ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ？

ダンジョンドラーズ、ハラハラドキドキ探索！ 10

「さてと、ミリアちゃん。本当にそこに、女の人がいるの？」

「うん、いる」

　このミリアちゃんが言ってるんだから間違いなくいるんだろう。
　さて、どうしてくれようか……。

「マギア、とりあえず警戒して！」

「……しめて」

「えっ……？」

「抱きしめてって言ったの！」

「えっと、いいけどなんで？」

「ミリアが抱きつかれてたから」

　う～ん、どうしよう。別に、抱きしめてあげること自体には抵抗とかないんだよね。女の子同士なわけだし。
　でも、でも、なんかな～。
　いや、たまにはマギアにもご褒美をあげないとだめか……。
　アメとムチは大切だしね。要求自体が楽なうちにあげとこう。

「わかった。それじゃ、両手を広げて？」

「やったっ！　はい！」

　マギアはそうして、両手を広げてくれる。
　そんなマギアに、私は抱きついてあげると、

「マギア、大丈夫だよ。私はいつでもマギアのことを一番に考えてるからね」

　甘い言葉をかけてあげた。
　これだけアメをあげれば、マギアだって満足してくれるでしょ。
　そう思ってマギアの方を見ると、マギアは今にもとろけそうな笑顔を浮かべていた。
　そして、いつもの5倍ぐらいニヤついてるマリアも見えた。
　そして、そんなマリアからこう言われた。

「マギシズてぇてぇですね」

「その言葉、この世界にもあったんだ」