ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

ダンジョンドラーズ、ハラハラドキドキ探索！ 28

「わかった。それなら、もう知ってること全部教えて」

「私は眠いのですが……」

「だから、今夜は寝かさないって言ったでしょ」

「それじゃ、こうしましせんか？」

「どうするの？」

「もし、寝かせてくれたら、知りたいことを話します。なので、とにかく寝かせてください」

「えっと、そんなに眠いの？」

　正直、五日もあるわけなんだから、結構眠いようなら寝てもらってもいい。
　でも、そこまで眠そうには見えないんだよね。
　なんか、とりあえず寝たいからというか、逃れたいだけのような気がするんだよ。
　本人は眠い眠い言ってるんだけど……。

「ねえ、本当に眠いの？」

「眠いですね。かなり眠くて頭が回らないんですよ。なので、一度眠りたいんです」

　嘘をついてる感じはしないし、なんなら本当のことを言ってる気がしかしない。
　あっ、そうだ！　それなら──

「ねえ、どれくらい眠い？」

「あの、先程言ったと思いますけど？」

「そうだけど、もう一回聞かせて」

「眠くて頭が回らないぐらいです」

「じゃ、だめ」

「あの、なんだったらよかったんですか？」

「だってそれ、そこまで眠くないでしょ。目が疲れてるわけじゃないんだから、大丈夫」

「そ、そんなあー！　だめですか？　寝たらだめなんですか？」

「だめ」

　ふっ、私はやっぱり天才だな。