転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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実家に帰る

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翌朝二人の男達の手厚い看病のおかげで
すっかり元気になったティアナは二人にお礼をいいとりあえず部屋に戻った。

全然昨日のイオの匂いを嗅いだところから記憶が曖昧……。
でも、なんかうっすら唇に柔らかい物があたった記憶は実はある。
あれは、イオだったんだろうか?それとも
サイフォン??
顔がぼやけていて思い出せない。

今朝起きてから、イオから番でまだ私が成人前だから、番酔をおこしたことを聞いた。
イオと番なんだ……すごく嬉しいと思っている自分に驚いている。

今日は、実家に帰る日だ、昨日の件で急遽イオも一緒に行くことになった。

侍従のパンくんも。
カリンは、実家に戻る用事ができたらしく
今回はパス。とても残念がっていた

久しぶりにセドとシオン、レオルと会えるなぁ~楽しみ。
婚約者が増えることを聞いたらどういうリアクションするかしら……。

トントン
「どうぞ~」

「お嬢様馬車のご用意が整いました。イオ様も下でお待ちになっております」

「はい、今行きます!」

ドアから出るとカリンとちょうど同時だった。
「あ、カリン!今回は残念だけど、次の帰省は一緒にうちに泊まりましょ?」

「うん!是非!」

「カリン、もし実家で嫌な事があったらすぐうちに来て!!カリンが家に帰ると聞いたから一応心配でビアンカに家に帰ってもらっているの」

「え!?お姉様が!!?それはとても嬉しいわ。多分今回の帰省は婚約解消の件だと思うの。ティア何か聞いてる?」
あ、そうだ……。 カリンの婚約解消はどうなったのかしら…。

「ごめん、ちょっと今時間ある?」

「ええ、大丈夫よ、ティアこそ大丈夫なの?イオ待っているのでしょう?」

「大丈夫よ、ちょっと待ってね」
ティアナはポケットから魔導フォンを取り出してお父様にかける。
トゥルルルルル トゥルルルル

「はい、ティアナ?どうした??これから帰ってくるのだろう?」

「ええ、それはそうなのですが、カリンの婚約解消の件はどうなってらっしゃるのか聞きたくて」

「あぁ、ごめんいい忘れていたね。あれは兄上に話したらティアの親友なのにけしからんって、王命使って解消させていたよ」

なんと!?王命きた!?
ライちゃんありがとう!!

「ありがとうお父様、これでカリンが安心して帰宅できますわ」

「ああ、ビアンカももう家にいると思うし、カリンさんに何かすれば、王家が介入するだろうから大丈夫なはずだ」

「ふふっ、ありがとうございます。また改めてライちゃんにお礼を伝えますわ」

「ああ、そうしてやってくれ。では家で待っているぞ。気をつけて帰ってくるように」

「はい、お父様失礼致します」
カチャン

「叔父様が王命でカリンの婚約解消をしてくれたみたいよ、あと家でもしカリンに対して酷いことをした場合王家が介入するから大丈夫だって」

ん??カリンが唖然としてる??

「ティ」
ティ?

「ティアー!!?本当に本当にありがとう」
カリンは涙もろいなぁ、もう。
「ほら涙を拭いて、はいこれハンカチ」

「ありがとうグスン」

「このハンカチはカリンの為に刺繍したからそのまま持っていてね」

「ティア大好き!!!!」ぎゅぅぅっと
カリンが抱きつく。

「じゃ、みんな待ってるし行こう?」

「うん!」

下に降りて馬車の待機所に行くと、
沢山の色んな家の家紋が入った馬車が所狭しと並んでいた。

「ティア~こっちこっち!!」
あ、イオ!!

「じゃ、カリンまたね!!何かあったら必ず連絡をして!絶対よ!」
ティアナはカリンの手を取り念を押す。
「うん、連絡するわ」

「じゃぁ、またね良い週末を」

「うん、ティアもね」

カリンと挨拶をしてイオのもとに急いだ。

「ごめんなさい、カリンの事が心配で」

「ああ、確かになぁ。でもあいつは案外しっかりしているし大丈夫だろ?俺のティアと違ってな」
イオは馬車に乗るティアナに手を差し伸べている。その手をティアナは取り馬車に乗った

「ありがとう」

「どう致しまして、俺のティア」

!?俺の…… ティア??
かあぁぁぁ。一気に顔が赤くなる

「もぉー!!10歳の子供をからかわないで!」
プイっと窓の方を向くとイオが顔に手を添えてほっぺたにキスを落とした。

「からかう訳ないだろ?俺の大事な番で俺のお姫様なんだからな」

「まだ子供なのが恨めしい…。」

なんか、イオの目がとても優しい。
番だと意識すると自然とかわるとセドも言ってたっけ。

「アハハ、早く大人になってしまったら楽しみがなくなるよ。俺の側でゆっくり大人になって」ニコ

「ゔっ……。  ハイ」

なんか、イオが違いすぎて調子狂うんですけど!!!
誰かたすけてぇ~!!!

サイフォンの方を見ると、ニコッと微笑まれた。なにその笑顔!!!!
サイフォンの顔を見てもドキドキするし、
なにこれ!!
私って惚れっぽいの?!
これが、創世神様が話してた特典的なやつ?!
すぐ、お互い惹かれる的な後からつけたやつ!?
もぉー。心臓に悪いよぉ…どうしようこれ。

左にはイオが、前方にはサイフォンとパンくん。

もう無理、よしまだ家まで遠いし寝たふりしてしまおう。ん、それがいい。

そう思って目を閉じているといつの間にか寝ていた。

「ティア寝たのか」サイフォンはティアナを自分の肩によりかける。

「ところで、1つはっきりさせたい事があってね」

「どうしたんです?イオ」パンが首を傾げた。

「サイフォンさん、貴方絶対ティアに好意あるよね?なんで隠してるんです?」

「え!?そうなんですか?!」パンが驚いている。
サイフォンは、顔を青くした。

「自分では隠しているつもりでも、全然隠れてませんよ?クスクス」

「そ、そんな…」
否定をしないという事は肯定という事だが。
それにすら動揺して気が付いていない。

「多分気が付いていないのは、ティアとそこのにぶいパンくらいかなと。ティアのお父上とか皆さんも気が付いていると思いますよ」

ますます顔が青くなるサイフォン
それでも、イオはやめない。

「気が付いているのに、ティアから離さないという事はそういう事だと思うのですが、いい加減貴方もそれに気がついたらどうですか?」

「………………。気が付いてどうしろと?この方の婚約者の方達は全て王族なのですよ。俺なんて入る隙間なんて少しもないんだよ」
サイフォンは、少し苛立ちながら、話し出す。普段のサイフォンの口調じゃないようだ

「ハハッ、その口調が貴方の素なのですね。隙間がないと誰が決めたんですか?もう一度言いますが、ティアの父上は気が付いていて、貴方を専属護衛のままにしているんでよ。その意味わかるでしょ?」

「俺にどうしろと?」

「ティアがサイフォンさんに、惹かれているのは前からバレバレでさ。ティアいわく創世神様の粋な計らいで創世神様がティアの為に男を選んで、その男と出会うとお互い惹かれるらしいんだよね。で、多分俺もそれなんだと思うし、サイフォンさんもそうだと思うわけ」

「創世神様から選ばれた…?」

「そう。だからティアを守るためにさっさとこっちサイドにきてほしいんだよね。本当はティアを独り占めしたいけど無理だし。創世神様が選んだという事は必ず意味があるだろうしね」

「…………。 分かりました。善処します。」


「そ?なら良かったよ」

そんな話になっているとは夢にも思わず
ティアはスヤスヤ眠っている。

「俺のお姫様、着くまでゆっくりお休み」
チュッ
イオはティアの頭に軽くキスを落とし、
窓の外を見つめる。

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