ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

ダンジョンドラーズ、ハラハラドキドキ探索！ 37（前編）

「やはり、ウィレアさんだったんですね」

　あとから追いついて来た、マリアたちはここに来るなり、私ではなくウィレアに話しかけていた。

「マリアさんがいたのですね。似てる人かと思ってましたが、本人でしたか。お久しぶりですね」

「はい、お久しぶりです」

　というか、マリアとウィレアは知り合いだったんだ。
　てことは、やっぱりウィレアは悪い魔女のような……。
　でも、一応良い魔女ではあるしな……。

「つまり、そういうことだったんですね」

「はい、そういうことですよ」

　ミリアちゃん、空気読んでなくていいからこっちに来ないかな。うさちゃんはたぶん、来ないか。
　ハンディーは別にいいや。

「ここで話すのもあれなので、場所を移動しませんか？」

「そうですね」

　そして、ウィレアは呪文を唱えることなく、一言こう言った。

「メタスタシス」

　そして、今度は優しい緑色の光に包まれていく。
　そして、次の瞬間には、大きな庭園の真ん中にいた。
　目の前には大きな屋敷がある。
　周りには、誰もいなかった。

「えっ？　マリアー！　ミリアー！　うさちゃん！　ウィレアー！　あと、おまけにハンディー？　とにかく、みんなどこー！？」

　私にとっても、知らない場所に一人の状況となって、不安に駆られる。