ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

ダンジョンドラーズ、ハラハラドキドキ探索！ 24（前編）

「それが全部じゃないでしょ？　全て話して」

「…………」

　謎に沈黙が続いた。
　それになんの意味があるのか。それともなんも意味がないのか。時間は刻一刻と過ぎ去っていき、最初に沈黙をを破ったのは、悪い魔女だった。

「ふふふ、ふふふふふ……」

　それは、とても気味の悪い笑い声で、まるで気が狂ってしまったかのような声だった。

「なに？　どういうこと？」

　私は目の前の現象に、思わず目を丸くして驚きながら、そう声を出す。
　なんなんだろう。
　それとも私、変なことでも聞いたかな……？

「すいません、気味が悪かったですよね」

「ああ、うん。現在進行形で気味は悪い」

「ふふふ……。えっと、やはりあなたは面白い人だなと思いまして。そもそも、私の目の前で普通に会話している方自体がめずらしいのですよ。大抵の方は黙り、それ以外の方は気が狂ってしまって、まともな会話にならないんです」

「えっ……？　でも、私は普通に話せてるし、とくにそういったこともないよ？」

「そうですね。なにか変わった方なのかと思いましたが、至って普通の人間です。しかも、勇者を役職にしている、そこら辺にいそうな人間ですね」

　なんか、煽ってるのか、やたらグサグサ刺してくる。
　というか、腹立つ。