転生幼女の愛され公爵令嬢

レオル視点

その日の朝はいつも騒がしい友がさらにうるさ…騒がしかった。

父違いの妹が５歳になり、鑑定の儀を迎えるようなのだ。

「ねーね！レオル聞いてる？！うちのティアはもうさ天使で女神なんだ！！見た目は天使で中身は女神なんだ！！その子が鑑定の儀なんだよ！！朝から心配で心配でさぁ」

「ああ…聞いている。マサーロ落ち着け。お前は妹の事になると馬鹿になるな…。」

バン…
「だってさ！ただでさえあんなに可愛いのにもしレアなスキルもちだったら…僕だけのティアじゃなくなるだろ！！夫の上限はないわけだし。ﾎﾞｿﾎﾞｿ」

「はぁ？お前はまだ５歳の妹に何を心配しているんだ。呆れるぞ。まさか…妹の夫候補になるつもりなのか？」

「そりゃティアが許してくれるならなりたいよ！！」
この世界では同父でなければ兄妹でも
結婚可能だ。女性が少ないのも理由のひとつである。
「そこまでか、まぁがんばれよ。」

マサーロと俺は学園に入る前から同じ魔法の師についていていわば幼なじみのようなものだ。
普段クールで人を寄せ付けないくせに
昔から妹の事になると馬鹿になる、残念なやつだ…。優秀なのだが…。

「ああ、がんばるよ。というか今日はお前もティアに会いにいくぞ」

「俺も？なんで？」
別に俺は用はないぞ…。

「ティアとレオルは従兄弟だろ？一度は会ってもいいと思うんだ。むしろなんで従兄弟なのに会ったことがないんだ？」

「それは考えたら分かるだろ？」

「ティアの父上か…。」

「ああ…そうだろうな。」
叔父上はティアナ嬢を溺愛しているのは
有名な話だ…。父上（国王）がティアナ嬢を
連れてこいといっても、完全拒否スルーらしい…（笑）
「叔父上はめったにティアナ嬢を外に連れ出さないだろ？まぁ５歳になったから会える機会も増えるだろがな。」
鑑定の儀を終えると…少しずつ社交も学ぶ為に増えてくる。

「よし！レオルいくぞ」

「だからなんで俺も…。」

「いいから、いいから！可愛いティアをレオルにも会わせたいし、鑑定の儀のお祝いも伝えたいんだ！」
ほらほら行くぞとグイグイ腕を引っ張る…。

はぁ～しようがないな…行くよ…。

俺はこのうるさい親友に付き合うことにしたのだが。
まさかあんな本当に天使のような子に会えるとは…。
叔父上と同じ色で空色の瞳。本当にゴールドの煌めきがあった…。
そしてあの顔立ち………。

俺は一目で恋に落ちたのだった…。５歳児に…。先はながそうだな…。

マサーロがうるさそうだが頑張ろう…。