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第八章 魔人決戦篇

既出のキャラクター・用語解説 1―⑧

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✳︎白雷の砦

・轟きの谷に作られた砦
・地形的に防戦に優れており、近辺に住む人間にとって最終防衛ラインとなっていた。

✳︎双牙の閃刃デュアルセイバー

・魔法使いとして覚醒したミサラと、伝説の勇者が如き剣技を見せた征夜を称えた名前。
 征夜が来るまでは、ミサラが100人力の活躍をしていた。砦の人々を守れたのは、彼女の功績が大きい。

✳︎原住民貴族主義連盟アブソリュートオリジン

・略称はアブオリ。
・魔王(転生者ラース)による世界侵略により、多くの原住民が死亡した。
・転生者は能力を用いて戦えるために、怪魔との戦闘において生存率が高かった。
・以上の結果から、以前にも増して転生者への差別意識、憎悪が肥大化した。この機に乗じて、組織として大幅に勢力を増している・・・。

☆フィーガル

・年齢は10歳。
・ラース襲来前に、轟きの谷に旅行に来ていた。
 その際に両親、祖父母、兄弟姉妹など、親戚の全てを"轟雷竜の流れ弾"で亡くした。
・崩壊した宿泊先の瓦礫の下から、一人だけ無傷で生還した彼は、全身から高圧放電する能力を得ていた。
・ラースの真相を知って以来、転生者への憎悪だけを糧に生きていた。
 そんな中、後述の女に出会い、アブソリュートオリジンに所属する事に。

☆暗殺者の女

・年齢不詳だが、おそらく20代の女。
・孤児として、荒れた生活を送っていたフィーガルを見初め、アブソリュートオリジンに誘った。
・独自のルートで魔王の正体(転生者ラース)に辿り着き、闇堕ちの原因となった人物(アラン)を特定。
 敵対勢力の幹部でもある彼の暗殺を条件に、フィーガルを組織に引き入れた。
・フィーガルの事は弟のように可愛がっており、一緒に入浴するような関係。
 ただしアランの暗殺を終えた後、人生初の殺人に罪悪感を覚えたフィーガルを励まそうと、シャワーの後でベッドに誘い・・・。

✳︎天空魔城

・魔王と化したラースが、天空に築いた牙城。
・広大な城の間取りの割に、中はガランとしており、彼の人望の無さが窺える。
・人間を溶かして"魔法陣型溶鉱炉"に混ぜ込む事で、星間移動すら可能なほどのエネルギーを溜め込んでいた。

✳︎奇跡の世界

・天界を含む異界星雲より、遥か遠くに輝くコバルトブルーの星。ラースの最終目的であり、他でもない"地球"の事。
・世界を創造するのは神の御技であり、全ての世界は"平らな地面"で出来ている。そんな常識を覆す、"唯一の例外"である。
・その美しさ、成り立ちの特異さ、未だに謎の多い現状、魔法より科学が発達している点など、あらゆる面で他の世界とは一線を画した文化を持っている。

✳︎極光オーロラの剣士

・魔王を打ち倒し、世界を救った吹雪征夜を讃える名。
・当初は"極光の勇者"と呼ばれていたが、本人の希望で呼称が変わった。
・その由来は、征夜がラースを打ち破った時に生じた、観測史上最大規模のオーロラ。
 七色に光り輝き、暁の太陽と共に夜空を照らした閃光は、天空魔城の崩落と共に"黙示録の終焉"を告げた――。

✳︎気導弾

・読んで字の如く、"気流を導いて弾にした技"である。
・外側と内側に、独立した二種類の回転が加えられ、直撃した対象に吸い付き、気流が収まるまで離さない。
 この技を受けたラースは壁面へと吹き飛ばされ、上半身を押し潰され、粉砕された。
・投げ付ける事は出来ず、手の中で練った後は敵に直接当てる必要が有る。直撃した後は敵に吸着し、自然に手から離れる。
・氷狼神眼流の第三奥義として、正式に登録された。発明者は吹雪征夜。

✳︎旋空気導弾せんくうきどうだん

・テセウスが使用した技。
・征夜の気導弾と似ているが、感覚を共有していた征夜曰く、「空気ではない何か」が体内を流れる感覚があるそうだ。
・コレに巻き込まれたラースは球体に捻じ曲げられ、テセウスによる瞬間回復が無ければ即死していた。

☆サフィリガルド=エレクティス(サフィード)

・エレーナの夫、名門の出身。
・子宝に恵まれていないが、焦るエレーナとは異なり楽観的。

☆エレニティナ=エレクティス(エレーナ)

・あまり頭の良い方ではなく、飾りor置き物と言った表現が似合う女王。
・身長は180㎝、胸はJカップで、尻もそこそこ大きい。
 スタイルだけならセレア並みだが、知力では遠く及ばない。ある意味で彼女より、"売女"と呼ぶに相応しい女。

✳︎天界元老院

・天界を影から操る、真の支配者。
・十人規模の老神から構成されており、全員が男。
 女性蔑視が酷いなど、古い価値観に支配された者たち。端的に言えば"老害"である。
・女性の社会進出や、人族と魔族の協調といった、先進的な政治体制を敷く魔界政府とは、対極に位置する存在。
・絶対王政を敷いた上で、傀儡政権を立てている。
 しかし、名目上はエレーナの部下である為に、彼女が自分の意思を持って行動すれば、何の問題も無い。筈なのだが・・・。

☆ヴィルヘルム=クラリアス1世(廻炎のヴィルヘルム)

・資正の戦友であり、享年は3??歳。
・良い歳ではあるが、孫は居ない。代わりに、20代の子供が4人居る。
・かつての星雲大戦において、"再起不能"に陥った資正に代わり、戦後処理にて大いに活躍した伝説の英雄。
 彼の操る"回転魔法"と呼ばれる特殊な技は、未だに真似出来る者が居ない。その破壊力は"邪神"を殲滅するほど。

✳︎クラリアス家

・ヴィルヘルム1世を当主とする一族。
・広大な土地を有する貴族であり、たった一代で名門に至った"転生者の星"とも言える家。
・最近、淫魔の娼婦(あの人!)が嫁入りしたそうだが、果たして本当なのか・・・?

✳︎廻円眼かいえんがん

・"継族眼術"の一種であり、クラリアス一族に遺伝する・・・予定。
・使い手は今のところ、『廻炎かいえんのヴィルヘルム』しかおらず、本人も邪神を屠った反動で死亡した為、現在は断絶している。
・星雲大戦にて開眼した眼術であり、前述のヴィルヘルム1世が"最初にして唯一の開眼者"。
・能力の詳細は不明。新たな開眼者が現れれば、詳細が明かされるかも・・・?

✳︎永征眼えいせいがん

概要↓

・"継族眼術"の一種であり、吹雪一族に遺伝する。
・使い手は分かっている限りで、『吹雪資正』と『吹雪征夜』である。
 また、資正の師匠も開眼したようだが、恐らく資正と血縁がある。(田舎の農村では珍しくない。)
・『修羅の瞳』を開眼したのは征夜一人だけ。トオルにも同じような症状が有ったが、"何かが違う"ようだ。

効果↓

・『凶狼の瞳』→肉体活性、動体視力向上。
 使用者を興奮状態にし、一人称を変えるほどの人格変化を起こす。制御出来なければ、日常生活に支障が出る。

・『修羅の瞳』→肉体のリミッター解除、肺活量増大、脳内麻薬による痛覚遮断、反射神経限界突破など。
 肉体強度は変わらないので、長時間使用すれば自滅する。自分の意志で解除する事は不可能であり、理性の喪失も相まって、"諸刃の剣"である。

―――――――――――――――――

☆魔王・ラドックス

戦闘能力↓

・魔王の力を得た事で、能力が大幅に強化。
 生贄による魔力増強が必要にはなるが、星間移動すら可能なほどに"物体操作"が強化された。
・魔王化した当初は征夜と同じくらいの戦闘力だったが、テセウスの修行と言う名の"サンドバック化"を経て、征夜の技を見切っていた。
・暫くは征夜を押していたが、"口撃"によって心が揺らぎ、途中から互角になった。
・凶魔活性と"憂邪眼"を用いて、善戦したが・・・。

過去↓

・"新たな娯楽の普及"と言う使命を帯びて、召喚された転生者。元はドイツ人で、転生当初は20代。
・孤児としてサーカスに引き取られたが、"どうしようもない無能"であり、本名が無いので"ラドックス"と言う蔑称を付けられた。
・突然の解雇により行く宛を失った彼は、日本付近の海でバカンスしていた。
 ところが、突如として起こった津波に呑まれて死亡し、女神の力で転生した。
・転生後の世界で能力を用い、人形使いとして一定の評判を得た頃、一人の女性と知り合い、意気投合。
・女性と共に冒険の旅に出ようと、二人でアランの試験を受けた結果、誤って"殺害"してしまった――。

目的↓

・幸福の絶頂から、不幸のどん底に叩き落とされ、"発狂"した彼は、一つの野望を抱く。
・故郷であり、自分を馬鹿にした者たちが住む場所、自分から幸福を奪った全ての元凶。それが"地球"。
 そして、"地球そのもの"を自らの手に収め、全人類の幸福を奪い去り、"自分の幸福"にする。それが彼の目的だった。
・その為にグランディエルに近付き、マリオネット教団を都合よく改造する事で、計画の成就に向けて動いていた。
 "4体の竜"と呼ばれる生物兵器を生み出したのも、この世界を支配する為ではなく、"蓄えた魔力"を成長後に回収する為であった。

最期↓

・自分の野望の"虚しさ"を征夜に看破され、開き直ってしまう。
・全てを道連れにして、好き勝手に振る舞った後に死のう。そう思い、花の首を刎ねようとした。
・しかし、修羅の瞳を開眼した征夜に圧倒され、憂邪眼による補助を受けながら防御に徹したが、最後は気導弾により倒された。

メタい余談↓(裏話的な物です!)

 『なろう主人公の闇堕ち』が、彼に込めた最大のテーマであり、モチーフです。

 『チート能力』・『ドン底からの逆転』・『見下して来た者への復讐』と言った、ある意味で「なろう主人公の要素」を多く抱えた彼。

 何かが違えば、きっと「幸せな主人公」に成れた筈の彼は、『吹雪征夜の鏡』とも言える存在です。
 そんな彼は、『純然たる悪』ではない。だから、魔王としての威厳も、悪党としての大義も無い。ただ純粋に「幸せになりたかった」だけの男。

 そんな庶民的な人間が闇に堕ちて、『無敵の人』へと身をやつし、孤独の中で死んでしまう。
 殺した征夜も釈然とせず、本当に殺して良かったのか悩む。そんな男は、完全な悪とは言えない気がします。

 この物語で1番の悪は、間違いなく"神"です。
 悪戯に人生を弄び、勝手に転生させ、運命と言う檻の中で踊らせる。そんな奴が、良い存在な訳がない。

 逆に悪魔は、闇へと誘う危うさを持っていながらも、最後の選択は人間に任せてくれる。
 『天使と悪魔の選択肢』は、悪魔が誘った時にしか現れません。神は選択肢すら与えないのですから。

 そして、神に次いで諸悪の根源と言えるのは、"アラン"だと思っています。
 勿論、彼には彼なりの大義が有るのですが、その行為は人の道を外れている。

 勧善懲悪の物語を作る上で、彼は生かしておけない存在でした。
 だから主人公に殴られ、唾を吐かれ、最後は因果応報で殺される。可哀相にも思えますが、当然だとも思える。そんな、絶妙なバランスにしたつもりです。



 長々と書いてすみませんm(_ _)m
 気を取り直して、次の解説に行きましょう!



☆パラド

・人体を改造して作られた、特異な人形。
 正体はラースの思い人であり、転生した直後に仲間になった女性。
・アランの試験で彼女を殺してしまい、発狂したラースにより、死体を改造された。
・最期は花の不思議な力により浄化され、闇に堕ちたラースの事を託して、昇天して行った。
・既に死体となり、心も無くし、朽ち果てた思い人。
 それだけが、ラースにとって計画の中枢を任せられる腹心だった。・・・なんとも、虚しい話である。

☆サーイン

・ラースの部下として、天空魔城の入り口を守っていた。
・征夜により両足を切断されたが、トドメは刺されなかった。しかし、悪魔の力を得ていた彼は即座に回復し、騙し討ちをしようとした。
・最終的に、自らが暗殺未遂の片棒を担いだ黄金の魔術師に追い討ちされ、絶叫と苦痛の中で"恐ろしい死"を遂げた――。

☆吹雪征夜

・宿敵であるラースを追い詰め、直接対決を挑んだ。
 だが、憎くて堪らない相手だったにも関わらず、戦いの中で彼に共感し、一度は救いの手を差し伸べた。
・最終的に、救いの手を振り払ったラースにトドメを刺す形になったが、本人としては悔いの残る結果であり、精神的に参っていた。
・突発的に自殺を決意し、浴槽に沈んだ。
 その後、最初に彼が目を開けた時は、"恐ろしい何か"を見て気絶。花に介抱された後、再び目を覚ました。
・二人で湯船に浸かり、彼女の"説教"と"許し"を受け、メンタルが少し回復。
 その夜は、花の優しい腕に抱かれて、止めどない安堵に包まれながら眠りに着いた――。

☆楠木花

・征夜が気絶している間、砦防衛の指揮を行ない、ミサラなどと協力して怪魔の攻撃を退けていた。
・魔王城に乗り込んだ際、パラドを昇天させた直後に捕縛され、玉座に拘束された。
 幻覚を見せられた征夜に、誤って殺されそうになるが、彼は彼女の正体を見破っており、難なく助かった。
・彼と混浴しながら、スキンシップや甘い言葉を織り混ぜた"セラピー"を行なった。
 最後は、征夜に『生涯、自分を守り続ける』と誓わせる事で、半ば強引な形で彼の心を救った。
・征夜を優しく抱きながら、幸せな気持ちで眠った。

☆ミセラベル=バートリ

・魔法使いとしての才覚が覚醒し、背に翼を生やしたり、巨大な結界を張ったり、超強力な攻撃魔法が扱えるようになった。
・征夜が気絶している間は、砦を殆ど一人で守っており、村人からの信頼も厚かった。
・征夜たちと共に天空魔城に乗り込んだが、彼らと共に脱出する事は叶わなかった。
・助けを求める彼女の声を聞いた征夜が、その声を辿って行くと、その先には――。

☆金入俊彦

・ラースとの戦闘に参加出来なかったので、目立った戦果は無し。
 しかし、サーインの騙し討ちを未然に防いだ事は、確かな功績と言える。
・ミサラを失った事実に対し、征夜や花ほど悲しんでいないようだ。
・いつものようにナンパして、女神の夜伽を受けながら、戦いの疲れを癒した。

☆吹雪資正

・虫の知らせにより征夜の危機を察知、怪魔ひしめく地獄と化した草原へと、木刀を帯びて飛び出した。
・征夜を助けに向かう道中、人知れず数人の上級魔人を拘束する、破格の戦果を上げていた。

☆サンダーランス(サラン)

・相変わらず、花への懐き具合はカンストしている。
・新たな旅に出る征夜と花に、着いて行きたかった。
 だがルールならば仕方ないと思い、花を困らせない為に、聞き分け良く納得した。
・現在は資正の家に匿われ、大切に世話されている。
 基本的に人に懐かない彼女だが、資正の事は気に入っているらしく、仲良く過ごしているようだ。

✳︎転生者解放戦線ユニオンフリーダム

・略称はユニフリ。
・転生者を原住民の差別から救う為に設立された、非合法組織。
・一応は"政治結社"なのだが、同じく政治結社であるアブオリの過激化に伴い、こちらも武装を強化。
 水面下における対立は深刻化しており、ラースの凶行による世界荒廃の影響で、一触即発の緊張状態に。
・小競り合い程度ではあるが、両社間の小規模な武力衝突は頻発している。
・今はまだ、民間や組織同士の抗争なので良い。
 だが、コレが国家を巻き込んだ大規模抗争になった時、世界には血の雨が降るだろう――。

☆アラン

・組織の幹部であり、団員No.は一桁。
選定の剣カリバーンと言う"神具"を探す傍ら、冒険者登録試験の試験官として、優秀な転生者を探していた。
・厳しい試験で転生者を篩にかけ、優秀な人材を見出す目論みは上手く行っていた。
 しかし、裏の顔がアブオリに割れてしまい、使命手配を受ける。
・ソントにて、魔王討伐の宴が行われる際に、騒ぎに乗じてテロを計画していたが、フィーガルに油断して失敗。
・町の路地裏に捕縛され、殺害された。
 奇しくも、その最期は"自分が破滅させた相手に、家族を殺された少年"による物であり、因果応報な末路を辿った。

☆トニオ

・組織の幹部であり、アラン同様に団員No.は一桁。
・ソントにある、冒険者ギルドの総本山にて料理長をしている。その腕前は本物。
・物流と人流の中心であるソントには、多くの人材が集まる。
 彼は料理長としての仕事の傍ら、冒険者志望の転生者を、組織に引き込んでいた。
・魔王討伐後の宴は彼が発案した物であるが、アランが計画したテロには否定的だった。
 彼曰く「飯の席で野暮な事をするのは、バチ当たり。」との事だったが、アランは制止を振り切って暗殺を断行した。

☆黒の翼竜

・巨大な黒翼で羽ばたく、恐ろしい怪物。
・コウモリにも、竜にも見える外見だが、詳細は不明。
・この怪物の口から、助けを求めるミサラの声がした。おそらく彼女は、この翼竜に――。
・征夜はこの怪物に出会った時、「自分はコイツを殺す為に生まれて来たのだ。」と、自らの宿命を悟った。
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