転生お姫様の困ったお家事情

meimei

文字の大きさ
上 下
45 / 53

二日酔い

しおりを挟む
ヒック  ヒック

「あらら、らふぉ、ここにすわって!!」

「……………うわぁ……目が据わってる…」

ララは…こんなにお酒が弱かったのか………。ほんの一杯なのに……

「はやく、すわるのぉ!!」

「あ、はい……座りましたけど…ララさん?」

ぎゅぅぅっと抱きつく

「ん~ラフォンの抱きまくらなのぉ!!ラフォンはララの抱き枕!!!」

「ハイ……俺はララの抱きまくらです…今日から…ハイ」

「ふふふっ、ラフォンぬくぬくぅ~」

ラフォンの胸元にスリスリしながら抱きついて寝てる。

あの…これ…生殺しってやつですか!?

ま……今日はもう何回もしているから…生殺しでもないけど…さ。

しかし、ララにお酒は厳禁だな。
後で皆に伝えておかねば……。

翌朝…

「ぬあああ………頭が痛いぃ………」

お酒一杯で二日酔いである…。

「ララ…はお酒は合わないみたいだから飲まないほうがいいね」

「そ、そうなの?……ううっ…頭がぁぁ…」

「ポーションあげるから飲みなよ、治るから」

「あ、ありがとう」
一気に飲み干した。

「どう??」


「すっ、すごい!!治った!!ポーション凄いね!!」

「それ、俺が作ってるやつ、良くクリスにもあげてるよ」クスクス

「そうなんだ…ラフォンは凄いね」

「そ??ララのアクセサリーも凄いけどね」苦笑

「ラフォンもあのシルバーアクセサリー好きなの??」

「ああ、かなり好き、ララが制作者だとは知らなかったけどこまめに新作チェックはしてるくらいは好きだな」

…………私のアクセサリーがそんなに
評価高いなんて……嬉しいなぁ。

「じゃ、これあげるよ」

「これ、バングル??まさか新作!?」

「うん、昨日作ったの」

「うわぁ~すげー!!ありがとう」

「ラナイもソレナルもクリスも好きみたいでかなり驚いたのだけど、ラフォンもなんて、なかなか知名度あったのね…」

「なかなかどころじゃないぞ!!かなりだよ!」

「そ、そうなんだ…」

なら…もう少し作って売り出そうかしら……。

「しかし、そんなに稼いで何に使うんだ??王太女の私用費は予算に組まれてるだろ?」

「ああ、あれねほぼ使ってないわよ、少しだけ孤児院に寄付に使ったり、貧民街に物資支援したり、改善するのに使うくらい」

「……お前……何気に慈善事業していたのか…凄いな」

「貧民街をなくしたいのよ、ある程度の生活水準で暮らせるようにしていきたいの。それで貧民街にいくつか私の店も作って雇い入れる為に、字や計算を教える教室も作ったのよ。大人も子供も通っているわよ、もちろん無償でね」

「素晴らしいな……」


「その教室の卒業生を店で何人かすでに雇い入れているのよ」

「どんな店にしたんだ?」

「アクセサリーや、雑貨、カフェ、パン屋色々よ、もちろんその専門的な勉強もさせているわ希望者にね」

「なるほどなぁ」

「仕事があれば人は貧しくはならないのよ!!生きているのだから学び働かないと!!!子供達には、さらに可能性を広げてあげないと駄目なのよ!!!」

「お前、…ちゃんと王の器だったんだな……」

「え…?そう??」

「ああ…ちゃんと国の事も民の事も考えていて…流石だなと思った」

「ふふ、褒められると照れるわね」

「なるほど…だからアクセサリーを作って自分にかかる物はそこから出しているのか…」

「ええ、そうよ、結構な収入になるからなんの不満もないし、困ることもないの」

「だろうな……今や人気アクセサリーデザイナーで…昔の作品なんて…高騰している位だし」

「昔の作品???正直昔の作品なんて……拙いから…恥ずかしいのだけど」

「それがまた味わいがあると言って……人気が高いんだよ…」

昔のね~ララはマジックバッグから
1つ昔の作品を取り出した。

「これもかしら??」

「こ、これって!?」

「ええ、確か3個目の作品よ」

「うわぁ…初めて見た……すげーー…」

まじまじと眺めてはニヤニヤしてる……どんだけなのよ……。

「あげるわ…それ…」

「は???それ本気か!?」

「嘘言って何か得があるの??」
ララは首をコテンと曲げる

「うわぁ~すごい嬉しい…ありがとうララ…今後変身魔法を使いたい時は…いつでも使いたい放題だ…」

その時ララの目がキランと光った…

その後…ラフォンは女に変身し…
ララは男になり、ラブラブな半日を過ごしたのだった。

「ララ…私はもう男に戻るわよ……腰が……」

「ああ、俺も女に戻る、またな~ラフォン」

パタン

ドアから出たと同時に女に戻った。

ん~午後は何をして過ごそうかしら。

なんとなく騎士団の訓練場に行くと、クリスが部下の鍛錬をしていた。

んー今日もクリスはかっこいい!

久しぶりだな~クリスの練習見るの。
椅子に座りクリスを見つめる。

それに気が付いてクリスが近づいてきた。

「いいのに、わざわざ来なくても」

「愛しのララが来たら来るに決まってるだろ?」

「ふふ、でもクリスの剣を振るう姿は相変わらず素敵ね」

「……それはありがとう」

「ほら、部下が待っているわよ戻ってあげて」

「あ、ああ…後でまた会えるか?」

「ええ、後でクリスの部屋に行くわ」ニコッ

「なら、戻って頑張ってくる…」

「ええ、頑張ってね」

クリスはまた部下の所に戻り鍛錬を再開した。
しばらくそれを眺めて、その場を後にした。

二階の廊下を歩いていると、素敵な音色が……。
その音の方に歩いていく。

バイオリンの音色……
そっと覗くとルリウスがバイオリンを弾いていた。

そっと…気づかれないように…部屋の隅に座り…その音色に聴き惚れる。

演奏が終わり、ルリウスがららに気が付いて目が合うとルリウスはかあぁぁと顔を赤くした。

「ルリウス殿下、素敵な演奏でしたわ、もし良ければ私がピアノを弾くので一緒に演奏しませんか?」

「姫様は、ピアノを弾かれるのですか!?」

「ええ、嗜む程度ですが」ニコッ

「是非!!!」

お互い知っている曲を確認して、
二人で演奏をすると、ピアノの美しい音色にバイオリンの音色が重なってそれはそれは素晴らしい演奏になった。まるで最初っからピアノとバイオリンの為に作ったかのような
曲に聴こえた。


「私達は…演奏の相性が素晴らしくいいみたいね…」

「はい……こんなシンクロする演奏は初めての経験でした…」

「そうよね…私もよ…」

「それに、姫様のピアノの腕は嗜むというレベルではありませんでしたよ」クスクス

「あら、そう?」クスクス

「かなりの腕前でした!」

「それはありがとう」ニコッ

「もう一曲なにか弾く?」

「ええ、是非」

二人で、何曲か弾き終える頃にはなぜか…ギャラリーが沢山いた…。

盛大な拍手をされ…二人で礼を取り、

ララはその場を後にした。

ん~楽しかったなぁ~!!

クリスが訓練場終わるまでまだ時間があるし、部屋で何か作ろかしら。

歩くのめんどくさいから転移で

パッ

「うお、びっくりした…」

「ちょっとソレナル、何人の部屋にいるのよ」

「いや、ちょっと珍しい花を見つけたから飾ってやろうかと思ってさ」

「珍し花???」

ソレナルに近づいて花を見てみると
初めて見る花だった。

「これ、なんていう花なの?」

「これは、月の雫という花でな、寄る月に照らされると歌を歌うんだ」

「ほえ~花が歌をうたうの?」

「ああ、とても美しい歌声なんだぞ、楽しみにしておけよ」

「うん、ありがとう」

本当にお月さまみたいに綺麗な黄色の花…歌ってどんな歌なのかしら…
楽しみね。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない

陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」 デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。 そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。 いつの間にかパトロンが大量発生していた。 ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

処理中です...