ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

R.K.

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二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ?

ダンジョンドラーズ、ハラハラドキドキ探索! 45

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 部屋の中は氷っているのではないか、そう思えてしまうくらいには、冷たかった。
 そのせいで、部屋の中に入るのを躊躇ためらう。
 でも、この中に一体なにがあるんだろう。
 これだけ冷たいと、なにかあるのだということだけはわかる。
 ここはとりあえず、後回しにしよう。
 ここから出たいと思ってるのは事実なんだけど、死んだらさすがに困るわけだから、近くの他の部屋にしよう。
 そう思って、次の部屋に向かう。


 次の部屋での扉のドアノブに触れると、また冷たかった。
 おかしい。なんで同じように冷たいんだろう。
 前の部屋と同じぐらいに冷えていた。
 そして、この部屋もあとにして、次の部屋に向かう。
 次の部屋でも、ドアノブが冷えている。
 それから、しばらくの間それを繰り返しながら、また4回角を曲がり終える。
 たぶん、一周はしてきた。
 どの部屋のドアノブも、部屋の中が氷漬けになってるのではないか、と思うくらいには冷たかった。
 わけがわからなくなってくる。
 仕方ない、もう諦めてこの部屋に入るか……。
 私は一人、そんなことを思っていると、

「あの、いつまでそうして逃げ続けるのですか? 私はもう、待ちくたびれてしまいましたよ」

 冷たく、でも、心の籠もった温かさを感じる声が、耳元で聞こえた。
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