転生幼女の愛され公爵令嬢

竜人族

可愛らしいお客様が店を後にしてから、
私は店を早じまいし、店の椅子に座り
呆然としていた。

あの匂いは…………。

しかし、まだ小さい子供だろう？？

しかし、あの匂いは私の………。

はぁぁぁぁぁ。

運命を呪いたくなる。

精霊王の杖に選ばれし者か…。

私は竜人族の国の第２王子という立場にいる。王子の私がなぜ、ここで店をかまえているのかと言うのは、竜人族には、番（つがい）という運命の相手がいるのだ。
そう。世界に一人だけの相手。
獣人も同じだろう。
種族とわず、世界に一人だけの魂の半身の番がいるのだ。
しかも、生まれる年も年齢も不明なのだ…。

中にはどんなに長生きの竜人族でさえ、
生涯出会えない者もいるくらいだ。

かくゆう私も成人をすぎ、自分の番を探すためにここ、ローゼリア領の街にここ100年くらい店を構えている。

そして、先程…ついに出会えたのだが…。
まさかの幼児とわ…。
セドナは頭を抱えた。

しかし番を認識してしまったから、
もう本能が求めている。
番を認識すると、一定の空間、距離にいないと竜人族、獣人族は弱って死んでしまう。

これは、一度国に戻って父上に話をとおさないと。
死ぬまでに番を見つけられて幸せだが、
成就するまでの道のりを考えると、めまいがしそうになるセドナだった…。

顔を綺麗と言ってくれたのも多分番だから
だろうなぁ。
人族でも匂いは分からなくても本能で、
好意を持つ。
小さかったけど、可愛かった…美しい顔立ちの女の子だったなぁ。