ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

R.K.

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二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ?

ダンジョンドラーズ、ハラハラドキドキ探索! 14

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「さっき、なにもいらないって言ってたよね?」

「はい、その予定でしたよ。ですが、名前ぐらい教えていただかないと不便なので、せっかくなので教えていただくという対価をいただかこうかと」

 これは厄介だな。でも、なにも聞けないとなると困るし。それに、気まずい上に暇だし……。

「それで、名前を教えてくれませんか?」

「……一度しか言わないから」

「それじゃ、少し待ってくださいね」

 そうすると、なにやら何かの魔法を発動したのか、空間が一瞬で洞窟から花畑になる。

「それでは、どうぞ。私の準備はできたので、名前をいってください」

「……? まあ、よくわからないけど、私の名前は雫。雨宮雫だよ」

「『私の名前は雫。雨宮雫だよ』なるほど、覚えました」

 突然、私の声をそのままリピートした彼女に疑問が生じる。

「ねえ、今なにしたの?」

「なに、とはなんですか? 私はなにもしてないですよ。ところで、紅茶でいいですか?」

「えっ? あ、うん。紅茶でいいよ」

 とりあえず、はぐらかされた。
 まあ、教える気はないということだろう。
 ただ、この花畑はなんとなく気持ちがいい。

「はい! こちらの椅子に座ってください。紅茶のお砂糖はお好きな数をどうぞ」

 まるで、どっかのお店のテラス席のようなせっとが、かわいい声とともに出てきた。
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