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1章 アンジェラス1は転生する
44 熱意はすごい
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兵士たちの雄叫びは、五月蝿いだけでは無かったと今、証明された。
ちゃんと、私のためを思って本気で挑んでくれているのだと身に染みてわかった。
利用していると分かってるのに、協力してくれている。
なんで、協力してくれるのか分からないけれど、取り敢えずは模擬戦の勝利という目の前の目標を達成するだけだ。
理由なんて、後で考えれば良いし聞けば答えてくれる事だろう。
「皆、凄く成長したね。絶対に模擬戦には勝てるよ。」
心の底で、使えないと思っていた事を熱意だけで、皆は克服して魔法を扱える様になっていた。どんだけ強い熱意なんだと思うが、雄叫びを聞いたら、何となく頷けた。
そして、その甲斐あってか教えなくても自由にイメージして、使いこなしていたのだ。
それぞれの朱だったり山葵色属性の特徴も、一回説明するだけで覚え、其々に特化したイメージの練習もしていた。しかも、誰1人怠けずにだ。
因みにフェリックス達はもういない。
部外者には後日教える事にしているからだ。
「だから、今からは余裕で勝つ為の演技、方法を教えてあげる。」
「「「是非ともご教授ください!!」」」
「もちろんだよ。」
魔法剣の使い方は、もう既に説明し習得していた。
皆、3種類のイメージした技を組み込んで自由自在に楽しそうに遊んでいたのだ。
因みにイメージが大切な魔法に、上級、下級、中級などと言った階級はない。
ただ、一人一人魔力量が違うからスケールは変わってくるのだが。
「先ず、完全勝利をする為には正当防衛を成立させるか、相手を躍らせて余裕で勝つかの二択しかない。」
そこはちゃんと理解しているのか、コクリと頷いている。
「実力がない相手には、後者でも良いかも知れないけど、副団長とかの実力者には絶対に余裕持って勝つ事は不可能だと言えるよね?勿論、私は余裕だけどね。」
負けるわけがない事を、ちゃんと言っておく。
すると、またコクリと頷いてくれた。
「その場合は、相手が可哀そうになるくらい半殺しにするの。実力が大して変わらない相手なんて、正攻法でいったらギリギリ勝った様にしか見えないから。」
「では、ズルをするのですか?」
嫌そうな顔をする真面目な青年に首を横にする。
「兵士である貴方達の名誉を傷つける様なことはしない。ただ、態度で人を騙すの。良い戦闘を繰り広げた後にこういうの……"はっ、こんなんで僕に勝ったつもりか?余裕だったぜ三下が!!'って、笑いながら言うと良いよ。因みに、顔を踏んだりしちゃダメだよ?一方的な暴力はいけない事だからね。」
ちゃんと、そこら辺は守らなければならないと思う。
「そして、皆が聞きたいであろう半殺しにするための技を教えてあげる。」
そういうと、目がキラキラと輝きだす。
本当に、童心に返る様に仕向けてから子供のように未知のものに対する憧れや興味が強くなったと思う。
「まず、魔法剣を持って妖精に力を借りるの。そして、一番初めに教えた木刀。」
コクリと、頷く兵士たち。
「あの二つを両手に握って、魔法剣を障壁に。そして木刀を上に掲げて沢山のビー玉の様な球を作り出すの。一発当たるだけでもアードリアが怯えるほどには痛いからね。」
一度、腹部に当てたら大泣きしていた。
ちゃんと手加減していたのに、化粧がぐちゃぐちゃになって、若いのにおばさんにしか見えなかったのは記憶に新しい。
「やり方は、貴方達が中々初めできなかった魔力を集めて球を作る。その球を凝縮して一つの小さな塊にするの。例えたら、たくさんの紙を丸めると硬いボールになるでしょ?あんな感じなの。」
分かりやすい説明だったのか、「確かに……」と呟く声が聞こえる。
「それを何回も繰り返すから、魔力量も激しいし時間もかかるけど、一気に決着がつくからやってみてね。特に剣では勝てないと分かっている相手に魔法で勝つ時はね。」
中には、魔法を使っても勝てない対戦相手だっているだろう。
なら、魔法を全力で使う他ないだろう。
「反則でなければ何でも良い。惨めでも悪口言われても、勝てばそれで良いの。勝てば負けた方は負け犬の遠吠えになるんだから。」
だから、今日は全力で頑張ってね?といえば、また元気な声が返ってきた。
***
「明日は、絶対に頑張るぞ。」
深夜、アンジュの部隊はみんなで集まって作戦を立てていた。
「アンジュ様は俺達に期待なさっている。どんな手を使ってでも勝つんだ。」
「俺たちが勝てない相手もいるけど、地面を這いつくばってでも勝ってやる!」
「あったりめーだ!!」
誰もがやる気に満ちた目で、誰が誰の相手をするのか決める。
「この中で剣術が一番優れているのは、ヒロだな。」
「魔法は、イマイチだけど。」
「ヒロは、完璧に勝てる中ぐらいの相手と戦わせる。そして、一番魔法が強いやつ……リントは、副団長の次に強い奴と戦え。剣は敵わないだろうが半殺しにするんだ。」
「おう。」
「副団長は俺が倒す。実力はあっちが上だが絶対勝って馬鹿にして余裕の笑みで勝ってやる。」
「積年の恨みを晴らすってか。」
「勿論だ。プライドをズタズタにしてやるぜ。」
「だが、暴力はするなよ。アンジュ様は自己中なわりに一方的な暴力を嫌っていらっしゃる。」
「分かってるさ。」
「アンジュ様は一方的な暴力を自分はやってるのにそれに気づいていないがな。」
「それとこれは別だ。」
「そこも良いところ一つだろうが。」
「「「まじで天使だ。」」」
この兵士達は、アンジュが来てから確かに変わった。
今まで大将軍の直属の部隊であるにもかかわらず、三公格と大して変わらなかった実力に、やっと差をつけられる。
ボロボロだったプライドが、完治するのだ。
「何としてでも勝つぞ。」
「勝利は俺たちアンジュ様の中だ。」
「「「アンジュ様のために!!!」」」
「ーーアンタたち五月蝿いよ!!」
叫んだからか、寮父から叱られた。
だが、みんな満足した顔をしていたのだった。
ちゃんと、私のためを思って本気で挑んでくれているのだと身に染みてわかった。
利用していると分かってるのに、協力してくれている。
なんで、協力してくれるのか分からないけれど、取り敢えずは模擬戦の勝利という目の前の目標を達成するだけだ。
理由なんて、後で考えれば良いし聞けば答えてくれる事だろう。
「皆、凄く成長したね。絶対に模擬戦には勝てるよ。」
心の底で、使えないと思っていた事を熱意だけで、皆は克服して魔法を扱える様になっていた。どんだけ強い熱意なんだと思うが、雄叫びを聞いたら、何となく頷けた。
そして、その甲斐あってか教えなくても自由にイメージして、使いこなしていたのだ。
それぞれの朱だったり山葵色属性の特徴も、一回説明するだけで覚え、其々に特化したイメージの練習もしていた。しかも、誰1人怠けずにだ。
因みにフェリックス達はもういない。
部外者には後日教える事にしているからだ。
「だから、今からは余裕で勝つ為の演技、方法を教えてあげる。」
「「「是非ともご教授ください!!」」」
「もちろんだよ。」
魔法剣の使い方は、もう既に説明し習得していた。
皆、3種類のイメージした技を組み込んで自由自在に楽しそうに遊んでいたのだ。
因みにイメージが大切な魔法に、上級、下級、中級などと言った階級はない。
ただ、一人一人魔力量が違うからスケールは変わってくるのだが。
「先ず、完全勝利をする為には正当防衛を成立させるか、相手を躍らせて余裕で勝つかの二択しかない。」
そこはちゃんと理解しているのか、コクリと頷いている。
「実力がない相手には、後者でも良いかも知れないけど、副団長とかの実力者には絶対に余裕持って勝つ事は不可能だと言えるよね?勿論、私は余裕だけどね。」
負けるわけがない事を、ちゃんと言っておく。
すると、またコクリと頷いてくれた。
「その場合は、相手が可哀そうになるくらい半殺しにするの。実力が大して変わらない相手なんて、正攻法でいったらギリギリ勝った様にしか見えないから。」
「では、ズルをするのですか?」
嫌そうな顔をする真面目な青年に首を横にする。
「兵士である貴方達の名誉を傷つける様なことはしない。ただ、態度で人を騙すの。良い戦闘を繰り広げた後にこういうの……"はっ、こんなんで僕に勝ったつもりか?余裕だったぜ三下が!!'って、笑いながら言うと良いよ。因みに、顔を踏んだりしちゃダメだよ?一方的な暴力はいけない事だからね。」
ちゃんと、そこら辺は守らなければならないと思う。
「そして、皆が聞きたいであろう半殺しにするための技を教えてあげる。」
そういうと、目がキラキラと輝きだす。
本当に、童心に返る様に仕向けてから子供のように未知のものに対する憧れや興味が強くなったと思う。
「まず、魔法剣を持って妖精に力を借りるの。そして、一番初めに教えた木刀。」
コクリと、頷く兵士たち。
「あの二つを両手に握って、魔法剣を障壁に。そして木刀を上に掲げて沢山のビー玉の様な球を作り出すの。一発当たるだけでもアードリアが怯えるほどには痛いからね。」
一度、腹部に当てたら大泣きしていた。
ちゃんと手加減していたのに、化粧がぐちゃぐちゃになって、若いのにおばさんにしか見えなかったのは記憶に新しい。
「やり方は、貴方達が中々初めできなかった魔力を集めて球を作る。その球を凝縮して一つの小さな塊にするの。例えたら、たくさんの紙を丸めると硬いボールになるでしょ?あんな感じなの。」
分かりやすい説明だったのか、「確かに……」と呟く声が聞こえる。
「それを何回も繰り返すから、魔力量も激しいし時間もかかるけど、一気に決着がつくからやってみてね。特に剣では勝てないと分かっている相手に魔法で勝つ時はね。」
中には、魔法を使っても勝てない対戦相手だっているだろう。
なら、魔法を全力で使う他ないだろう。
「反則でなければ何でも良い。惨めでも悪口言われても、勝てばそれで良いの。勝てば負けた方は負け犬の遠吠えになるんだから。」
だから、今日は全力で頑張ってね?といえば、また元気な声が返ってきた。
***
「明日は、絶対に頑張るぞ。」
深夜、アンジュの部隊はみんなで集まって作戦を立てていた。
「アンジュ様は俺達に期待なさっている。どんな手を使ってでも勝つんだ。」
「俺たちが勝てない相手もいるけど、地面を這いつくばってでも勝ってやる!」
「あったりめーだ!!」
誰もがやる気に満ちた目で、誰が誰の相手をするのか決める。
「この中で剣術が一番優れているのは、ヒロだな。」
「魔法は、イマイチだけど。」
「ヒロは、完璧に勝てる中ぐらいの相手と戦わせる。そして、一番魔法が強いやつ……リントは、副団長の次に強い奴と戦え。剣は敵わないだろうが半殺しにするんだ。」
「おう。」
「副団長は俺が倒す。実力はあっちが上だが絶対勝って馬鹿にして余裕の笑みで勝ってやる。」
「積年の恨みを晴らすってか。」
「勿論だ。プライドをズタズタにしてやるぜ。」
「だが、暴力はするなよ。アンジュ様は自己中なわりに一方的な暴力を嫌っていらっしゃる。」
「分かってるさ。」
「アンジュ様は一方的な暴力を自分はやってるのにそれに気づいていないがな。」
「それとこれは別だ。」
「そこも良いところ一つだろうが。」
「「「まじで天使だ。」」」
この兵士達は、アンジュが来てから確かに変わった。
今まで大将軍の直属の部隊であるにもかかわらず、三公格と大して変わらなかった実力に、やっと差をつけられる。
ボロボロだったプライドが、完治するのだ。
「何としてでも勝つぞ。」
「勝利は俺たちアンジュ様の中だ。」
「「「アンジュ様のために!!!」」」
「ーーアンタたち五月蝿いよ!!」
叫んだからか、寮父から叱られた。
だが、みんな満足した顔をしていたのだった。
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