転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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俺の番

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薬を飲ませて貰ったティアナは今はスヤスヤ寝息をたてていた。
もちろん同じ部屋にサイフォンも今日はいる。
番とはいえ、まだ婚約前二人で一晩過ごすわけにはいかない。
そもそもまだ10歳の子供にどうこうできないし、したいとも思わない……。

きっと竜人の婚約者も俺と同じ気持ちだろうな。
可愛くて可愛くて愛しくて守りたい。成長を楽しみに見守っている感じだ。

トントン
「開いてるよ」
カチャ

「ティアはどうです?」

「熱は微熱のようだな。少し水は飲ませたが」

「これを飲ませて下さい。番酔薬です。人間に飲ませていいのか一応確認をとっていたら遅くなりました。すみません」

なんだ、てっきり父上に報告しているのかと思ったら…… 。 さすがだなパン

「ありがとう、さすがだなパン」

「お礼などどうでもいいですから早く飲ませてあげて下さい。とても苦しそうです」

「ティア、薬だそ、飲もう」

「うーん」

「だめか、もうろうとしているな……」
イオは薬を自分の口の中に入れると水と共に
ティアに口移しで飲ませた。

コクン

「よし、これでいい。おい今のはティアには言うなよ」

「はいはい、分かりました。今のは、医療行為なので大丈夫ですよ。セーフです」

「ああ…その通りだな。俺は今日はそこのソファーで寝る。サイフォンもそこのソファーを使ってくれ」

「ありがとうございます」

「では、私はこれで失礼致します」
パタン

サイフォンside
医療行為とはいえ、口づけを初めてなさったのはイオ様か……。他の婚約者の方達にはとてもじゃないが言えないな。
考えただけでぞっとする。

もしかしたらイオ様が第一夫になるのだろうか。
ティアナお嬢様のご様子を見ていると、イオ様にとても惹かれているようにお見受けできる。もちろん他の婚約者の方達にもティアナお嬢様は好意をみせてはいるが、それでもイオ様に対しての態度などを見ていると、とても微笑ましく、まるで初恋かのような風に見えるのだ。
そんなイオ様が正直羨ましい自分がいることにここ数日で気が付いて驚いている。
俺はティアナお嬢様に惹かれているのだろうか?
しかし、ティアナお嬢様の婚約者の方たちは今のところ全て他国や自国の王族ばかりだ…。俺がそこに入れるのだろうか?
いや、とてもじゃないが無理だろう。自信がない。この淡い気持ちはしばらく自分の胸に納めておく事にしておこう。

「ティア、早く薬が効いてくれるといいが」

イオがティアのおでこのタオルをまた冷やし頭にのせる。

ああ…長い夜だな。
今日は俺もイオ様も眠れなさそうだな。


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