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EP3_① 悪意の浴槽 <♡>
しおりを挟む「ヴィル君は、もう満足した?」
「う、うん……き、気持ち良かった……!」
「良かったわ♡……これからどうしよう? お話でもして時間潰す?」
「えぇと……2時間後に夕食だから、それまで待機……かな?」
「分かった!……食卓まで、エスコートしてくれる?」
「う、うん……!」
「ありがとう……ちゅっ♡」
頬にキスされたヴィルは、少し照れ臭そうに頬を赤らめた。
事後の甘い会話を終えたセレアは、脱ぎ捨てた服を持ち上げて、ゆっくりと着直していく。
まぐわいの時にのみ解放する、"淫魔"としての自分。
それを再び封印し、"女"に戻ろうとするように、セレアはそそくさと下着を着けた。
「それはそうと、このまま夕食を取るのも失礼よね。……お風呂に入っても良いかしら?」
興奮でかいた汗と、快楽に喘いで溢れた愛液。欲情と共に吐き出された精液と、絶頂に酔って噴いた潮。
様々な液体が体に纏わり付き、ベタベタと粘性を帯びている。自分では気付かないが、匂いもするだろう。
「い、良いよ! え、えと、小さいお風呂と、大きいお風呂があって……大きいお風呂は廊下の奥にあるから……!」
「分かった! 大きいお風呂に入るわね!」
「い、今なら、人も居ないし、ちょうど良いね!」
「もうっ!心配性なのね♡ 女同士なら、見られても大丈夫よ♡」
セレアは彼が、奴隷の裸を他人に見られる事を嫌がっていると思った。
自らの所有物を占有したい気持ちは理解できるが、結局は女風呂。
女同士なら見られても良いだろうし、たとえ同性から劣情を向けられても、彼も焼き餅は焼かないだろう。そう思ったのだ。
「いや……うん、まぁ良いや……。
と、取り敢えず、就寝時間までは自由だから……楽しんでね……!」
「分かったわ! これからよろしくね!」
セレアは主人に軽く会釈すると、着替えとタオルと石鹸などを籠に入れて、鼻歌を歌いながら大浴場に向かった。
~~~~~~~~~~
「ふぅ~……良いお湯ねぇ~……。」
ヴィルの予想通り、女風呂は誰もいなかった。どこまでも広がる大浴場に、セレアはただ一人。
素早く丁寧に身を清めたセレアは、1日の疲れを落とす為に湯船へ浸かった。
(とっても可愛い子ね……初エッチを想像するだけで……滾っちゃう……♡)
浮力に負けて、タプタプと揺れながら水面に浮いてしまう彼女の爆乳は、どうしようもなく扇情的だ。
彼女が裸のまま風呂に浸かれるのは、当然ながら女風呂だから。
混浴でタオルを巻くのは、男女ともにエチケットとなる。
特に彼女の場合、その圧倒的な美貌に男たちが魅せられ、強姦の現場となっても不思議ではない。
風呂場で犯されるのも嫌いではないが、今は激しく楽しむよりも、ゆっくりとリラックスしたい気分なのだ。
だが、性欲が消えた訳ではない――。
(どうしよう……ムラムラしちゃった……誰も居ないよね……?)
ヴィルに犯される卑猥な想像を頭に浮かべた彼女は、頬が赤くなっている。
昂った感情を発散する為にセレアは一度、湯から上がる事にした。
「んっはぁ……♡ 程よく冷たくて……気持ち良い……♡」
ツルツルに磨かかれた大理石の床に横たわり、セレアは体を冷やす。
出入り口に足を向けたまま、体を横向きにして右頬を下にする。こうすると、体にかかる重力が心地よい。
そんな中、重力に引かれて床に着くほど柔らかい乳房に、彼女の指先は伸びた。
「あぁっ……ヴィル君ぅ……もっとぉ……♡」
全体を優しく触りながら、乳首をこねくり回すセレア。
新たな主人に弄ばれる光景を想像し、欲求を満たそうとする。
「はぁ……はぁ……はぁはぁ……♡
ダメ……おまんこ……そんなに……♡」
くちゅっ……くちゅくちゅ……
清らかな浴場の湯とは別に、淫らな雌の体液が掻き混ぜられる水音が、大理石の壁に反響する。
糸を引くほど粘性が高いソレは、彼女の指先に纏わり付いている。
体液の匂いとは思えないほど、芳醇なフルーツの香りを漂わせる淫魔の愛液は、別の世界では高値で取引されているそうだ。
「ヴィル君……もっと…………し、シン……ん"ぅッ!♡」
だが、やはりオーガズムには達しなかったようだ。
妄想の対象をヴィルから"元カレ"に変えると、すぐに絶頂した。
(なんだか……ガッカリだな……。)
一種の賢者タイムに陥ったセレアは、冷静に現状を考えた。
自分は未だに、元カレの事を引き摺っている。未練が残っているのだ。
結婚も考えていたほど両思いだったのに、やむを得ず別れた相手。
正に、自分にとっては完璧な相手だった。それは勿論、性交の相性だけでなくパートナーとしての話だ。
ヴィルヘルムでは、その代わりにならない。その事を実感させられたようで、"自分に落胆"した。
高揚していた気分は暗く沈み、なかなかキツい物がある。
(ヴィル君は良い子だけど……すごく良い子なんだけど……やっぱり、結婚相手じゃないのよね……。)
難しい物だ。友人として肉体関係を持つのには、申し分のない相手。
だが伴侶となり、彼の"子を孕みたいか"と聞かれては、些か不足がある――。
ガラガラガラガラ……
「ん?」
天井を見上げながら物思いに耽っていると、足裏の延長線上にある出入り口が音を立てて開いた。
同じ城に住む同居人、もっと言えば先住民との初対面だ。良い人間関係を築く為にも、第一印象は肝心だろう。
ましてや貴族の女社会では、噂など刹那を刻む間もなく広がるのだ。イジメやイビリなどを気にする彼女ではないが、仲が良いに越した事はない。
ゆっくりと立ち上がった彼女は、"無害"さをアピールする為に敢えて裸を晒しながら、明るく挨拶する――。
「初めまして! 新しく来たセレアティ……きゃぁっ!?」
驚いたセレアは、しゃがみ込んで体を覆った。秘所と乳首を腕で覆い、相手に見えないように隠す。
彼女は何故、女風呂で体を隠しているのか。彼女は何故、驚いて声を上げたのか。
その答えは単純だ――。
「今日はアタリかな……!」
("男"っ!?どうしてここに!?)
金髪碧眼に端正な顔立ち。そして、鍛え上げられた肉体。
その男は誰がどう見ても、"ハンサム"を絵に描いたような容姿だった。
肌や髪の質感、服装から察するに、平民ではない。間違いなく貴族だろう。
そんな男が、脱衣所から女風呂を覗いている。
(ヴィル君とは似てないけど……多分、親戚よね?粗相の無いようにしないと。)
「女風呂に"殿方"が入って来たら、流石の私も驚きますわ……。」
セレアの口調は瞬時に、貴族に対する物へと切り変わった。
流石は接客のプロ。こう言うところは、やはり手慣れている。
彼女が驚くのも無理はない。
盗撮や不法侵入ならともかく、"出入り口から堂々と"男が女湯を覗いているのだ。
いわば女湯とは、女にとっての聖域。
そんな場所を容易く侵す者がいるとは、想像もしていなかった。
「ここは女湯ですよ……///」
「なるほど……君、知らないんだ?」
「……と言いますと?」
「よく覚えといた方が良いよ。
男風呂は"男だけの為"の風呂。 女風呂は"女と入りたい男の為"の風呂だからね。」
「それは知りませんでしたわ……///」
男尊女卑、ここに極まれり。
この世界の貴族は、未だに歪んだ価値観が定着したままなのだ。女性の権利や自由など、彼らの凝り固まった頭には微塵もない。
(ツッコミしか生まれないルールだけど、知らなかった私が悪いわ。 どうしよう、逃げ出す訳にも行かないし……。)
ヴィルが彼女に言った言葉の意味が、やっと分かった。
彼は女に裸を見られるのではなく、男に見られる事を嫌がっていたのだ。
そして何より、彼には分かっていた。
貴族という欲望の塊は、女の裸を見る程度では満足しない事を――。
「この風呂に入ったからには、女には男を喜ばせる義務があるんだ。
まずは手をどかして、その立派な乳を見せてもらおうかな……!」
「え、えと……それは……///」
「恥ずかしいのかい? 男に見られるのが。」
「いえ……そう言う訳では……///」
(裸を見られるのなんて……慣れてる筈なのに……あら?)
セレアは、彼女自身の行動に疑問を抱いていた。
往来で裸を晒しても恥ずかしくない自分が、どうして大事な所を隠しているのか。
今、彼女は異様なほど頑丈に体を隠している。無意識にガードが硬いのだ。
その理由は、すぐに明らかとなった――。
(手枷が……光って……?)
手首に嵌めた二つの輪が、それぞれ光り輝いていた。
自らの意思に反して体が動いたのは、手枷の効果なのだと彼女は悟る。
「……手枷付きか。 さては君、奴隷妻だね?」
「奴隷妻……?」
「安心して……黙っといてあげるよ……!」
男はセレアの腕を引き剥がして、その裸体を拝もうとする。無防備な双丘と剥き出しの恥丘を視姦し、身も心も犯すつもりなのだ。
しかし、セレアはそれを拒んだ。
(コレを付けたって事は……ヴィル君は私の裸を見て欲しくないのよね……分かったわ!)
「お待ちください!」
「……何かな?」
貴族である自分の要求を拒むなど、礼儀知らずも良いところだ。
だが、それ以上に興味をそそられる。目の前にいる女は、なぜ自分を拒むのかと。
「仮にも私は、ヴィルヘルム様の"所有物"であります。
それ以外の方に抱かれたのでは、プライドに傷が付きます。」
「プライド?」
「はい、プライドの問題です。
しかし、貴族である貴方様をただ拒むのも、私のポリシーに反します。……そこで、"ゲーム"をしませんか?」
「なるほど、どんなゲームかな?」
「簡単な話です。 今から3分間、私はあなたを責めます。 それで一度もイかなければ、あなたの勝ち。
あなたが満足するまで、心置きなく犯してください。 勿論、私も全力でご奉仕致します。」
「ほぉ?面白そうだね! だけど、俺は早漏じゃないよ。 3分なんかで大丈夫かい?」
「油断しない方が良いですよ。 私はプロですから……!」
セレアは悪戯っぽく笑うと、男と正面から向き合った。
左腕は、相変わらず乳首を隠したまま。右手を退ける代わりに、股間にはタオルを被せた。
タオルを被せる最中も、男に見られないように細心の注意を払う。
「ガードが硬いなぁ……。」
「ウフフ♡ 頑張ってくださいね♡ このゲームに勝てば、私の体を好きに弄れますから♡」
「よし!頑張るぞ!」
セレアは営業スマイルを浮かべながら、大きく勃起した男の肉棒を見下ろす。そして、右手で玉を触りながら、ゆっくりと品定めする。
(相当なヤリチンね。 でもヴィル君に比べれば、月とスッポンね。)
「立派な物を持ってますね♡ 昨晩は4Pですか?」
「なんで分かった!?」
セレアは本心とは真逆の世辞と共に、男を驚かせる事を言った。期待通りの反応が返って来る。
「あなたのような殿方なら、女を3人抱くなんて造作も無いでしょう?」
「そうかもね! アハハハ!」
男の方は気付いていないが、コレは褒め言葉に見せかけた皮肉である。
彼女が言っているのは、"遊んでますね、隠しても無駄ですよ"と言う意味だ。
昨晩の様子が分かったのは、淫魔としての能力である。
「それじゃ、始めますよ!」
「……あれ? 口でするんじゃないのか?」
「お夕食の前ですから、お腹いっぱいになりたくないです。」
彼女たちにとって、精液は食事なのだ。
コレから豪華な晩餐が待っているのに、腹を膨れさせたくない。
そもそも、彼女はこの男を気に入っていなかった。
増長し、欲に塗れた貴族。口調こそ丁寧だが、彼女が最も嫌いなタイプだ。
相手が客ならば、立場的に抵抗できない。
そんな状況で、"メチャクチャに犯される"のも興奮する。
だが、今はプライベート。
こんな男とセックスするなら、その時間でヴィルの肉棒をしゃぶりたい。
それに加えて、精子の質も最悪だ。
早い話、彼女としても"不味い飯"は食いたくない。
「せめて、胸で挟んでくれないか。」
「パイズリは、ヴィル君にもした事が無いです。 ご主人様より良い奉仕をするのは、ポリシーに反します。」
「意外と面倒だね……。」
「こう見えても、安い女ではないので。
でも、こう考えてみませんか? 女を敗北させて犯すのも、趣が有って良いですよ。」
「……確かに。」
「私は約束を守る女です。 殿方に敗北したなら、全身全霊で奉仕させて頂きます♡」
セレアはそう言うと、男の肉棒を優しく握り、ゆっくりと扱き始めた――。
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