転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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ルイとシオン

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「シオン殿下こちらにどうぞ。」

「はい、失礼致します」

メイドがお茶の用意をして部屋から出ていく。
「昨日はティアナが大変お世話になりました。皆で駆けずり回り探しておりましたので殿下からの連絡で大変安心致しました。」

「いえ、私はティアナ姫に会えてとても幸運でした。」
ルイはとても渋い表情をしている。
あの指輪の意味を考えれば、渋い表情になるのも分かる。
「あの…ティアナの指にはめてあった指輪はやはり…そういった事ですよね?」

「フフッ、海でずっと一緒にいて欲しいとティアナ姫に告げたら頷いてくれたんだ」

「はぁぁぁぁぁ。」ルイは肩を落とす…。
やはり…虫が…。

「あの…オーシャン王国の両陛下はご納得されているのですか?」
「もちろんしているよ。会食の時に指輪を見ているし。こんなに可愛いくて聡明な姫を
義娘にできるなんてととても喜んでいた。」
「そ…そうですか…。」
隣国の両陛下が…。これはとてもじゃないが
断れないな…。腹をくくるしかないか…。
しかし、これを認めたら…確実に兄上がレオルとの婚約をゴリ押ししてくるだろうな…。

「わかりました。では後ほど婚約の書類を両陛下から頂いてからということで宜しいですか?」

「ええ、宜しくお願い致します」ペコリ

「ティアナを守ってあげてください。」
「我が身にかえましても、お守り致します。」

「では、会食までお部屋でゆっくりとなさってください。シオン殿下をお部屋に案内してくれ。」
「かしこまりました。」

シオンは、ルイに頭を下げて挨拶をしてから
部屋を後にした。

あー。やっぱりこうなったか…。
しかし、ティアナの周りは竜王国の王子。
隣国の王子。
そして、レオル。
どの王子もとても聡明で、民からの信頼もあついものばかり。これは…創世神様の導きなのか…。
そうとしか考えられない…。まだ5歳だというのに。
こうなったらもう、とてもじゃないが兄上からのレオルの婚約を断れない。
5歳にして…三人の婚約者か…。
マサーロの入る隙間なんてなさそうだな(笑)
ルイは苦笑いしながらそんなことを思っていた。
しかし、サイフォンの機嫌を気にしての家出だったのだろう??
もしかしてサイフォンがティアナの初恋なのか?
初恋ならば、父が応援してあげたいが…。
悩ましいな…。
まぁ、学園に行く頃には自覚してるだろうな。それまで様子をみるか。
ティアナに貰った飴を口に入れて再び執務に戻るのだった。
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