転生お姫様の困ったお家事情

meimei

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シルビルの出産と式

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毎日、結婚式の準備で慌ただしく過ぎていき、シルビルの出産は式の前日だった。

「シルビル!!頑張って!!」

「はい、主様!主様のお子様を無事に産んでみせます!!」

「次で産まれますよ、魔力を流しますね」

ぱあぁぁぁっとシルビルから光が出てくる。

「ほぎゃぁ ほぎゃぁ ほぎゃぁ」

「こ、この子は…」

「どうかしたの??」

「陛下にその…そっくりで驚きました」

医師が御包みに包んだ赤ちゃんを
ララに抱かせた。

「まぁ、本当お父様にそっくりね、私は色はお父様で顔はお母様だけど、この子は色も顔立ちもお父様そっくり!狼なのに…獣の耳もないし、シルビルみたいに胸もない。私の血が濃くて人間なのかしら…」

「そうですね、人間のようですね」

「本当お父様に瓜二つだわ…将来が楽しみね」

バタバタバタバタ
バン

「「生まれたのか!!」」

「はい、お父様、お母様!」

両陛下が赤ちゃんを見ると驚いた顔をした。

「まぁ、この子は貴方にそっくりね」クスクス

「私にそっくりだな……私の子だと言っても周囲は疑わなさそうだな…」


「名前は決めたの?」

「いえ、まだです」

ん~名前か。どうしよう…


「私が決めてもいいかい?」

「お父様が?はい光栄ですわ」

「では、この子の名はラアトルとする、奴隷紋も消してやれ」

「はい」

ぱあぁぁぁっと奴隷紋を消した。

「お父様…この子をどうするつもりで??」

「我に似ているし、魔力も赤子なのにすごく高そうだ、目をかけてやろうと思ってな」

「そうですか、ありがとうございます」

シルビルに赤ちゃんを抱かせると
泣いて喜んだ。

「ラアトル幸せになるんですよ」

父であるシルビルがラアトルの
額にキスをした。

「ふふ、シルビルは父親なのだからこの子より立場は上でいてね、常に凛としていて。いつでも自由に会えるから」

「はい、ありがとうございます」


ラアトルを乳母が連れて行った。

「さ、今日はゆっくり体を休めてね」

「ララ、お前も明日は挙式だ、ゆっくり休め、朝から忙しいぞ…」

「そうよ、お肌のお手入れもこれから始まるのよ」

「はい、分かりました。ありがとうございます」ニコッ

3人でシルビルの部屋を後にした。


「しかし、狼獣人の子なのにあの子からは人間の血しか感じなかったな」

「ええ、そうでね」

「シルビルがそれを望んだのかもしれませんね、胸があり狼の集落では爪弾きにあって育った様なので」

「なるほどな…あの種族はなかなか難しいと聞くからかもしれんな…」

「難しいのですか?」

「ああ…上下の関係や序列などを特に重んじるらしい」

「そうなのですね…それではシルビルには生きづらいものだったのかもしれませんね…」

「ああ…」

「では、明日は楽しみにしている」

「楽しみにしているわね、ララちゃん」

「はい、お父様、お母様」
父、母に挨拶をしてから部屋に入った。すると……

「姫様!!!遅いですよ!!無事にお産まれになられたのですか?」

「ミリア、ええ王子よ、陛下にそっくりなの、陛下が名付けてくれたわ名前はラアトル」

「陛下がお付けに…とても名誉あるお名前ですね」

「ええ、そうね。魔力も高いみたいなのよ」

「そうですか、楽しみですね!」

「ええ、そうね」ふふ

「では!!気持ちを切り替えて明日の支度をはじめます!!」

「は、はい!!!」
 
ミリアに全身磨かれ……磨かれ……
磨かれ……。

夕食は…サラダとスープと…1つのパンだけ……。
ひもじい……。

なんとか…我慢して翌朝起きると……
すぐさま…磨かれ…磨かれ…磨かれ
準備、準備、準備………。

怒涛の半日を過ごしてようやく支度を終えて、ティアラをベールと共に頭につけて、クリスと共に教会に入る。ウエディングドレスは王族用のロングベールにロングドレス、
ダイヤがちりばめられており、歩く度にキラキラキラキラと光る

重たいのよ…このドレス……

平静を装いながら…クリスの手に添えてゆっくりゆっくり教会にはいっていく。
既に前列には婚約者達がそれぞれ立っている。
その後ろに夫たちが並んでいる。

夫だけれど、位は王配並びに先に婚約した他国の王子殿下達のほうが序列は上である。

神父様の前にたち、祝日並びに
神への言葉、神への誓いの言葉、
サインと、誓いのキスを交わして
また教会から先頭をクリス、ララ
その後ろを婚約者達、さらにその後ろを夫達がついていく。

そして、テラスに真ん中はクリスとララにして、まわりに並び国民達に挨拶をし、一旦終わった。

夕方からは、王宮にてパーティーである。

既に……クタクタだが…まだ終わらない……。

国民に挨拶を終えて、両陛下にも挨拶をしてから一旦それぞれ自室に戻る。

「ぬあああ………つかれたぁ………むりぃ……重いこのドレス!!!早く脱ぎたい!!!」

「クスクス、はい、今お脱ぎ致しますよ。パーティーは普通のドレスですので大丈夫ですよ」

「それが救いよね……初夜どころの騒ぎじゃないわよ…この疲労…」

「大丈夫ですよ、パーティーが終わりましたらポーションを飲みますから」

「え!?そーなの!?」

「ええ…後が控えておりますから…早くクリス様とのお子を授からないと……」

「……………はぁ…多すぎるのよね…夫が…」

「クスクス、妻の私もおりますことをお忘れなく」

「ええ……」

重いドレスを脱いで、使用人たちが
厳重に運んでいく。

「ぬあああ………軽い!!!」

「ハイハイ、とりあえずワンピースに着替えてお食事をお取りください。軽食を用意してあります」

「わぁ~ありがとうミリア!!」

サンドウィッチと紅茶が用意されていた。

「んーーー、美味しいぃ……身に染みるぅ~」

「大袈裟ですよほんと…」苦笑

「あのくっそ重たいドレスを着たら分かるわよ!!」

「姫様…言葉遣い……」コホン

「あら…失礼つい…」

「まったく……相変わらずなのですから…」

「こんな私でも好きなんでしょ?」

「ええ……愛しています…」

「もの好きね~」

「はい……自覚しています…」

「月に2回男になるから待っていてね」

「はい、お待ちしております」

「はあ~美味しかった~!!」

「まだ、時間がございますし、少しお休みになられますか?」

「そうね…2時間くらい寝るわ…」

「かしこまりました、では2時間後に起こしに参ります」

パタン

ミリアは一旦部屋から出ていった。

子供達の様子を見に行ったのかもしれない。

トントン

「はい?」

「ララ、今日はとても美しかったぞ」

「ソレナル、ふふありがとう」

「少し仮眠するのか?」

「ええ…疲れたから…」

「なら、おれが抱きまくらになってやるよ」

「ありがとう~」

2時間ソレナルでぬくぬくしながら
スヤスヤ眠り、2時間ピッタシに
ミリアが起こしにきた。

「さ、パーティーの支度を始めますよ、ソレナル様も支度がございますので!お部屋にお戻りください!!侍従が待っております!!」

「………ハイ」

すごすごと部屋に戻っていった。

夜のドレスは赤いバラのようなドレスに髪には生花を飾りつけられた。

アクセサリーは全てダイヤモンドだ。

パーティーのエスコートは王配ではなく、王配以下の夫からララが選ぶ事が出来る。

「エスコートは誰になさいますか?」

「んーーふふ、ラナイにするわ」

「ラナイ様ですね、かしこまりました」

先生にするか迷ったけどね。
先生は序列でいうとかなり下だから…
いつ相手をすることになるのか……

「ララ、選んでくれてありがとう」

「ふふ、エリク様にエスコートして欲しかったのよ」ニコッ

「ですよね……はい…」

「また歌ってくれる?」

「ああ、俺との初夜にね」
チュッ

「楽しみにしているわ」

「ああ、俺も」

アナウンスされ、会場に入ると
沢山の拍手に包まれた。

ラナイの手からクリスに引き渡されて、第一ダンスをクリスと踊る。

第一ダンスを終えると貴族達が踊りだす。

「ふう~ひとまず終えたわね…」

食事を取りながらクリスや夫達と
談話する。

「ララお疲れ様」

「ふふ、皆もお疲れ様ね」ニコッ

夫達の顔が赤くなる 

「なんで、みんなそんなに顔が赤いの??ふふ」

「今日の姫様はいつもよりとても…その…妖艶で…」

「そうかしら??」

「赤いドレスがとてもお似合いです!」

「ありがとう」ニコッ

さ、このパーティーが終われば…
クリスとの初夜か~



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