いして果実酒を一気に飲みほしていた…」
「「ありがちな…」」
「では、後日君の家から婚約の打診をしてくれるかい?」
「はい!」
「ではシュウース、ティアを引き取るよ。
今日はもうだめだね。叔父上私は先にティアと屋敷に戻ります。父上には叔父上からお願い致します」
「ああ、兄上には話しておく。悪いがティアナを宜しく頼む」
「はい、じゃシュウースまたね~」
レオルは叔父に軽く頭を下げてから
片手でひらひらとシュウースに手を振り
公爵家の馬車に向かった…。
セザール改めシュウースはその姿を呆然と見送っていた…。
驚くくらい…話がスムーズに進んだからだ。
怒られるくらい覚悟していたのだが……。
「もうたべれにゃい」むにゃむにゃ
「まったく…呑気なお姫様だなもう…」
まぁ…シュウースで良かった。さすが創世神様の導き。
それに変なやつは強制的に近づけないのも
確かなようだな…。
さて…帰宅したら婚約者達にも話さないとな…。
横一つに長く編み込み、所々にダイヤのヘアーピンの様な飾りを散りばめられた。
「お嬢様完成でございます!」
「わぁ~すごいわね」
「ええ、お嬢様の美しさが更に輝いてみえますね」
「ありがとう、ビアンカ。行ってくるわ」
「行ってらっしゃいませ」
ビアンカはお辞儀をする。
「レオル準備が終わったわ」
ティアナを見るとレオルは赤面で一瞬固まっていた。
「ティア…すごい破壊力…いや美しいね」
「ふふっ、ありがとう」
レオルの腕に手を添えて馬車の方に向うと、
その間にセドやシオンがいた。
「おおお、ティア綺麗だな」
「ティアとても美しいですよ、楽しんできて下さいね」
「ありがとう、あらエヴァンジェルは?」
キョロキョロ見てもエヴァンジェルはいない
「エヴァンジェルは、今天界に里帰り中です」
「なんか届け物がどうとかいってたぞ」
ああ…この前渡したアレね!
「分かったわ!多分この前渡したヘアクリームとかね」
「あー、ティアから貰った美容用品はかなり喜ばれるな」
「ああ…うちの母上も…すごい飛び付きだった…」
男性3名なぜか苦笑している。
「さ、行こうか」
「ええ」
二人は見送られ馬車で王宮に向かった。
「何事もないといいですがね」
「ああ…ティアがいる場所に何事もないなんてことはないと思うけどな」苦笑
見送りながらも婚約者2名は次は何がおこるのか…と思案していた。
イオは王宮パーティーの事は頭から抜け
もはやカリンとティアナのキャンプの事で頭がいっぱいになっていた……。
平和なのは本人だけである。
その頃馬車の中では……
「いいかい、ティア変な人にはついて行ってはいけないよ」
「ええ」
「これあげるとか言われてもだよ」
「ええ」
「何か探しているけど一緒に探してくれないかと言われても探しては駄目だよ」
「なぜ?」
「狙いはティアだからだよ。部屋に連れ込まれるかつれさられるおそれがある」
「分かったわ…」
「そういう時は使用人や周りの見知っている大人に頼むんだよ」
「うん」
「俺も挨拶とか…時たま離れる時があるかもしれないからね」
「うん」
「まぁ、父上や叔父上もいるからあと叔母上もいるだろうし」
「お母様もお父様も宰相と王宮魔術師顧問のお仕事としてだものね」
「そうだね。んー心配だなぁ」
「とりあえず美味しいもの食べているわ」
「なるべく人が沢山いるところにいて」
「レオルは心配性ね」クスクス
レオルは深いため息をついた…。
まぁ…なんとかなるか……。
影もいるだろうし公爵家の…。
「着きましたよお姫様お手をどうぞ」ニコッ
「ありがとう」
レオルの手に添えて馬車を下り、城内のパーティー会場に入る。
誰か会場内に入るときにアナウンスが入る
「レオル.ストーン第一王子殿下並びにティアナ.ロゼ.ローゼリア様ご入場です」
アナウンスと同時に扉が開けられる。
もう会場内には沢山のきらびやかなドレスやタキシード、騎士服様々な方達が来ていた。
「兄上!!」
パタパタと近づいてくる。この声……
ゲッ!!!!ミオル!!!
「ミオル、エスコート相手を置いてきては駄目だろ…」
「大丈夫ですよ、一言行ってきましたから」
ふとティアナの顔をレオルが見るとその表情にぎょっとする。
「ティア…よっぽどミオルが嫌いなんだな」クスクス
「なっ…兄上……」
「だって見てよこの顔、ティアがこんな表情するのなかなかないよ」クスクス
「まぁ、ごめんなさい。つい気持ちが顔に出てしまったようですわ」ニコッ
「ぶーーーっあははは、ミオルお前何したらこんなにティアに嫌われるんだ、ある意味すごいぞ!!」
「ううっ……」ミオルはガックリ肩を落としている。
「レオル殿下わたくしこの方がとても苦手なので、先にいっておりますわ」ニコッ
レオルに一言告げるとレオルの有無も聞かずに腕から手をするりと外し、スタスタと
行ったしまった…。
それを呆然と見る二人……。
「お前本当に何をしたんだ?」
「あ…あのその…」
なんとかおこしてしてしまった出来事をレオルに話すと…レオルは盛大なため息をついた。
「あー…お前は何をしているんだよ。不器用すぎるだろ。だいたいティアに惚れてどうするんだ、王太子を承諾したんだろ?」
「ええ……」
「まぁ…辞退した俺が強く言えた義理ではないが…本気なら父上に相談するなり、お祖父様に話すなり…なにより学園に通っているのだからなんとかティアに普通程度に話して貰えるように努力しろよ…」
「兄上~」ミオルは瞳をウルウルさせた。
「しょうがないやつだな…お前は。あのティアに嫌われるなんてよっぽどだぞ」
「面目ない……」
「まぁ…ティアが認めるならお前が婚約者になるのは認めるが……かなり難しいから努力しろよ…。じゃあな」
レオルはミオルの頭をポンポンとしてから
ティアを探しに行った。
まったく不器用な弟だな……。
「あれ?レオル」
声がする方に振り向くとマサーロとラサムがいた。
もちろん二人の婚約者もティアナだから二人はエスコートなしで来ている。
今日は第一王子であるレオルにエスコート役を譲ってくれたのだった。
「ティアはどうしたんだ?」
「ミオルが嫌で先に行ってしまったんだ」
「そんなに嫌われるなんてよっぽどだな」
マサーロの一言に頷きながらも
「ふむ、ティアならきっと美味しい料理の側だとおもうけど」
ラサムのこの一言でハッしたレオルは再び料理の方に向かった。
いた!!!
「ティア」
「ん?レオル、ちゃんとミオルを置いてきた?」
「ああ、置いてきたよ」クスクス
「なら良かったわ」
「ティア、そんなにミオルが嫌いなのか?」
「ええ、上から目線の勘違いヤローが嫌いなのですわ。もちろん両陛下にも話しましたわ
」
「ああ…なるほどな。あいつは素直になれない難儀な性格でな…あいつの言葉は全て逆さ言葉だと受け取ってもらえると嬉しい」
「なるほど…なるべく関わりたくないけれど、関わることがあったらそうさせてもらうわ」
ああ…ミオル…お前これは無理だぞ多分…
兄としてこれ以上ティアに何かフォローしたら俺まで嫌われそうだ…すまんミオル。
両陛下の挨拶も終わり、音楽が流れる。
第一ダンスは王太子とエスコートされている女性だ。
あの人…女性なのかしら??骨格が男性に見えるわ。
顔も見覚えが……。
「ティア不思議な顔をしているね」クスクス
「ええ」
「エスコートしているのは生徒会のメンバーで男性だろうな。」
「な、なるほど」
ミオルは…そっち方面なのか……
「一応兄として言っておくが、ミオルは異性恋愛者だぞ、同性には興味はない」クスクス
「あ、そう」
「さ、終わった次は俺達だ行こうか」
差し出された手に手を添えて、第2ダンスを
レオルと踊る。
王宮パーティーのダンスはまずは王太子、
その次から生まれた順に王子たちのダンスがスタートし、終わってから来客のダンスになる。
ホールの真ん中で二人で踊り、周囲から歓声があがる。
「ティアが美しいから歓声がすごいね」
「レオルのダンスが凄いからよ」クスクス
「やっぱり無自覚か」クスクス
ダンスが終わると二人で挨拶をしてから
ホールから抜ける。
「ふう~喉が乾いたわ」
「はいこれ、葡萄ジュース」
レオルがジュースをティアに渡し、
少し挨拶してくるからここから動かないようにね!と釘をさして去っていった。
ん、美味しい~!でも足りないわ…
どうしてこういうパーティーとかって注ぐ量が少ないのかしら…
キョロキョロと同じ葡萄ジュースを探していると同じ色の飲み物を見付けた。
あったわ!!
ティアナはジュースを手に取りグビグビと
飲んだ……が時すでに遅し。
あれ?顔が熱いわ…
「おい、ローゼリアお前それ…果実酒だぞ!?」
「ふえ?」目がとろんとしている。
「飲んだんだな…しかも全部…。」
「うわぁ、シュウースだぁ~」
「おまっ…下の名を…覚えてたのか…」
セザールは、名前を覚えて貰っていた事で
顔が赤面になってくる。
「あれぇ~シュウース顔があかぁい」クスクス
「この…酔っ払い…」
ひょいっとセザールがティアナを横に抱きかかえ少し休ませると使用人に言付けを頼み
貴族用の休憩室に向かう。
「シュウースぅ」
「ん?」
呼ばれたから顔を下げるとティアナに口づけをされた。
チュウ
「キス気持ちいいねぇ」
「つっ…この小悪魔…」
「もう一度ぉ~ねぇシュウースぅ」
「お前…俺の事好きなのか?」
「好きらよ?しらにゃいの?」首をコテンとする。
なんだ…この可愛さ…やばいな。
「早くぅチュウ~」ティアナは我慢できないとセザールの首元の服を引っ張り
キスをする。
どのくらいしていただろうか…一瞬だったのか…長かったのか…あまりの事でセザールは
頭が真っ白になっていた…。
ただ、ティアナからされた口づけが…
唇がとても柔らかくふにゃふにゃしていて…
理性が揺らぎそうな衝動にかられながらも
耐えた。
「なにしてるんだ!ティア!!!」
「ティアナ…お前…」
その場にレオルとローゼリア公爵が来てその
雰囲気は一変したからだ…。
「私、シュウースすきらの。だからシュウース私のなの!」
ぎゅゅゅっとセザールの首に抱きつく…
それを嬉しいと思っているセザールとああ…やっぱり…と思う2名の男達…。
ティアナ現る所に婚約者増える定義は確かなようだ…。
「すみません…公爵。その…」
「いい…皆まで言うな。分かっている。君もティアナと同じ気持ちでいいのかな?」
「ええ…教師でありながら…すみません」
「いい、慣れている」クスクス
「次はシュウースか~なるほどね」
何故か二人は冷静で納得している様子に
セザールは困惑していた。
「それにしても、もしかしてお酒を間違えてのんだのかな?」
「ああ…葡萄ジュースだと勘違いして果実酒を一気に飲みほしていた…」
「「ありがちな…」」
「では、後日君の家から婚約の打診をしてくれるかい?」
「はい!」
「ではシュウース、ティアを引き取るよ。
今日はもうだめだね。叔父上私は先にティアと屋敷に戻ります。父上には叔父上からお願い致します」
「ああ、兄上には話しておく。悪いがティアナを宜しく頼む」
「はい、じゃシュウースまたね~」
レオルは叔父に軽く頭を下げてから
片手でひらひらとシュウースに手を振り
公爵家の馬車に向かった…。
セザール改めシュウースはその姿を呆然と見送っていた…。
驚くくらい…話がスムーズに進んだからだ。
怒られるくらい覚悟していたのだが……。
「もうたべれにゃい」むにゃむにゃ
「まったく…呑気なお姫様だなもう…」
まぁ…シュウースで良かった。さすが創世神様の導き。
それに変なやつは強制的に近づけないのも
確かなようだな…。
さて…帰宅したら婚約者達にも話さないとな…。
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