転生幼女の愛され公爵令嬢

meimei

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竜王国

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「お母様?」
目が覚めると隣にいたはずのお母様の姿がなかった。少し寂しかったけれど、昨夜はとても楽しかったからティアナはとても幸せに
包まれていた。

「お嬢様おはようございます。旦那様から後ほどお話があるそうです。まずはお着替えから致しましょう」

身支度を終えてお父様が待っている食堂に行くとそこにはお母様もいた。

お母様まだいらしたのね!
「お父様、お母様おはようございます」

「ティアおはよう」
「ティアナおはよう、お腹空いたでしょう?いただきましょう」

「はい」

「食べながらでいいから二人とも話を聞いてくれるかい?」
「ええ、お食事が不味くなるようなお話じゃないなら聞くわ」

「はい、お父様」

「多分不味くはならないとは思うのだが、昨日婚約が成立した。」

「あら、まだ会ってもいないのにずいぶんせっかちなのね」

「ああ、マリーナも番とはどういうものか分かるだろう?」
「ええ、もちろん存じてますわよ。竜王国に遠征も昔は行ったことあるもの」

「相手は竜王国の第二王子殿下だ。」

「ええ、それも聞いているわよティアナから」

「今日来るんだ。」

「え?」

「向こうは番認識していて、離れているから徐々に弱まっているらしいんだ。だから会ったらすぐにでもこの屋敷に住めるように会う前に婚約証を送ってきた。」

「なるほどね。」

「で、今日婚約証を国王に受理されて、今日到着なさるんだ。兄上がなかなか受理しなくて肝を冷やしたぞ。まったく。」

「あら、ライお義兄様がどうして?」

「ここでは言いづらい…。」

「お父様、私もう食べ終わったのであとはお二人でお話してください」

「ああ、ティアありがとう、婚約者殿が見えられるときにまた声をかけるよ」

「はい、分かりましたわ」

ティアナはシトリンと遊びに行った。

「それで?」

ルイは杖を一振りして遮音結界を発動させた。
「遮音するほどなのね。」

「ああ…。よりにもよって、マサーロがこの屋敷にレオルを連れてきたそうでね」

「仲いいみたいだものね」

「マサーロは騎士には向いているが頭はどうなんだ」

「ああ…なんともいえないわね。」

「ふむ…。でなその時ティアナに会って
雷に撃たれたようなひとめぼれをしたそうだ。」

「…………。メンドクサイわね。」

「だろう?」

二人とも深いため息をつく。

「父上がティアナは嫡子だし、レオルは第一王子だと話したらしいんだが」
「だが?」

「優秀な弟に王位は譲って、自分は臣籍降下して、第一夫になりたいと言ったあげく、よりにもよって兄上にまで宣言してくれたんだ。あの馬鹿者は…。」

「…………。でどうするの?」

「ティアナはまだ5歳だぞ。ありえないだろ?」

「ええそうね普通ならね」

「……。」
「でも、ライお兄様はあなたに対しては普通じゃないわよ?生粋のブラコンねあれは」

「本当に迷惑だ。」

「自分の息子とあなたの娘を結婚させたいでしょうねきっと。そこにレオルがひとめぼれですものね。とびつくわね。」

「………。はぁぁ。」
「でも、とりあえず番は必ず成立だからライお兄様もしぶしぶ承認したのね」

「まだ第一夫は未定と条件を出した上での承認だ。」

「しっかし、どうかしているわね、ティアナの気持ちは何ひとつ聞かれていないのよ?」

「そうだな。」
「いくらレオル殿下が好きでも、ティアナが好きにならない限り私は許可しないわよ?」

「ああ、それでいい。」

「本当に相変わらずの人達なのね。」

「……すまない。」

「あなたが謝る必要はないのよ。あなたは違うもの。マサーロには少しお仕置きが必要ね、うふふっ、久しぶりに魔法の特訓でもしようかしらね」

「程々にしてあげてくれ。あれは悪気はないんだ…。」

「ええ、分かっているわ。自分の首をしめていることに気がつくようにしないとね。あの子もティアナを好きなのだろうから」

「………。それも私は認めていないけどね。」

「ティアナも罪づくりな女ね、まだ5歳なのに」

「君には言われたくないと思うぞ。」

「ふふ、自覚はしているわ」

「さて、用意をしなくてはね。」
ルイはまた杖を振り遮音結界を解除した。



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