転生幼女の愛され公爵令嬢

兄達の心情

俺はティアの兄、マサーロという者だ。
今は騎士団に所属している。
父は第一騎士団の団長、第一騎士団は花形と言われる精鋭揃いで作られている部隊だ。
俺はまだ第三部隊。
俺には学園に入る前からの幼なじみがいた。
学園に入ってからもずっと一緒だった、親友。
それが…妹に会わせたら…あれよあれよと俺を差し置いて権力を酷使して婚約してしまったんだ。
俺はずっとティアをそれはそれはお姫様のように大切に大切に、いつかティアに選んで貰えるように側にいたんだ。それなのに。
あいつは横から…。
許せるわけがないだろう？
どうしたら許せると？
ラサムは俺に大人げないというが、これは
大人げないとかそういうレベルの物ではないのだよ。
しかし、ルイ父上がまだ第一夫は決めていないよ。お前が努力をし、ティアが受入れたなら喜んで受け入れてくださると言ってくださった。だから、俺はティアに今会わずに、騎士団の中でのし上がってティアに相応しくなるんだ。
もちろん会えないのは寂しいけど。
とりあえず第三部隊の騎士副団長を目指そうと思う。
今三番手だから時期になれるだろう。

あー。レオルの事を考えると本当に頭にくる。なんであの時連れて行ったんだ。
俺はなんて浅はかだったんだ。あんなに可愛い天使のようなティアなんだからレオルが惚れてもおかしくないのに…。
どの令嬢にも見向きもしなかった…レオルだから大丈夫だと…
俺は本当に大馬鹿者だな…。

ティアはあと一月で学園に入る。
なかなか会えなくなるのも丁度いいのかもしれないな。
その間に自分を磨けるから。


-----------------------------------------------------------------------
俺はラサム、ティアの兄で、マサーロ兄上の弟だ。

俺はマサーロ兄上と違って、ティアを可愛くて天使だとは思っているけど、恋愛感情はない。大切な妹なだけだ。
だって、俺には忘れられない大切な人がいるのだから…。
誰にも話した事はないけれど、俺には小さな頃から前世の記憶がある。
俺は地球の日本という島国にいた高校生だった。俺にはずっと幼なじみで大好きだった
1つ年下の女の子がいたんだ。うちは父子家庭だったから、料理が大好きな彼女はよく料理をもってきてくれたんだ。今でもあの味は忘れられない。
ああ…会いたいな咲良…。
あの子は幸せにしているのだろうか…。
ああ…そうだ、俺の前世の名前は
冬木　蓮（ふゆき　れん）というものだった。