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第八章 魔人決戦篇

EP216 信念なき野望

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「でやあ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ーーーッッッ!!!!!」

「死ねぇ"ッ!吹雪征夜ぁ"ッ!!!」

 唸るような叫びを上げながら、二人は空中で激突した。
 ラースの短剣と征夜の刀がぶつかった衝撃で、その場の空気が弾け飛び、花の長い髪を揺らした。

「くっ・・・!」

「花!危ないから下がって!」

「よそ見してる場合かぁ"ッ!!!」

「ぐはっ!?」

 睨み合ったまま落下した二人は、鍔迫り合いをしていた。
 しかし、征夜の意識が花に取られた一瞬の隙を突いて、強烈な蹴りが脇腹に加えられる。

 勢いよく吹き飛ばされた征夜は、そのままの勢いで壁に激突した。
 その体重でヒビとクレーターを作った彼は、剥がれ落ちた壁の破片を背中に受けながら、何とか立ち上がる。

(短期決戦しかない!)
<<<雹狼神剣・金剛霜斬!!!>>>

 奥義を惜しみなく使う事で、早期の決着を目指す征夜。
 既に、刹那氷転は効かない事が分かっている。ならば、もう一つの奥義で倒すしかない。

 しかし、ラースはそれを許すほど甘くなかった――。

「させるかぁッ!」

 大技の発動を悟ったラースは、征夜に向けて攻撃を仕掛ける。
 それも、ただの攻撃ではない。調気の極意の弱点を突くような、的確な技を放ってきたのだ。

<空気よ!掃けろ!!!>

 "物を操る"が、ラースの能力。この場合の"物"は奴が物だと感じた対象となる。
 鉛筆や冷蔵庫など、分かりやすい物体は良い。だが問題は、"空気"の事も物だと認識できる点だ。

(し、しまった!これじゃ、息が出来ない!)

 調気の極意は呼吸により体温を調整し、それにより周囲の温度を変える。
 そして、温度の差により生まれる僅かな気流や気圧の差を利用して、真空刃などを放つ技。

 しかし今、征夜を取り囲む空気が掃けた。それ即ち、"真空に近い状態"になったと言う事。
 当然ながら、そんな環境では満足に呼吸が出来ない。つたり、調気の極意も使えないのだ。

「さぁ、そのまま窒息しろ!吹雪征夜ぁッ!!!」

「くっ・・・負けて堪るかぁーッ!!!」

ガッシャーンッ!!!

「何ッ!?」

 征夜は野太い声で叫ぶと、勢いよく飛び上がった。そして、刀の柄を強く握りしめ、力任せにステンドグラスを叩き割った。

「どうだ!これで真空にはならない!」

「チッ!」

 当然ながら、ステンドグラスが叩き割られた今、室内には常に空気が循環している。
 換気が行き届いてなかった先刻までと違い、真空状態を作る難易度は大幅に上がっている筈だ。

 そんな中、征夜の中に一つの大きな疑問が湧き起こる――。

(コイツ・・・どうして調気の極意を知ってるんだ?)

 以前に相対した時、ラースは調気の極意を魔法だと勘違いしていた。
 しかし、今回はまるで"呼吸を使った技"である事を見抜いたかのように、弱点を突いて来たのだ。

(ここは少し、様子見をしながら・・・。)

「どうした!ビビったのか!?」

「うるせぇッ!!!」

 不穏な動きを見せるラースに警戒を強めた直後、征夜は挑発に我慢できなくなった。
 普段なら挑発に乗らない征夜も、凶狼の瞳の効果で好戦的になっているのだろう。

「そっちこそ、ビビってるんじゃないか!?
 わざわざ、俺の技を封じようとするなんてな!」

「調子に乗るなよッ!」
<<<物体操作マリオネーション!!!>>>

 ラースが羽織っている派手なマントは、突如として開け放たれた。
 胸ポケットに収納していたと思われる大量の人形と凶器が、勢いよく飛び出して来る。

「いつもの奴か!」

「さぁ!踊りながら死ぬが良い!!!」

 ラースの懐から飛び出した人形たちは、それぞれがナイフやトマホークを持っている。
 一人一人は小さく、簡単に破壊出来るだろう。しかし、それが30人近く居ると話が変わってくる。

(チッ!ちょこまかとッ!)

 懐に収納出来るほどのサイズなので、攻撃が当たり辛いのだ。
 そして何より、連携が完璧なのだ。征夜を取り囲んだ人形は、次々に波状攻撃を仕掛けて来る。
 一人を倒しても、次の二人が切り掛かって来る。そんなイタチごっこが、終わる気配も無い。

「まだまだ行くぞッ!」

 人形を10体ほど倒したところで、ラースは更なる猛攻を仕掛けて来た。
 どうやら、懐にしまっていたのは人形だけではないらしく、6つの短剣が追加で浮遊し始める。
 それらは独立した動きで征夜に迫り、刺し殺そうと隙を疑う。

<<<金剛霜斬!!!>>>

 このままでは囲まれると悟った征夜は、急いで人形を始末する事にした。
 この奥義は消耗が激しいが、背に腹は替えられない。20体の人形を粉砕出来るなら、そのくらい安い物だ。

 金剛霜斬は人形の群れに直撃し、絶大な力を発揮した。
 屋内なので威力は絞ったが、やはり水蒸気爆発の破壊力は凄まじい。

「人形の群れを倒しただけなのに、もうバテてるんじゃないか?そんな調子で大丈夫か?」

 金剛霜斬で20体の人形を倒したのは良いが、征夜の息は荒くなっていた。
 やはり、奥義の発動は身体的な負担が大きいのだ。しかし、征夜は弱っている様子を見せずに、毅然とした調子で言い放つ。

「お前こそ、自分で戦うのが怖いんだろう?だから、こんな馬鹿げたオモチャに頼るんだ。」

「クハハハハッ!!!ここまでは余興に過ぎない!サシでやり合っても、貴様如きどうにでもなる!」

 ラースは力強く叫ぶと、再び短剣を抜いて征夜に切り掛かって来た。

~~~~~~~~~

(コイツ・・・強い!)

 再び刃を交えた時、征夜が最初に感じた事。
 それは、奴の動きが格段に鋭くなった事だ。
 刺突や斬撃には重みが増し、先ほどまでの戦闘が"余興"であった事は、ハッタリではないらしい。

(これが・・・魔王の力!)

 以前、キャンプ場で相対した時よりも、格段に基礎身体能力が向上している。
 魔王こと、グランディエル2世の力を奪った効果は、魔力の増強だけではなかったようだ。

(正面突破はキツイか!)
<<<螺旋気導弾!!!>>>

「ノロいなぁッ!」

「なにっ!?ぐはぁっ!!!」

 鍔迫り合いの隙を突いて放った、渾身の螺旋気導弾。
 ソレは眉間を的確に捉えており、直撃すれば必殺の一撃になったはず。

 しかし、完全に不意を突いた狙撃ですら、ラースは悠々と交わした。
 もはや超反応という次元ではなく、未来予知に近い反射神経。まるで、"予備動作"から征夜の攻撃を読んでいたかのようだ。

 螺旋気導弾に集中していた征夜の中に、外した事への動揺が生まれた一瞬、ラースはそれを見逃さなかった。
 寸分の狂いもなく首元を狙う短剣と、ソレを避ける征夜。しかし、続け様に放たれた膝蹴りには、反応が間に合わなかった。

「く・・・クソッ!!!」
<<疾風!!>>

「遅いッ!!!」

 壁に叩き付けられた征夜は、急いで体制を立て直し、強烈な真空刃を放った。
 しかし、ラースはそれすらも余裕でかわし、征夜に追い討ちをかけようとする。

<<疾風斬!!>>

 「追い討ちなどさせない」と言わんばかりの神速の剣が、ラースに迫る。
 間髪を入れずに繰り出される、遠距離と近距離の連斬。だが、常人なら防げないはずの速技も、ラースは造作も無く刃で防いだ。

「かかったなぁッ!!!」
<<<秘剣・燕返し!!!>>>

 しかし、征夜の連撃は留まる事を知らない。
 初撃、二撃目はオトリ。本当の狙いは、三撃目を着実に当てる事。
 疾風斬を短剣で受け止めた今、それ以外のガードは完全に消えている。そこに向けて切り返した高速の刃が、ラースに迫る。



 だが、征夜には誤算があった――。

カッシャーンッ!!!

「な、なにぃッ!?」

 ガラ空きになった筈の部位に、叩き込まれた斬撃。ところが、鋭い金属音が響いた事から察するに、直撃していない。

(この短剣・・・浮いてる!?しまった!!!)

 征夜の誤算、それはラースの構えている短剣が一本ではなかった事。
 利き手に握りしめた物とは別に、今も空中を自在に飛び交う短剣が複数ある。
 その中の一本を動かすだけで、征夜の攻撃は容易にガード出来るのだ。

「死ねッ!吹雪征夜ぁ"ッ!!!」

「ぐあ"ぁ"ッ!!!」

 大きな隙を晒していたのは、ラースではなく征夜の方だった。
 ラースの短剣が征夜の肩を切り付け、大きな傷が出来る。
 幸いにも傷は深くないが、ヒリヒリとした痛みと共に溢れ出る鮮血が、戦意を削いでくる。

 逃げるように距離を取る征夜を空中から見下ろしながら、ラースは嘲笑の言葉を叫ぶ。

「ノロい!鈍い!軽い!薄い!ショボい!
 アッハハハハハッ!"アイツ"と違って、口ほどにも無い奴だ!!!」

「アイツ?・・・まさか!?」

 嘲笑の言葉よりも、ラースの言葉の裏に潜む人物の方に、征夜の関心は寄った。
 "アイツ"とは誰なのか。そんな事、聞くまでもなく分かり切っている。

「オデュッセウスの言った通りだ!アイツの攻撃を見たあとじゃ、お前如きは敵ではない!!!」

「・・・ッ!」

 征夜はこの時、ついに理解した。
 これまで、自分が繰り出して来た攻撃の数々が、悉く回避された理由を――。

~~~~~~~~~~~

「奴の修行・・・そうか・・・そういう事か・・・。」

 頭の中が真っ白になる。この考えが当たっていれば、征夜は決してラースに勝てない。

 ゲームで喩えるならば難易度 hard とeasy 。いや、実際の実力の開きはソレとは比較にならないだろう。
 端的に言えば、同じ攻撃をしてくる敵と出会った時、hardで負けた相手であっても、easyなら楽に勝てる。そういう事だ。

 テセウスは征夜の技を完璧に使いこなし、あまつさえ高次元に昇華させている。例えで言うところ、hardのボスなのだ。

 彼の施した修行とは、征夜の技をラースに叩き付けるだけ。
 螺旋気導弾も伍式も、それどころか調気の極意についてさえ、今のラースは知り尽くしている。

 何故なら、遥かに完成度の高い同じ攻撃を、延々と叩き込まれ続けていたのだから――。

(勝てる・・・訳がない・・・。)

 ラースがテセウスに勝つことは、万が一にもあり得ないだろう。
 だが、勝ち負けの問題ではない。奴の技を見ているだけで、征夜程度の技は文字通りの"劣化版"に過ぎない。

 現にラースは、征夜の攻撃への対策を知り尽くし、全ての攻撃を圧倒している。
 魔王の力だけでは勝てない相手でも、"予習"をしていれば雑魚同然のようだ。

 ラースを倒す為には、不意打ちではダメだ。
 正面から奴に立ち向かい、テセウスとの修行で得た経験と知識ですら対応できないほど、"圧倒的な速度と威力"が要る。

 予測可能。回避不可能。
 それだけが、征夜に残された唯一の道なのだ。

(出来るのか・・・僕に・・・そんな事が・・・。)

 ラースには、まだ勝てるような気がしていた。
 しかし、背後に透けて見えるテセウスの影が、途方も無く巨大に思える。
 たとえ影であっても、その末端を踏む事すら難しい。だが、踏まねば先に進めない。

 テセウスが鍛えた。テセウスの技を見た。テセウスの知恵を受け取った。
 たったそれだけの事が、これほどまでに恐ろしいのか。
 彼の圧倒的な存在感を自覚しながら、征夜は静かに絶望する事しか出来ない。

 しかし、思考が完全なる闇に絡め取られそうになった時、征夜の心に魂の叫びが届いた――。



「頑張って!征夜ッ!!!負けないでぇッ!!!」



 ふと気が付くと、喉が裂けそうになるほどの声を張り上げて、花が叫んでいた。
 今の彼女は能力を使えない。植物操作による援護も、回復魔法による治療も出来ない。

 そんな彼女に出来るのは、一心に征夜を応援する事だけ。
 扉を開け放って逃げ出す事も出来るのに、彼女は征夜を応援する為だけに、対決の場に残っているのだ。

「自分を信じて!あんなに・・・頑張って来たじゃない!!!」

 それは、何の変哲もない声援だった。
 捻った言葉を使う事はなく、ただ心の底から溢れ出した思いを叫んだだけ。

 普通なら、外野からの応援など跳ね除けて、逃げ出してもおかしくない状況。
 実際のところ、花は戦っていないのだ。それなのに、継戦を求めるのは無責任だ。
 征夜と同じ立場に立ったら、そう思う者も少なくないだろう。

 しかし、征夜は微塵もそんな事を思えなかった。

 花に期待され、求められ、背中を押されている。
 たったそれだけの事実が、征夜にとっては"無限のエネルギー"に等しかったのだ――。

「アハハ・・・俺は馬鹿か。」

 心に渦巻く絶望の闇が、一斉に取り払われて行く。
 希望や勇気とは違う、根拠のない自信と”使命感”が体の底から湧き上がり、体を突き動かしていく。

「テセウスの野郎が何だ。その知恵が、経験が、技が、何の意味がある・・・!」

「・・・うん?」

「俺はお前を倒す。世界を救うために・・・”大切な人”を守るために!」

 勝ち誇った眼差しで征夜を見下ろしていたラースは、少しばかり驚いた。
 もう完全に尽きたと思っていた彼の闘志が、再び沸いて出て来たのだから。

「何度も言わせるな吹雪征夜!お前みたいな雑魚の技が、今の俺に通じるかよぉッ!!!」

「それはこっちのセリフだ。テセウスの修行が何だ。”その程度の事”で、俺に勝てると思うか?」

 それは正に、根拠の無い自信だった。
 花からの声援を受けただけで、先ほどまでは絶望的に思えた事も些末な問題に思えて来る。

「俺はいつか、誰よりも強くなる男だ!
 あの野郎が俺の邪魔をするなら、それすらもブッ壊して先に進んでやる!!!」

 体中が軽くなり、力が満ち溢れ、肩の傷は急速に癒えていく。
 光に満ち溢れた眼でラースを睨み付けた征夜は、咆哮と共に切り掛かった――。

「お前如きには、負けていられないッ!!!」

~~~~~~~~~~~

「くだらない事しやがって!今までに何人殺したんだ!!!」

 復活した征夜の勢いには、凄まじいものが有った。
 衝動や本能ではなく、純粋な使命感と怒りに突き動かされて動いている。
 動きも格段に鋭くなり、その気迫だけでラースの猛攻に喰らい付く。

 花の声援を背に受けた征夜と、今のラースは互角だった。しかし、どちらもまだ余力があるように見える。
 互いに底を見せていない男たちにとって、今はむしろ実力よりも自らの”正当性”の方が重要に思えたのだ。

「この手に”世界”が欲しいのさ!お前には分かるまい!満たされた器だからな!!!」

 恋人を失ったラースにとって、征夜は嫉妬と憎悪の対象でしかない。
 今の自分たちは、互いに魔王と勇者なのだ。幾度となく計画の妨害を繰り返す征夜には、積み重なった恨みを抑えきれない。

「前を向いて歩かない奴に!未来があると思うなぁッ!!!」

「図太くない奴に!野望を抱く権利があるか!!!」

 征夜は薄々勘づいていた。ラースがこれほどまでに執着する計画の果てには、”信念”が無い。
 自分が正しいと信じた事や、美しいと感じた物を目指している訳では無いのだ。

 征夜に花を殺させようとしたり、ワザと征夜の知る人物を門番に配置したり、”征夜に対する悪辣な思い”が透けて見えるのだ。
 征夜にはそれが、信念を持つ者の行動とは思えなかった。大義の為に動いているのならば、これほどの私怨が込められるとは思えない。

 ラースの過去に、その原因が有る。
 それも、この世界に来る前から抱き続けて来た”仄暗い感情”が、溢れ出して来たのだろう。

「世界をその手に掴めるほど!お前は器を持ってるのか!!!
 地を這って来た虫ケラが!天を落とせる筈もない!!!」

「勝者の理論だな吹雪征夜!!!摩天楼を歩く者には、路地裏を這う気持ちなど!!!」

「そんな事知るかッ!生まれる前から負けてる奴を憐れむほど、俺の人生には余裕が無い!!!」

 テセウスがラースの事を、"帝王の器"ではないと言った意味が、征夜は理解出来た気がした。
 ソレ自体が、どんな物なのかは分からない。だが、奴が名君に成り得ない事は断言出来る。

「お前は何がしたい!大勢の人を殺してまで、お前は何を望むんだ!!!
 この”美しい世界”を!空を!お前の薄汚い色に染めるのが目的か!!!
 ようやく掴み取ったチャンスだろ!この”新天地”に来てまで、したかった事なのか!その野望は!!!」

「違うなぁ!こんな”カスみたいな世界”!最初から、どうでも良いんだよ!!!
 ここは"地獄"だ!ここに住む奴も腐ってる!俺は!俺に相応しい奇跡の世界を、理想に作り変えてやる!!!」

「奇跡の世界・・・一体、お前は何がしたいんだ!!!」

 征夜はいよいよ、ラースが何を望んでいるのか分からなくなって来た。
 すると、ラースは征夜の求めに応じるかのように、刃を納めて後退する。

<来い、宇宙儀コスモグローブ!>

 ラースが右手を差し出して念じると、どこからか天体の座標を記した模型が出て来た。
 見た事のない星と、異界星雲と思わしき星ではない何か。それぞれが互いの衝突をせずに、ひたすら公転を続けている。

「冥土の土産に教えてやる!コレこそが、私の望む世界だ!!!」
<<<<<極・物体操作アルティメット マリオネーション>>>>>

「くっ!なんだ!?」

「きゃあっ!征夜ぁッ!」

「花ッ!!!」

 足元がグラグラと揺れながら、凄まじい"G"を感じさせられる。

「な、何がっ!何が起こってる!?」

 怯える花を庇うように覆い被さった征夜は、割れたステンドグラスの向こうに見える景色が、次々と移り変わって行く事に気が付いた。
 その景色もやがて固定され、先ほどまでの曇天とは違う青空が、一面に広がっている。

「さぁ!見るが良い!これこそが、"奇跡の世界"だ!!!」

「・・・こ、ここはっ!?」

 割れたステンドグラスを覗き込む征夜、その瞳に映り込む景色は、思わず目を疑う物だった――。
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