ゲームを始めたはずの私は、なぜか異世界で勇者《最弱職》になりました

R.K.

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二章 ダンジョン探索は冒険者のロマンでしょ?

なぜか、喫茶店でバイトすることになりました23

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 マギアは指輪を嵌め、眺めている。

「これ、売ったらいくらになるのかしら」

「売らないでよ? 絶対に売らないでよ?」

「ただの冗談よ。それに、私がシズからの贈り物を売るわけないじゃない」

 なぜか、マギアのその言葉に私は納得してしまう。全然、納得はしたくないけど……。
 でも、まあ、それだけ喜んでくれるなら、私も嬉しい。
 それに、こういうことをするのは初めてのことだったから、少し緊張もしてたから、なんかホッとした。

「シズさん、なんか安心しましたか?」

「えっ……! あー、うん。よくわかったね」

「わかりますよ。だって、見てますから」

 なんとなく、マリアには嘘なんかはつけないような気がする。
 けど、それはつまり、みんなのことが好きだってことなんだから、私はいいことだと思う。
 マリアはきっと、私たちパーティーのお母さんなんだ。

「そ、それじゃ、ミリアちゃん、あれを待ってきてくれる?」

「はーい!」

 元気よく声をあげて、てとてと歩いてそれを取りに行く。

「えっ、なに? まだ何かあるの?」

「そりゃ、ね。だって、誕生日と言ったら、あれがないとでしょ? ね、マリア?」

「そうですね。あれがなくてはなりませんよね。ですよね、サティーさん」

「は、はい。よく知りませんけど。いえ、私なんかが知ってていいことじゃないですよね」

 一人だけ、なんかテンションがおかしい気がするけど、でもやっぱり、誕生日にはあれがなくちゃ!
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