ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

R.K.

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二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ?

ダンジョンドラーズ、ハラハラドキドキ探索! 35

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 足で海を感じる。
 冷たく、少しベタつくような感じに、懐かしさを感じる。
 私はしゃがみ、海水を両手で掬う。
 掬った海水はさらさらと両手から流れて、広大な海に帰る。
 両手には少しのベタつきが残る。
 水平線を見る。
 今はしゃがんでるから、遠くに見えるだけの水平線は、より近いところにいるんだろう。
 そう、遠くに見えて、近くにいる。
 それが、水平線。
 だから、水平線の向こう側に行きたいと思ったら、ここから見えてる水平線の先、向こう側に簡単に行ける。
 けど、水平線はまた遠くに見えて、永遠と水平線に辿り着くことはできない。

「……さん」

 私は、一体どうしたらいいんだろう。

「……ズクさん」

 このままでいいのかな。
 私はいつも通りでいいのかな。
 きっと、次にみんなと会うとき、みんなは成長してる。
 そして、またみんなと差ができて──。

「シズクさん! 大丈夫ですか?」

「えっ? うん、大丈夫だけど……」

「そうですか。何度も呼びかけたのですが、中々返事がなかったので。みなさんが来ましたよ。もといた洞窟に戻りませんか?」

「う~ん、ちょっとだけいい?」

「どうぞ」

 私はウィレアに許されると、両手で海水を掬い、それを急いで口に運ぶ。

「しょっぱっ!」

「……? パシフィックですので、当然ですよね?」
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